苦手意識の高いフェアウェイウッドとロングアイアンの代用のイメージが高いユーティリティですが、フェースの角度が大きくシャフトの短いタイプが扱いやすいと考えられます。
特に初心者は、他のクラブとの難易度とは比較できないこともあるでしょうから、選ぶときは扱いやすさが基準になります。
今回は初心者のためのユーティリティの選び方についてまとめます。
初心者は角度の立っているクラブの代わりにユーティリティを
初心者がクラブを揃えるときに迷うのは、もしかしたらユーティリティかもしれません。
ユーティリティは、苦手とするフェアウェイウッドやロングアイアンの代わりに使う道具です。
フェアウェイウッドよりもシャフトは短いためにヘッドコントロールがしやすく、ヘッドのソールが広いため、振り抜きの良いクラブになっています。
問題は、初心者にとってどのクラブが苦手なのかが分からないことです。
一般的に難しいと感じるのは、長いシャフトでフェースの角度が立っているタイプです。
アイアンで言えば3番アイアン、フェアウェイウッドで言えばスプーンが難しいと感じるはずです。
しかしそのような選び方をすると、3番アイアンや4番アイアンがなくなり、スプーンやバフィー、もしかするとクリークまでなくなるかもしれません。
これもクラブ選択の1つとしてはあって良いわけですが、いずれゴルフが上達したときに触れたこともないクラブに選択の余地はなくなるため、これから伸びていく初心者にとっては最初から使わないことがマイナスになることも考えられます。
初心者のユーティリティ選びはフェースの角度で打ちやすさを
初心者がユーティリティを選ぶ場合、とりあえず打ちやすさだけを求めたほうが良いかもしれません。
一般的には苦手クラブを補完するために選ぶことが多いユーティリティですが、初心者はすべてのクラブが苦手と言えます。
これから1本ずつ得意となるクラブを習得していくことになりますが、ゴルフクラブを揃える時点では得意クラブを持っていないはずです。
そのためこれから練習するクラブであれば、「打ちやすさ」は良い選択の基準になります。
真っ直ぐ飛ぶ、飛距離が出るといった条件がついているわけではなく、単にボールを打ちやすいだけですから、初心者向きのクラブとも言えます。
問題はユーティリティのどれを選ぶかです。
フェースの角度が小さいほど飛距離は伸びますが難しくなり、フェースの角度が大きいほど飛ばない分打ちやすくなります。
大抵のメーカーのユーティリティは、1番アイアンから6番アイアンに相当するロフトの角度を揃えています。
ただしメーカーによっては、もっと限られたユーティリティだけを揃えていることがあるため注意が必要です。
初心者に扱いやすい角度のユーティリティは24度?
ユーティリティで扱いやすいのは、5番アイアン以下に相当するフェースの角度を持ったものです。
初心者が最初にスイングの練習をする番手は、スタンスの中央にボールをセットする7番アイアンが多いはずです。
しばらくは7番アイアンでスイング作りをして、スイングの軌道が安定してきたら、6番アイアンに移行することでしょう。
7番アイアンと違う番手でもスイング作りができるようになると、あとは使えるクラブを広げていくだけです。
その一環として、ユーティリティの24度を練習します。
ロフト角24度は5番アイアンに相当しますので、5番アイアンの代わりのクラブとしてユーティリティを選べば、実践でも扱いやすくなるはずです。
初心者の頃はティーショットのミスばかりで、セカンド地点からの距離が十分に残っていて、しかもラフに入っている場合があるでしょう。
本来であれば、フェアウェイウッドやロングアイアンを使いたいところですが、ラフからのショットでは難しいと感じるはずです。
そんなとき便利なのがソール幅が広いユーティリティの24度、一般的には5UTと呼ばれることが多いようです。
24度と25度のユーティリティがあったら初心者にとって使いやすい角度はどちら?
初心者が扱いやすいユーティリティと言えば5UTですが、ユーティリティはロフトの角度が統一されていないため、メーカーによっては24度の場合もあれば25度の場合もあります。
飛距離はヘッドスピードに左右されますが、24度は5番アイアン寄り、25度は6番アイアン寄りになります。
ただヘッドの振り抜ける感触はどちらもほとんど変わりませんので、飛距離の出るほうが良ければ24度を、セカンドショットやショートホールのティーショットとしての使い勝手を考えると25度と、それぞれに選択肢はあります。
5UTが簡単に使えるようであれば、次のユーティリティは3UTや4UTが便利かもしれません。
もしも5UTに少し不安があるのであれば、6UTの選択肢もあります。
つまりシャフトの長さに不安がなければ上の番手、長くなると不安と思うようであれば、全体的に短めだけで揃えると良いかもしれません。
そもそもユーティリティは「役に立つ」という意味ですから、フェアウェイウッドやロングアイアンが使えない場面でも有効打を打てる道具です。
逆に言うとミスショットが許されない道具でもあるので、確実性の高い扱いやすさを重視して選ぶようにしましょう。
アイアンタイプのユーティリティの角度は初心者向き!
ユーティリティの意味は「役に立つ」ですが、もう1つのユーティリティに「混合」という意味を持つハイブリッドがあります。
ユーティリティにはヘッドがウッドタイプのものと、アイアンタイプのものがあり、一般的にアイアンタイプはハイブリッドと呼ばれています。
アイアンとほぼ同じようなフェースの角度をしていますが、ソールだけが少し広くなっているため、ダフリなく芝の上を滑ってインパクトができます。
アイアンショットでは、芝の抵抗でフェース面が狂わされてしまう場面でも、ハイブリッドを使えばヘッドの振り抜けが良く方向性も飛距離もイメージ通りにショットできるでしょう。
このアイアンタイプのユーティリティの場合は、設計具合がほとんどアイアンと同じ番手になっているため、扱いやすさも計算しやすいです。
またモデルは限られますが、3番アイアンからピッチングウェッジまで、すべて同じアイアン型ユーティリティで揃えることができるため、初心者にとっては飛距離の心配もなくなるはずです。
初心者にやさしいユーティリティのフェース角度は混合の証
初心者にとってユーティリティは「役に立つ」道具であると同時に、フェアウェイウッドとアイアンが「混合」した道具であるアイアンタイプのハイブリッドのほうが使いやすいかもしれません。
長さは短くソール幅が広い分だけダフリがなくなるため、結果的に手前から入射する癖がつき、トップする可能性もなくなるでしょう。
またソール幅の広さによる安心感があるため、余計なスイングを考える必要がなくなります。
アイアンだとフェースを開いて角度をつけてスピン量を増したり、鋭角的に打ち込むスイングをしたりと、初心者にはハードルが高くミスショットの要因となります。
しかしながらソール幅が広いユーティリティやハイブリッドだと、フェースを寝かせた際リーディングエッジが浮いてしまうため、最初からその打ち方を選択することはないはずです。
またラフに沈むボールに対して鋭角的に打ち込まなくても、ヘッドが抜けてくるのでこれも必要はなくなります。
ただしアイアンを使わずにハイブリッドだけで練習をした場合は、アイアンより優れているという恩恵を感じることすらないでしょうから、「役に立つ」と実感できるのはずっと先になるかもしれません。
扱いやすさこそ優先すべきこと
初心者にとってユーティリティは簡単な道具ですから、大いに活用したほうが良いでしょう。
フェアウェイウッドとアイアンの代用と考えるのではなく、自分の使いやすい角度のものから揃えていくのがおすすめです。
その中でもアイアンタイプのハイブリッドは一考の価値があるのではないでしょうか。
試打で違いを体感できると尚良いです。