ゴルフクラブはどうしてもボールを当てるヘッドのほうに目が行きがちです。
確かに精悍な顔つきのヘッドはいかにも飛びそうですが、ヘッドと同様、またはそれ以上にシャフトも飛距離や方向が決まる重要なパーツです。
そのシャフトメーカーがいくつあるかご存知ですか。
今回はそれぞれのメーカーの特徴を説明していきます。
シャフトメーカーは何社くらいある?
ゴルフクラブのシャフトはスチール製とカーボン製の二種類があり、その違いは鉄か炭素繊維かの素材の違いです。
まずシャフトメーカー全体に言えることは、カーボンシャフトを製造するメーカーが多いことです。
以下に国内で名の知れたシャフトメーカーを五十音で記載します。
アルディラ、FSP、KBS、CRAZY、グラファイトデザイン、GRAVITY、島田ゴルフ製作所、TRUE TEMPER、トライファス、TRPX、デザインチューニング、日本シャフト、USTマミヤ(シャフトラボ)、フジクラ、三菱ケミカル、ヨネックス。
少しネットで調べただけでも、16社ほどヒットしました。
なんだかクラブメーカーよりも多い感じもしてきます。
これら16社はほぼカーボンシャフトを製造する会社で、それぞれに特徴あるシャフトを製造しています。
各社とも研究を重ねていますので、将来はもっと飛距離が伸びるシャフトが誕生してもおかしくありません。
もしかしたら全く新しい素材のシャフトが開発される可能性もあります。
スチール製のシャフトメーカー
アイアンに多いスチール製シャフトメーカーで有名なのは、前項にも含まれていましたが、島田ゴルフ製作所、日本シャフト、TRUE TEMPERの三社です。
特に日本シャフトのN.S.PRO、TRUE TEMPERのダイナミックゴールドのシャフトは、ゴルフショップの陳列棚にあるアイアンの標準シャフトとして良く装備されています。
日本シャフトがその名を馳せたのは1999年に発売された軽量スチールのシャフトN.S.PRO950GHでしょう。
特徴である軽量かつ丈夫なシャフトは、アイアンが重すぎると思っていた人の心を掴みました。
それまでは歴史が古いTRUE TEMPER社のシャフトが市場を席巻していました。
TRUE TEMPERはアメリカのオハイオ州で農機具の鍬やフォークを製造するメーカーとして誕生し、ゴルフクラブのシャフトは1925年より製造を始めています。
両社ともゴルファーのニーズに合わせた軽くて強い、しかもしなりの良いシャフトを生産しています。
カーボン製のシャフトメーカー
カーボンシャフトのメーカーは、社数が多いため有名どころに絞って各社の特徴を記載します。
●グラファイトデザイン
正式社名は株式会社グラファイトデザインで、本社は埼玉県秩父市にあります。
日本のプロゴルフツアーでシャフト使用率年間第一位のシャフトメーカーです。
松山英樹プロはここのシャフトを使用していることで有名です。
主力のブランドシャフトはツアーADシリーズです。
●フジクラ
正式名称は藤倉コンポジット株式会社で本社は東京都江東区にあります。
国内の女子プロツアーにおいて、使用率No.1をここ数年維持しているようです。
主力シャフトはスピーダーシリーズです。
●三菱ケミカル
正式名称は三菱ケミカル株式会社で本社は東京都千代田区丸の内にある、日本最大の総合化学メーカーです。
素材開発から成型までを一貫して管理することができる世界で唯一のシャフトメーカーで、ディアマナシリーズが主力シャフトです。
●USTマミヤ
日本では株式会社シャフトラボが製造販売しています。
本社は東京都千代田区五番町にあり、ATTASシリーズが主力です。
粘りのあるシャフトが特徴です。
●ヨネックス
新潟自社工場製カーボンシャフトで製造するレクシスは、ヘッドとシャフトの親和性が高いシリーズです。
各社、それぞれのクラブメーカーの純正シャフトも製造していますので、皆さん気づかず一度は使ったことがあるかもしれません。
自分のスイングの特徴で使いやすいシャフトが決まる
ゴルフスイングの特徴に、ヒッタータイプとスインガータイプの2タイプがあります。
まずは自分のスイングがどちらであるかを知ることが大切です。
●ヒッタータイプ
ゴルフスイングのテークバックからインパクトまでを意識してボールを打つタイプで、飛距離が出る人に多いタイプです。
●スインガータイプ
ヒッターのようにボールを打つというよりは、一連のスイング動作とバランスでボールを運び、飛距離よりも方向と安定性を重視するタイプです。
ヒッタータイプはせっかちで早口、歩くのも速い人が多いようです。
対してスインガータイプはおっとりしていて、歩くのも遅い人が多いと言われます。
ただ自分のスイングは動画で見てみないと分かりませんから、笑い話程度の参考にしてください。
ヒッタータイプは、スイングのトップから打ち下ろすときにタメを作ってインパクトでボールを打ち込みに行くのが特徴で、元調子系のシャフトを選ぶとミートがしやすいと言われます。
またスインガータイプは、振り上げた位置からフォローにかけて一気に振り抜く傾向にありますので、インパクトのあとから加速する先調子系のシャフトが振りやすいようです。
大抵のシャフトメーカーは各調子のシャフトを製造していますので、スイングタイプに合うシャフトを選びましょう。
シャフトの特徴を分かった上での選び方
シャフトの特徴は硬い軟らかいだけではありません。
細い棒状であるシャフトは技術の塊でもあるので、シャフトの特徴と選ぶときに必要なポイントを説明します。
トップまでにしならせたシャフトが、インパクトの瞬間にしなり戻って、ボールを弾き飛ばします。
このときに大切なのが調子とトルクです。
調子とは、一本の太さが均一な丸棒の端を持って両手で曲げたとき、普通は真ん中部分がしなりの頂点になります。
簡単に言うとこれが中調子です。
しかしゴルフ用シャフトは先端部分が細く、手元へ行くに連れて太くなっていきます。
そして素材の特性や組み合わせ、厚みを調整することで、しなりが発生する部分を先端や手元に寄せているのです。
中心ではなく先端部分に頂点が寄ったものを先調子、手元部分に寄ったものを元調子と呼んでいます。
一般的に先調子のシャフトはインパクトのときに、ヘッドが戻りやすいためボールが捕まり高く上がりやすくなります。
逆に中や手元調子は、先調子よりミートしやすく、正確なショットが打ちやすく方向性も安定します。
ただし、これはあくまで一般論で、そのシャフトを使うゴルファーのスイングパターンによっても変わってきます。
ここまで説明した調子のほかに、ボールの高さや方向にトルクが関係してきます。
トルクとはシャフトを一定の力でねじったときに何度ねじれるかを測った値のことです。
トルクが小さいほどねじれにくく、値が大きいほどねじれやすいということです。
ヘッドスピードが速いゴルファーはトルクが小さいシャフトが向いており、トルクが大きいシャフトはヘッドスピードが遅いゴルファーが使用すると良いでしょう。
自分自身の特徴に合わせたシャフトを選ぼう
ヒッタータイプかスインガータイプかを確認してシャフトを選んだら、その重量にも注意しましょう。
軽すぎず、重すぎず、シャープに振り切れる少し重めのシャフトが操作性と安定感を得やすいです。
プロが選ぶシャフトの重量は一般的に50~70gのものが多く、各メーカーともラインナップが充実しています。
従来軽くて硬いシャフトは折れやすい難点がありましたが、カーボンの弾性が進化したことで、最近ではシャフトの軽量化が一気に進み40g台のシャフト、さらには30g台まで登場しました。
シャフトのしなりやボールの捕まり、弾道の高さや飛距離が自分のイメージ通りのものが見つけやすくなったのです。
カーボンシャフトは、デザインや色も豊富にあるため、そこも考慮して選ぶのも楽しいものです。
メンタル的に気にいったデザインは安心感にも繋がるはずです。
シャフト選びの参考に
最近のドライバーやウッドなどは、可変スリーブにより簡単に差し替えられるようになりました。
実際は打ってみないと分からないのがクラブ選びです。
やはり試打をして選ぶことになりますが、各メーカーやシャフトの特徴を考慮して選んでいくと探す手間も省けるのではないでしょうか。