何かと便利なユーティリティですが、距離の目安を知っておかないと使い物になりません。
なぜならユーティリティは、アイアンと違って距離を打ち分けるのが難しいと言われているからです。
今回は「役に立つもの」と言われるユーティリティの扱うポイントを紹介します。
自分のユーティリティの距離の目安を知らないと困る?
ユーティリティは名称の通り、「役に立つもの」として広く使われるようになっています。
皆さんも1本は使っているのではないでしょうか。
以前のゴルフクラブは、ウッドとアイアンの2種でしたが、最近はその間にユーティリティを入れているのが一般的となっています。
ウッドとアイアンの中間距離を埋めるために、ユーティリティの役目として揃えることが多いようです。
もしも3番アイアンを持っていて、そのほかにユーティリティの3番や4番を入れると、距離がダブる恐れはあるかもしれません。
クラブを揃える際、ターゲットまでの距離を目安にしたとき、同じ飛距離を持つクラブを数本用意するのは得策ではないと考えるのは普通のことです。
しかしながらクラブ選択をどう考えるかは、ゴルファーによって違うはずです。
3番アイアンを苦もなく扱えるゴルファーにとっては、ユーティリティを代用クラブとする必要はないはずですから、3番アイアン以上の飛距離を求めることが考えられます。
一方3番アイアンが苦手なゴルファーにとっては、ユーティリティはまさに救世主のはずです。
ユーティリティの距離の目安となるのはアイアンなのか?
ユーティリティを選ぶときに目安となるのがアイアンを超える飛距離なのか、苦手な番手をカバーすることなのかをハッキリさせておくようにしましょう。
伝統的なアイアンセットは、3番アイアンから9番アイアンまでで、そのあとにウェッジを揃えます。
ただ近年のアイアンセットは5番アイアンからピッチングウェッジまでで、4番アイアン以上はユーティリティでカバーすることが多くなっています。
多くのゴルファーは3番アイアンや4番アイアンに苦手意識を持っていて、3番アイアンと5番アイアンの距離が、本来あるべき20ヤードの差を感じないようであればユーティリティは有効です。
もちろん目安となる飛距離は、3番アイアンの180ヤード以上ということになりますが、自分のユーティリティの飛距離を正確に把握していないと、代用するクラブになり得ないかもしれません。
一般的にアイアンの番手間の飛距離は10ヤード刻みですから、5番アイアンに苦手意識がないのであれば、5番アイアンの飛距離に20ヤード加えると本来の3番アイアンの距離が分かってきます。
選ぶべきユーティリティの距離は3番アイアンを目安にする?
苦手な3番アイアンの代用としてユーティリティを使おうとした場合、3番アイアンの飛距離を確認することが先決です。
一般的な男性のヘッドスピードの場合、3番アイアンの飛距離は180ヤード程度と言われていますが、番手間が10ヤード刻みであれば5番アイアンの飛距離は160ヤードです。
これだと「少し短いかな」と思うかもしれませんが、このピッチでの7番アイアンの飛距離は140ヤード、9番アイアンは120ヤードです。
ちなみに9番アイアンの飛距離の2倍が、ドライバーの飛距離の目安になると言われていますから、このケースだとドライバーの飛距離は240ヤードという計算です。
このようにドライバーから9番アイアンまでのピッチが均等に揃えられているほうが扱いやすいのは間違いありません。
ウッドとアイアンのピッチが合っているとしたら、さらにユーティリティも合わせたほうがもっと使いやすくできます。
そうすれば3番アイアンの代替のクラブとしてではなく、180ヤードの飛距離を出せるユーティリティを探せば良いことになります。
ユーティリティの距離の目安は試打で知るしかない!
ユーティリティの距離の目安を知るには、実際に打ってみることが確実です。
試打クラブのあるショップで、しかも計測できる設備が整っていれば、狭い試打室でも飛距離を確かめることができます。
最近はそうした設備を持たない店舗のほうがめずらしいのではないでしょうか。
ただし実際のコースとは違い、試打室ではティーアップしたボールや、芝の抵抗を受けない人工芝の上のボールであることを考慮しましょう。
一般的に180ヤードの飛距離を持つユーティリティは、ロフト角21度のユーティリティと言われています。
これは3番アイアンのロフト角と同等であることから、飛距離も同等であろうと考えたものだからです。
「ロフト角=飛距離」が間違いではありませんが、シャフトの長さが同じであることはあまりありません。
1インチで飛距離も5ヤード違うことを考えると、ロフト角が絶対の距離を表すものでないことも考慮してください。
特に3番アイアンとユーティリティの21度では、着弾後のランの距離に違いが出てきます。
ヘッドの重心深度が深いユーティリティのほうがより転がる距離が長くなるため、同じキャリーでもボールが止まる位置は違ってくるものです。
ユーティリティの距離の目安はボールが止まった場所が基準?
アイアンの代用としてユーティリティを使う場合、距離の目安を着弾地点にするのか、ボールが止まった地点にするのかを決めなくてはいけません。
ユーティリティとアイアンが同じ飛距離であったとしても、一般的にはスピン量の違いからユーティリティのほうが転がる可能性は高くなります。
またユーティリティは重心深度が深いため、アイアンと比べたときに高弾道になりやすく、飛球している頂点から急速に落下するのでピンポイントに落とすことができます。
つまりランを稼ぐ打ち方をすれば、ボールの位置はグリーンに近づき、高弾道を意識した打ち方をすれば、グリーンをダイレクトに攻めることもできるクラブなのです。
一般的にはアイアンよりもユーティリティのほうが転がる距離は長くなるため、ボールの止まる位置を考えると3番アイアンの代わりとなるユーティリティは21度ではなく、24度のほうが良いとも考えられます。
もちろん着弾する地点のライや傾斜によって転がる距離に違いが生じますが、実際のボールの位置を確認しておくと、次のプレーに役立てることができるようになります。
ユーティリティは中間のクラブとして距離の目安をつかむ
一般的にユーティリティは、フェアウェイウッドとロングアイアンの中間に位置するクラブであるのは間違いありません。
シャフトを見るとフェアウェイウッドよりも短いため、その短さからアイアンショットの感覚でスイングができ、「扱いやすいクラブ」の印象が強いようです。
そしてヘッドを見るとフェアウェイウッドに似た形となっているため、ソール幅が広く芝の上を滑らせながらインパクトができます。
つまりアイアンのようなスイングをしながら、フェアウェイウッドのようにヘッドを走らせることができ、ラフからのショットでも飛ばしやすい印象が強いようです。
まさに「役に立つもの」が実感できる便利な道具と言えます。
一方で距離の打ち分けを考えると、ウッド型のヘッドでは1ヤード単位のショットが難しいと言われます。
ロフト角が距離の目安になるとしても、それよりも5ヤード短く打たなければならない状況は常にあるのがゴルフです。
方向と距離は安定していても、ターゲットまでの距離感については、アイアンほどの精度は持ち合わせていないのがユーティリティです。
だからこそ、フェアウェイウッドとアイアンの中間のクラブとして位置づけると、扱いやすい道具になるのではないでしょうか。
ユーティリティは距離の目安を把握することが大切
フェアウェイウッドとアイアンの中間のクラブとして位置づけられているユーティリティですが、アイアンの感覚でスイングができ、フェアウェイウッド並みの距離を出せる便利な道具です。
そんなクラブを使わずにいるのは損ではないでしょうか。
ただし距離の目安を把握しておかないと、本番のコースで役に立たせることはできません。
しっかりとその使い勝手を判断して、キャディバッグに挿しましょう。