ゴルフは道具を使うスポーツにもかかわらず、その道具であるクラブに無頓着な人が多いです。
特にドライバーは、クラブとスイングの相性を知らないとなかなか精度が上がりません。
今回の内容はシャフトの選び方やクラブの重さのお話です。
ドライバーのシャフトは選ぶのが難しい
ドライバーは自分に合ったシャフト、適正な重さを選ぶのがとても難しいです。
特にシャフト選びは知識が無いとできません。
なぜドライバーのシャフト選びが難しいかというと次のような理由があります。
①シャフトの種類が多い
ドライバー用のシャフトは最も種類が多くなります。
フレックス、重量、長さ、キックポイントといったもので考えると相当数になります。
そのためその中から自分に合ったものを探すのは、知識が無いと困難です。
特にドライバーのシャフト選びが難しい理由は、長く、そして他のクラブに比べてしなりが大きいことです。
そのため、シャフトひとつとっても気にする項目が多数あるのです。
また、合わないものを使えばミスショットへ繋がりやすくなるだけです。
自分に合ったエースシャフトに出会うには、それなりの苦労が必要だということを理解してください。
もちろんスイングが変わったり、ヘッドが変わったりすればシャフトも変える必要がありますが、ひとつ基準ができるとその先のシャフト選びが楽になります。
ドライバーのシャフトの長さと重さ
まずドライバーのシャフト選びに重要なことは、長さと重さを決めることです。
シャフトは考えるポイントがとても多いですが、選ぶ基準を決める意味でも、このふたつを先に決めておくと選びやすいです。
そこで一般的な市販ドライバーのシャフトの長さと重さを確認します。
●男性用ドライバー
シャフト長:45.25インチ~45.75インチ
シャフト重量:50g台
バランス:D0~D2
●女性用ドライバー
シャフト長:43.75インチ~44.75インチ
シャフト重量:40g台
バランス:C4~C6
上記はあくまでも標準で設定されているドライバーの数値です。
シャフトは標準の他にカスタムシャフトが用意されています。
特に男性用のシャフトは数が豊富です。
●標準採用されるカスタムシャフト
メーカー:3~4種類
シャフト長:45インチ~46インチ
シャフト重量:60g台、70g台
バランス:D2~D4
このほかにも金額は変わりますが、その他メーカーのカスタムシャフトも選べることになるため、重量、長さだけでなく、キックポイントやトルクといった細かなポイントもこだわることができます。
ドライバーヘッドの重さ
次に、ドライバーのヘッドについて考えてみましょう。
ドライバーのヘッドの重さが軽いか重いかで何が変わるのでしょうか。
近年売られているドライバーのヘッドの重さは、190g~210gのものが中心です。
ドライバーのヘッドの重さは、衝突エネルギーに影響してきます。
軽いヘッドだとエネルギーが少なく、重いヘッドだとエネルギーが大きくなります。
ただし、一概に重ければ良いというわけではありません。
200gを超えてくると、相当な慣性モーメントとなり振り切れなくなりやすいです。
ドライバーの総重量は、270g~330g程度です。
一般的には、300g前後のものを男性ゴルファーは選びます。
総重量は、ヘッド、シャフト、グリップで決まりますが、これらの重量バランスによってスイングウエイトが決まります。
例えば、55gのシャフトが合っていると想定し、グリップが45gの標準的なものを使うとします。
ここに210gのヘッドをつけると最大310gとかなり50g台のシャフトを使うゴルファーにとっては重めのセッティングになります。
スイングウエイトも効き、さらに重く感じてしまうはずです。
そのため、シャフト長を短くしてければ扱えなくなります。
総重量やスイングウエイト、そして長さも考慮し、ヘッドの重さを考えるのが良いでしょう。
グリップの重さでカウンターバランスを実践する
現在使用しているドライバーが少し重く感じて振りにくい、もう少し楽にヘッドを走らせたいときはどのようにすれば良いのでしょうか。
重く感じる場合は、総重量を軽くするための方法として、シャフト変更が挙げられます。
ただしスイングウエイトだけを変えたいということであれば、カウンターバランスを利用して感じる重さを変えることが有効です。
簡単なカウンターバランスのやり方はいくつかあります。
45インチ~45.5インチのドライバーであれば、グリップ側5g増減で約1ポイント増減すると考えてください。
具体的な方法として、次の方法で実践できます。
①グリップを5g重いものに交換する
②グリップエンドのシャフト内部にウエイトを入れる
③グリップの根元(シャフト)に鉛テープを巻く
④グリップエンドの穴にウエイトをつける
新しいグリップを変えるタイミングであれば、①や②が効果的です。
③や④は見た目やウエイトの取れやすさを考慮しなければ、すぐ元に戻せる点では優れています。
そのほか、カウンターバランスを実現する方法として、通常よりもドライバーを短く持つのもひとつです。
ただし、毎回短く持つことを癖づけるのも大変ですから、グリップの重さで調整したほうが簡単かもしれません。
自分に合ったドライバーシャフトの選び方
自分にあったドライバーのシャフトを選ぶにはどうしたら良いのでしょうか。
最低限、自分のヘッドスピードを知り、フレックス、重さの目途を立てるようにしましょう。
次にキックポイントでタイミングの測りやすさ、トルクでボールの捕まりを考えます。
ここまでは、一般的な知識があれば事前にある程度予測できるでしょう。
この後、自分に合ったシャフトを選ぶ上で、実践すること、考えてほしいことを紹介します。
●複数本試し打ちをすること
お店にある無料のクラブフィッティングや試打会に参加し、数多くのシャフトを試すようにしましょう。
自分に合っていると思ったシャフトのみならず、合わないであろうシャフトも打ってみることをおすすめします。
合わないということが再確認できるかもしれませんし、もしかしたら実は自分に合っていたという発見もあります。
●シャフトの長さを無理に長くしないこと
ヘッドスピードがあまり速くない人で、シャフトを長くしてヘッドスピードを補おうとすることがあります。
もちろんシャフトが長くなるとヘッドスピードは上がりますが、ミート率が下がる確率が高まります。
1インチ長くして、上がるヘッドスピードは1~1.5m/s程度です。
それよりミート率優先に考え、シャフトの長さは44.75インチ~45.25インチ程度で収めたほうが安心感が高まります。
今のドライバーをシャフトカットで合わせる
最後に、今のドライバーを上手く活用する方法についてです。
特に純正のシャフトを使っているゴルファーは、少し検討してみてください。
純正シャフトは、45.25インチ~45.75インチが主流となります。
この長さは、プロゴルファーが使うシャフトに比べると長いです。
先に話した通り、ミート率を優先するために少しシャフトをカットして短くしてみてはどうでしょうか。
一般的にシャフトカットをする場合、バット側(グリップエンド側)を切り落とします。
ここでシャフトカットすることで生じる影響を簡単にまとめます。
●カットしたら元には戻せない
●カットしたらしなり量が変わる
シャフトは長いとしなりやすく、短いとしなりが減ります。
つまり、カットすることで硬く感じるようになるということです。
●カットしたら重さが変わる
当然のことですが、シャフトをカットした分、重さは軽くなります。
重いと感じていたのであれば問題ありませんが、そうでない場合はシャフトやヘッドにウエイトを取り付け、重さの調整が必要です。
自分に合ったドライバーを見つけるために
シャフトはフレックスばかりに目が行きがちですが、重さや長さもとても重要です。
純正シャフトの性能は十分高いですが、それは万人向けに仕上げてあるため、際立った特徴がないとも言えます。
今後のスキルアップのためにも、自分のスイングを客観的に把握した上で、より使いやすいシャフト選びをすることをおすすめします。