アイアンの番手は飛距離とロフト角のどちらを基準にするのか

アイアンに刻印されている番手は、何を表しているのでしょう?

ロフト角なのか飛距離なのか、それともアイアンの名称としての単なる番号なのか いまひとつ分からないという初心者ゴルファーもいるのではないでしょうか。

アイアンの番手はロフト角と飛距離のどちらを表したものなのか、また真実性はあるのかについて考えてみましょう。

同伴者の番手と飛距離を知って飛ぶアイアンを求める

ゴルフ上達の鍵は「負けたくない」と思えることだそうです。

ゴルフについては「孤独なスポーツ」とか、「自分との戦い」と表現することが多いようですが、一般のアマチュアゴルファーに限っては、常に誰かと競うことで上達していくものです。

それが無意味な競争であったとしても、競うことでヤル気が出ますし、負けたら次回こそはとチャレンジする意欲が生まれてくるはずです。

そんな無意味な競争の中に、アイアンの飛距離があります。

もともとアイアンは、ターゲットを決めてそこにボールを運ぶことが目的なので、飛距離は関係がないはずです。

ところがショートホールで自分の使った番手よりも、低い番手で同じ飛距離だと負けた気がするようです。

もちろんピンそばに近ければ、番手など関係ないのですが、総じてゴルファーの多くは飛ぶアイアンを求めています。

これは日本に限ったことではなく、海外でも同じように飛ぶアイアンが好まれていて、今では市販のアイアンは飛距離が出るストロングタイプが主流となっています。

アイアンの番手と飛距離が違うのはストロングタイプだから

ゴルフを知っていたら飛距離にこだわる飛ぶアイアンに魅力はないと言い切れるでしょうが、実際にはストロングアイアンを使っているゴルファーのほうが多いので、それが建前だということは分かるはずです。

現在の主流は間違いなくストロングタイプのアイアンです。

スタンダード(クラシック)なアイアンと比較すると、ストロングタイプは1番手から2番手の違いがあるようです。

昔のロングアイアンの3番と現在のミドルアイアンの5番が同じ飛距離であれば、選択肢なくストロングタイプの5番を選ぶはずです。

実は昔の3番と現在の5番はほぼ同じロフト角です。

つまりロフト角だけをみると、3番の刻印を5番に変えただけということになります。

ところが実際にアイアンを構えてみると、ストロングタイプの5番はスタンダードの5番と同じ感覚なのです。

違和感なくミドルアイアンとしてスイングすることができ、飛距離だけが番手以上になります。

アイアンの番手は飛距離を表したものではない?

アイアンの番手は各メーカーやモデルによって各々違います。

5番アイアンの飛距離は170ヤードという人と、180ヤードという人がいたとしても、それはどちらも正解なのです。

プレー中に同伴プレーヤーの使っているアイアンのロフト角は比較することはできません。

飛距離の結果だけを見ても意味はないのですが、「負けたくない」と思うと、飛ぶアイアンを求めることになります。

アイアンセットは一定の間隔に刻むことで番手を決めています。

昔はロフト角を等間隔にしていたようですが、現在はキャビティ系の反発力の高いヘッドが生まれたことから、等間隔の飛距離で決めることが多いようです。

これは計測する機械の精度が高くなったことと、ストロングタイプになって間隔が開いてきたことが要因にあるようです。

スタンダードタイプだとミドルアイアンのロフト角を4度刻みにして、およそ10ヤードの飛距離差を想定していました。

ところがストロングアイアンは、ロングは2度刻み、ショートは5度刻みといった具合になっています。

リアルロフト角とアイアンの番手と実測飛距離は一致しない

ストロングタイプのミドルアイアンのロフト角の間隔は3度、スタンダードタイプなら4度ですから、明らかにスタンダードタイプのほうが距離合わせは難しいと感じます。

ところがロフト角をみると、ストロングタイプの5番はスタンダードタイプの3番と同等です。

スタンダードタイプのロングアイアンのロフト角は3度間隔が標準で、飛距離で考えると番手の判断は妥当なところなのかもしれません。

ちなみにロフト角の計測値もメーカーやモデルによって違うので、現在はリアルロフト角を別途計測している場合もあるようです。

今では「ロフト角=飛距離」と換算するよりも、実際に打った角度から割り出すリアルロフト角と、実際に打った飛距離をデータ値にしたほうが確実です。

ただアイアンを選ぶときに、すべてのメーカーでこのリアルデータを公表しているわけではありません。

しかも「飛ぶアイアン」が売れ筋であるわけですから、飛ばないデータを公開するはずもないのです。

番手表示とロフト角がアイアンの飛距離を表している?

実際に自分でアイアンを打って、番手と飛距離を一致されるのが、もっとも正しい計測法です。

ただ試打でそこまで対応していることはないと思いますので、5番アイアンか7番アイアンで各クラブを比較するのが良いのではないでしょうか。

各クラブの飛距離とロフト角を参考にすれば、アイアンセットの間隔はおよそ想像がつきます。

新しいゴルフクラブとして選ぶだけであれば、この方法が確実ですが、お目当てのアイアンを比較できない場合があります。

そんなときはデータ比較をするしかありません。

新商品の場合には打感やつかまり具合など、データ化されていない部分を解説しているので、実際には個々で感覚は違うため、打ってみないと分からないはずです。

そうするとロフト角を見るしかありません。

5番アイアンが22度前後だとストロングタイプ、25度以上ならスタンダードタイプと分けることができます。

7番であれば、30度以下でストロング、34度程度ならスタンダードです。

もちろんこの数値区分には規定がないので、自分で区分値を決めるしかありません。

アイアンの番手に対する飛距離のデータは真実?

一般的には、番手に対して飛距離を表すデータはあります。

5番アイアンの場合、ヘッドスピードによって違いますが、あるメーカーが出した平均的な飛距離の目安は160ヤードです。

この平均のヘッドスピードは43m/sですから、ヘッドスピードは速いほうです。

これが飛ぶゴルファーになると170ヤードといわれますが、ヘッドスピードはトップアマレベルの48m/sもあります。

逆に飛ばないゴルファーの飛距離は150ヤードで38m/sとされていますが、年齢層によっては普通のヘッドスピードの数値です。

平均値のデータをみると違和感はありませんか。

自身の飛距離と比べてみると、このデータ値は低いと思うはずです。

このように「目安」とされていても、自分と違うデータは納得ができないものです。

結果的に表示されていたよりも飛距離が出れば、「飛ぶクラブ」として高評価を得ることができます。

飛距離は関係ないはずのアイアンですが、メーカーの販売戦略とも絡むものなので、鵜呑みにすることはできないようです。

結果として試打できるアインアから選ぶことが、番手に合った飛距離が得られる唯一の方法だといえます。

アイアンの番手はロフト角や飛距離を参考にしている

アイアンに刻印されている番手はロフト角や飛距離を参考にしていますが、果たしてそのデータ値が実感できる数値なのかは疑問があるところです。

クラブ選びの参考として数値を確認するのであれば、ロフト角の間隔くらいしか飛距離に関するデータはないかもしれません。