ドライバーの飛距離を伸ばすためには、ヘッドスピードの速さと打ち出し角、そしてスピン量を適正にすることが必要です。
練習を繰り返せばヘッドスピードは速くなりますし、アッパーブローのスイングを習得すれば適正な打ち出し角は身につきます。
しかしながらスピン量を抑制するためには、前者2つとの兼ね合いが必要になり、またドライバースペックも大きく影響します。
今回はドライバーのスピン量をコントロールする方法を紹介します。
ドライバーはバックスピン量があるから適正な方向に飛ばせる
ドライバーの飛距離を伸ばしたいと考えたとき、最初に取り組むのは打ちっぱなしの練習場で、少しでも多くのボールを打つことではないでしょうか。
この考え方に間違いはありませんが、できるだけ身になる適正な練習にすることが重要です。
気持ちに任せてボールをひっぱたくような練習をしても、爽快感以外に得るものはありません。
正しいインパクトの形を作ることを心がけることによって、方向性が良くなり飛距離も伸びてきます。
何よりもミスの少ないドライバーショットができるようになります。
どんなに飛んでも、セカンドショットが木の中から出すだけでは意味がありません。
できるだけフェアウェイでセカンドショットが打てて、しかも飛距離が出せるように打つことが大切です。
そこで大事なのが曲がらないボールを打つことです。
ドライバーにはロフト角があるため、普通にフェースを合わせればそれ相応のバックスピンがかかります。
逆回転のスピン量が多ければ、横回転のスピン量が入る余地は少ないためボールは曲がりにくく、しかも浮力が備わるので低く打ち出しても最終的には高い弾道で飛んでいくことになります。
スピン量が適正でないとドライバーの飛距離はロスする
ドライバーショットでバックスピン量を増やせばサイドスピンが減り、横への曲がりは少なくなりますが、その代わりに飛距離が犠牲になる可能性があります。
ただバックスピンは飛球するボールの浮力になるため、理想的な放物線を描く45度よりも低い打ち出し角でも、浮力によって一定の飛距離には繋がります。
ドライバーのロフト角は11度前後ですが、アッパーブローのスイングによって、打ち出し角が14度得られれば問題はありません。
わずか3度程度ですが、その角度を上手くアッパーブローでインパクトをできるのは、ゴルファーの中でも一部の人だけのようです。
多くのゴルファーは、打ち出し角が足りない分をバックスピン量でカバーしています。
ただしバックスピンが過度に掛かってしまうと、ボールはどんどん上昇していわゆる吹け上がりになってしまいます。
頂点まで達したボールは、飛球の勢いを失い急激に落下するだけです。
つまり適正なスピン量でなければ、飛距離が伸びることはないのです。
ドライバーのスピン量を適正にコントロールする方法
ドライバーにはロフト角があり、ボールの側面をとらえると、フェースの斜面を上に向けて転がります。
ただ実際のインパクトは瞬間的なものですから、この転がりが摩擦となってバックスピンを掛けていることになります。
スピン量の大きさは、フェースの斜面の転がり具合と打点で決まります。
斜面の角度が大きいほど、またフェースの下に当たるほど長く転がる分、スピン量は増すことになります。
したがってロフト角が12度のドライバーはスピン量が多くなり、仮に0度で垂直なドライバーであれば、フェース面を転がり上がることがなくなるためバックスピンも入らないはずです。
スピン量をコントロールするためには、フェースの斜度を適正な角度にしなければなりません。
インパクト時のフェース角度はドライバーのロフト角によるものと、スイング軌道によって作られたものがあります。
ロフト角が大きいほどスピン量は増やせますし、スイング軌道関係なく適正な打ち出し角に近づけられます。
対してスピン量を減らすためには、ロフト角の小さなドライバーを選ばなくてはいけませんが、立てた分だけ角度をつけたアッパーブローのスイングが必要になります。
ドライバーの飛距離が伸びる適正なスピン量は2400回転
最も飛ぶ放物線を描いて飛ばすにはスピン量が少なすぎても多すぎてもいけません。
ドライバーの飛距離が伸びる適正なスピン量は、2400回転と言われています。
この適正なスピン量は、ヘッドスピードの速さによって多少変わります。
ヘッドスピードが遅い場合は、なるべくロフト角の大きなドライバーを使ったほうが飛距離は出ます。
一方ヘッドスピードが速い場合には、ロフト角の小さなドライバーでも、インパクトの衝撃が大きくなるためスピン量は多くなります。
男性アマチュアゴルファーのヘッドスピードの平均値は40m/s程度と言われていて、その場合の適正なスピン量が2400回転です。
問題は適正なスピン量が2400回転だと分かったとしても、その回転数になるような打ち方ができないことです。
スピン量を意識せずにインパクトをすると、3800回転程度入ると言われていますが、アッパーブローで、かつフェース上目でインパクトをすることで、2400回転にまで抑えることができます。
アッパーブローは、ボールの手前でスイングの最下点を迎えて、そこから浮かび上がるヘッドでボールをとらえます。
このとき下から打ち上げるため、打ち出す方向とフェースの角度が近くなり、摩擦は小さくなるわけです。
またフェース上部で当たるとギア効果が働き、さらにスピン量は減らせます。
ヘッドスピードの把握が適正なスピン量に繋がる
ドライバーのスピン量を適正にするためには、まずもって自分のヘッドスピードを知っておく必要があります。
インパクトの衝撃の強さとフェースの斜度が摩擦に関係するため、ヘッドスピードとロフト角が適正なスピン量にとって大切です。
一般男性の平均的なヘッドスピードは40~42m/sですが、正しいアッパーブローのスイングができたとすると、ドライバーは10.5~11度が適正とされています。
もしも40m/s以下であればドライバーのロフト角は12度になりますし、43m/s以上であれば10度よりも少なくしていくことになります。
ただしこのロフト角とヘッドスピードの相関は、アッパーブローでのフェースの角度が重要ですから、個々のゴルファーによって違う場合があります。
例えばヘッドスピード50m/s以上での適正なロフト角は8.5度ですが、松山英樹プロは9度を使っていますし、石川遼プロは9.5度を使っています。
プロの場合はバックスピンが減り過ぎることを嫌うために、そういった傾向になっていると考えられます。
一般男性にとって問題なのは、ヘッドスピードを計測するときだけ「マン振り」であって、ティーグラウンドでのティーショットと違う場合が大きいことなのです。
ドライバーのスピン量を適正にするにはスイングの分析が大事
ドライバーの理想とする放物線を描くためには、スピン量と共に打ち出し角が重要になるため、アッパーブローの角度とロフト角が合っていなければなりません。
ヘッドスピードが速いほど適正なロフト角は小さめで、アッパーブローの角度を大きくするのがベターです。
一方ヘッドスピードが低速の場合は、浮力となるスピン量が大きくなければ上昇しきれず失速してしまう可能性があります。
物理的には真空状態でスピンがなく45度の角度で放物線を描くと最長距離になりますが、空気抵抗がある中打つドライバーショットはスピン量によって浮力が加わるため、およそ14度の打ち出し角で最大距離を出すことができます。
ヘッドスピードが低速なほど、浮力による上昇が少なくなるため、低い打ち出し角では飛ばなくなります。
試打室で計測したときのヘッドスピードは40m/sであったとしても、実際のティーショットでは38m/sということは良くあります。
そうであればドライバーのロフト角は12度以上を選ぶべきですが、もしも38m/sにも満たなければ15度、つまりスプーンのほうが飛距離は伸びるかもしれません。
ドライバーの飛距離を伸ばすためにスピン量を適正に近づけるときは、自分のヘッドスピードと実現できるアッパーブローの角度を十分に確認してから、ロフト角を選ぶことが重要になってきます。
スピン量を抑制することが適正とは限らない
ドライバーのスピン量を抑制することができれば飛距離は伸びると言われていますが、実際にはヘッドスピードの速さによって適正な回転数は違ってきます。
スピン量が少なすぎて飛ばなくなるのもあり得るということです。
まずは計測時のヘッドスピードとティーグラウンドの速度の違いを把握することで、適正なロフト角と打ち出し角を知ることが重要です。