カーボンシャフトのドライバーはトルクで飛距離が変わる

ティーショットのドライバーで満足な飛距離は出ていますか?

ゴルファーはそれぞれ自分で納得のいく飛距離があると思います。

良いドライバーを選び良いスイングをしても納得いかない飛距離であれば、トルクの確認が必要かもしれません。

今回は飛距離と方向性に結びつくトルクの説明を紹介します。

ドライバーのトルクとは何?

飛距離と方向性を求められるドライバーにとってトルクは重要な数値です。

ちなみにトルクとは、ゴルファーのスイングにより、どれほどシャフトがねじれるかという数値です。

この数値が大きいほどシャフトはねじれ易く、数値が低いほどシャフトはねじれ難くなるのです。

トルクは例えるならば車のハンドル部分のようなものです。

乗用車のようにハンドルに遊びがあると、少しハンドルを動かした程度では車の向きはさほど曲がりません。

しかしレース用の車のようにハンドルに遊びがないと、ハンドルを少し動かしただけでも車の向きは大きく変わります。

ハンドル操作を敏感にタイヤへと繋ぎ、車を瞬時に操作する効果があるからです。

このように、シャフトのトルクが大きいものは遊びも大きいため、スイング軌道が乱れてもヘッドにはさほど影響しないため、スイング軌道が不安定なゴルファー向きと言えます。

逆にトルクが小さいものは遊びも小さいため、少しの軌道の乱れでもヘッドに影響する敏感なドライバーとなります。

ドライバーにはカーボンシャフトがトレンドとなってからのトルクと飛距離

ドライバーシャフトのトルクの重要性を唱えるようになったのは、カーボンシャフトが市場に出回ってきた頃からでしょう。

カーボンシャフト以前はスチールシャフトが主流であり、そのスチールシャフトはトルクが非常に少なく、カーボンシャフトの1/3程度のトルク値でした。

カーボンシャフトが登場した頃、トルク値は10程度で1972年のゲイブリューワーがそのシャフトを使用して圧倒的な飛距離で優勝しました。

それをきっかけに一時、日本では大きなブームとなりましたが、アマチュアゴルファーがトルク値の大きいドライバーを使うと曲がると言われるようになったことで、そのブームは収縮しました。

これによりトルク値が大きいシャフトは曲がるという認識が広まってしまいました。

ここから現在のカーボンシャフトが覇権を握る兆しが見えるまで20年弱の年月を費やします。

この間、メーカーは幾度もカーボンシャフトの試行錯誤を繰り返し、ジャンボ尾崎もこのカーボンシャフトを使用し活躍しました。

そしてついにトルクの数値が3を切るようになってから、再度カーボンシャフト人気に火が付いたのです。

ドライバーの飛距離と方向性に繋がるトルク

カーボンシャフトは低数値のトルクが良いドライバーだという図式がゴルフ市場に広まる頃、もう一つの図式が確立されました。

それは、トルクが少ないシャフトは高性能で高級シャフトという図式です。

当時のドライバーはパーシモンが市場支配していましたが、次第にメタルへと移行して、さらにカーボンシャフトの売り上げに拍車をかけたのです。

それは、メタルへと移行したことにより、ドライバーのリシャフトがより安易になったことです。

これにより、カーボンシャフトのリシャフトがブームとなり、自分好みのドライバーへとカスタムするゴルファーが増えたのです。

トルクはねじれを表す数値です。

ねじれが多いものよりも小さいもののほうがヘッドの追従性が良いと感覚的に感じます。

その感覚通り、ねじれが少ないほうが飛球のコントロール性は上がるのです。

しかし、スイング中のねじれをうまく利用して、ねじれて戻る特性を利用するショットがあります。

このショットこそ、「しならせて打つ」ショットであり、身につければ飛距離は飛躍的に伸びてきます。

ヘッドスピートとトルクとドライバーの飛距離

ドライバーのヘッドスピードは飛距離を出す中で重要なスキルとなります。

そのヘッドスピードですが、ゴルファーによって速い人と遅い人、どうしても区別されてしまいます。

そのヘッドスピードが速いゴルファーはトルク値が高いドライバーを振るとどうなるでしょうか?

ちなみにここでの高いトルクとは7.0程度で考えています。

トルク7.0程度だとボールが左へ大きく曲りフックボールとなってしまいます。

これはスイングでねじれたシャフトが戻り過ぎて、フェースが左へ閉じてしまう状態でボールにインパクトをするからです。

逆にヘッドスピードが遅いゴルファーが低設定のトルクのドライバーを振ると、ボールは弱々しく右にスライスして、飛距離も全然伸びません。

ちなみに低設定のトルクは3.0程度で考えています。

トルク3.0程度では、ヘッドスピードが遅いとねじれ作用をうまく利用できずに、スイング中のねじれも、ねじれが戻る作用もないため、棒でボールを打つようになります。

そして、ヘッドは右に開いたままボールにインパクトしてスライスボールとなるのです。

ヘッドスピードでもトルク値は関係してくるため良く把握しましょう。

ドライバーシャフトのチップ硬度とトルクが飛距離に及ぼす影響

一般的な視点から説明すると、ドライバーはチップ側が柔らかい先調子のカーボンシャフトはインパクトのときのボールの捕まりが良いです。

これは、先調子によるシャフトの影響による捕まりの良さだけではなく、チップ側のトルクが大きいため捕まりが良いからです。

スイングでボールをインパクトに迎えるとき、フェースが左を向き易い構造がボールの捕まり易さに直結しているのです。

逆にチップ側が硬い中調子や元調子のカーボンシャフトはインパクトでのボールの捕まりが悪いと言えます。

こちらもシャフトの調子により、捕まりを左右するのではなく、チップ側のトルクが小さいため、ボールが捕まり難くなるのが理由です。

シャフトのトルクは調子に左右されるのではなく、チップ側の硬さに影響すると考えるべきでしょう。

以上を踏まえて、スライスし易いゴルファーはチップ側が柔らかくトルクが大きいカーボンシャフトがおすすめです。

逆にフックし易いゴルファーはチップ側が硬くトルクが小さいカーボンシャフトを選ぶと良いでしょう。

自分の持ち球を理解して、トルクとチップを決めてカスタムしましょう。

フェードやドローを調整できればきっと飛距離にも繋げられます。

トルク値はどうやって知る?

最近のカーボンシャフトのトルク事情ですが、メーカー側はシャフトのトルク値をあまり打ち出していない傾向があります。

ドライバーの純正シャフトでも、カタログにそのトルク値を載せない傾向です。

それに追従して、ツアープロも極端に低設定トルクのカーボンシャフトをあまり採用していないようです。

大体の数値ですが、トルク数はせいぜい3.0を切る程度の設定としています。

カーボンシャフトが出た当初と比べると最近のカーボンシャフトはトルクが大きいと曲がるということは改善されました。

ねじれが少ないと操作性は良くなるがボールが暴れると思うゴルファーが多いでしょう。

しかし、トルクが少ないとスイングを忠実にボールへと伝えていけます。

つまり、トルクが少ないとボールが暴れるのではなく、ゴルファーの暴れたスイングを忠実にボールへと伝えているだけなのです。

ここまでをまとめると、適度にトルクのあるシャフトのほうが曲がらなくて飛距離も伸びるというのが、現在のトレンドではないでしょうか。

ドライバーはトルクで飛距離とコントロールを調整するクラブである

今回はドライバーシャフトのトルクと、それに追従する飛距離及びコントロールを紹介しました。

昭和からゴルフを続けているゴルファーはトルクを気にする傾向にあります。

しかし現在のカーボンシャフトは設計技術向上からトルク値をどこまでも絞ることができるのにもかかわらず、あえてトルク値を付帯しています。

この意味を把握して自分に合ったシャフトを選択し、飛距離、方向性も満足いくドライバーショットを打てる準備をしましょう。