ドライバーで打ち出すボールがコントロールできない場合は、アドレスのときの姿勢を正面から撮影すると問題が明確になり解決できることがあります。
ゴルフ理論が分からなくても、自分のスイングを客観的に見ることで解決できる方法を紹介します。
ドライバーのアドレスを正面から撮影する自己分析法
打ち出すボールが暴れて困るときは、自分のドライバースイングを動画撮影しましょう。
ゴルフ理論に詳しくなくても、他人のスイングを見ただけで、「曲がりそう」とか「スイングがダメ」と何となく分かるものです。
すでに自分の頭の中では、理想とするスイングがインプットされていて、それと違うことを視覚でとらえているからです。
できればアドレスの姿勢がすべて入るように正面から撮りたいところです。
頭上からつま先までが映るようにセットして、できるだけ「引き」で撮れると、クラブの動きまで収まりスイングの全体像を分析できます。
ただし隣の打席が空いてないと全体像は入りきらないでしょうから、場合によってはチェックポイントを何度かに分けて撮るしかありません。
部分的に撮る場合は、最初に爪先を中心に腰までを映しましょう。
ゴルフのスタンスは「肩幅」が基本になっていますが、肩の張り具合やサイズは個々によって違います。
また肩幅の基準となる詳細ポイントも、肩の外側なのか内側なのか、さらにはシューズの外側で合わせるのか内側で合わせるのかによって大きく変わってきます。
ドライバーでアドレスを取ったときのスタンス幅を正面から確認
ドライバーでアドレスの姿勢をとって正面から撮影したら、まずスタンスの幅が正しいかをチェックしましょう。
足裏の横幅はおよそ10センチですから、肩幅の外側を基点にシューズの内側を合わせてセットすると両足で20センチ広くなります。
またシューズの内側で合わせると20センチ狭くなるため、こうした2通りの肩幅のスタンスを比較すると40センチの差があることになります。
その場合は、どの肩幅タイプが自分のイメージに合っているかを確認することが大切です。
そのためには、シューズの内側・中間・外側とそれぞれのスタンスで動画を撮って、視覚で確認して選択するようにしましょう。
ちなみにドライバーの場合はインパクトゾーンを長くとるために、内側で合わせるワイドスタンスにすることが多いようです。
右足から左足へと体重を移動することで、円のスイングに直線の動きが加わり、頭上から見ると楕円形のスイング軌道にするためです。
一方、体の硬いゴルファーにとっては、スタンスを広げるほど体を捻るのが難しくなってしまい、捻転不足になる可能性があります。
視覚だけでなく感覚も大事にしながら、自分のスタンス幅を決めるようにしてください。
正面からアドレスを見るとドライバーのボールの位置が決めやすい
アドレス全体を正面から撮ると、ティーアップしたボールも映っているはずです。
ドライバーは他のクラブとは違いアッパーブローでスイングをしますから、ボールよりも手前で最下点を迎えて、ヘッドが浮き上がったところでボールの斜め下からインパクトをします。
ドライバー以外では空振りした後でボールを打つようなものですから、ヘッドスピードを落とさずに振り上げていくスイング技術が必要です。
アッパーブローは慣れるまで難しいスイングですが、ポイントとなるのはスイングの最下点とティーアップしたボールとの間隔の広さです。
ボールが遠いとフェースの下に当たってトップ気味のインパクトになりやすく、近いとフェースの上部に当たってテンプラになる可能性があります。
正しいボールの位置は、スイングの最下点から10センチ程度左足側にあります。
一般的には、その場所が左足のかかとの延長線上辺りにあるので、正面から見ると左足内側にくっついた状態です。
もちろんこれは一般論ですから、スイングの最下点がずれていれば、ボールの位置も必然的に変わってくるため、一応正しい位置にあるかを再チェックしましょう。
ドライバーのアドレスを撮ったら肩の高さをチェック!
ドライバーを握った状態でアドレスの姿勢を正面から撮影すると、両肩のレベルが気になることがあります。
ボールの位置がスタンスの中央よりも左側にあるため、もしかするとグリップもボールに合わせて左寄りで構えているかもしれません。
ゴルフには多くの教本があり、さまざまなゴルフ理論があります。
中にはティーアップしたボールの真後ろにヘッドをセットして、そこから真っ直ぐにシャフトが伸び、左内腿の辺りでグリップを構えることをすすめていることがあります。
この場合は、右手を伸ばしてグリップの下側を握ると、右肩が下がり肩の水平バランスが大きく崩れます。
打ち方によっては間違いではありませんが、スタンダードなアッパーブローのスイングの場合には、ヘッドの位置はボールよりも10センチ右側に寄っています。
最下点であるスタンスの中央にドライバーのヘッドはセットされているのですから、そこからシャフトを真っ直ぐにして構えるのであれば、グリップはベルトのバックルの前にあるはずです。
そのグリップ位置で握れば、肩の水平バランスは大きく崩れません。
グリップ位置をズラしてしまうと、体が斜めになって回転軸が歪み、スイング軌道が不安定になる可能性があるため、両肩のレベルはなるべく保つ姿勢をとるようにしましょう。
正面からドライバーのアドレスを撮って腰のレベルも確認
アドレスを正面から撮影することで、ここまで説明してきたこと以外に回転軸の歪みに気づくことができます。
アドレスの時点で回転軸が斜めであれば、スイング軌道もその傾斜に合わせることになります。
動画を確認し、不安定な要素を取り除くことによって、徐々にドライバーショットを安定させていくことが大切です。
上半身の傾きの原因がグリップの位置にあれば、左内腿の前からスタンスの中央に戻すことで修正できますが、実はグリップの位置以外にも傾いている場合があります。
外見的には正しい姿勢でアドレスをとっていても、実際のスイング軌道が歪んでいるケースです。
この場合は、左右の腰の高さが平行になっていないことが多いため、正面からの動画では腰の高さに注目しましょう。
テークバックでの体の捻転がインプットされているため、アドレスの段階で左膝が前に出て右足が突っ張った状態になっているかもしれません。
このとき右腰が高くなってしまうのですが、回転軸である背骨の台座が傾いているのに、背骨が地面と垂直になっているとしたら、スイング中に台座が正常なレベルに戻ると回転軸は傾くことになります。
アドレスだけでなくフィニッシュまでドライバーショットも撮ろう
ドライバーを構えたとき背骨は地面に対し垂直な状態でアドレスの姿勢をとっているつもりでも、撮影した正面からの画像をチェックすると、腰のレベルが崩れていることがあります。
アドレスで左右の腰の高さが違うのは、片方の膝だけを深く曲げていることが原因と考えられます。
少しずつ身についてしまった癖でしょうから、注意しても簡単にリセットすることはできません。
この場合は、テークバックを開始するときに、「右腰を引く」動作から始めると、腰が平行に回転します。
腰を後ろに引くときには、右ポケットにシワができるように、腰を45度回す気持ちでテークバックすると腰のレベルは修正されます。
加えて右肩甲骨を引くと、背骨を中心にした捻転ができて、両肩・両腰・両膝が地面と平行になるようなフォームを作ることができます。
せっかく正面から動画を撮影したのですから、静止画像だけではなく連写や動画でスイングもチェックしてみると、さらに良いスイングができるようになるでしょう。
アドレスの姿勢を正面から見てドライバーの欠点に気づく
ドライバーを握ってアドレスの姿勢を正面から撮影すれば、普段は気がつかない欠点を見つけることができます。
スタンスやボールの位置、体のバランスなどがチェック項目です。
こうしたポイントを見つめ直すことで、効率良く正しいスイングにつなげることができるはずです。