ドライバーのロフト角の決め方とヘッドスピードの関係

ドライバーの買い替えを考えると気になるのが、ロフト角です。

シャフトと同じく、ロフト角を選ぶ際もヘッドスピードを考慮する必要があります。

どのように考えてドライバーのロフト角を決めれば良いかお話しします。

見栄を張りがちなドライバーのロフト角

ドライバーを選ぶときに、男性は9度や9.5度のロフト角を選びがちです。

なぜ10度や11度といったロフト角の寝ているドライバーを選ばないのでしょうか。

その理由には、『見栄』が見え隠れしています。

男性ゴルファーはプロゴルファーが使うロフト角に憧れていることが多く、9度や9.5度を選び、使っていることにステータスを感じやすいのです。

また飛距離を出したいという気持ちから、ロフト角が立っているものを選ぶ傾向があります。

本当にその選び方で問題ないのでしょうか。

実際、多くの男性ゴルファーは10度を超えるロフト角のドライバーを使ったほうが飛距離が伸びやすくなると言われています。

それは単にヘッドスピードが遅いという問題ではなく、選ぶシャフト、打ち出し角度、スピン量などを考慮すると無理して9度や9.5度のドライバーを使う必要がないということです。

あらためてドライバーを買い替える際には、紹介するポイントを見直してみてはいかがでしょうか。

見栄よりも実際の飛距離、スコアにつながるドライバーを選びしましょう。

ドライバーはロフト角だけが打ち出し角度を決めるわけではない

ドライバーの飛距離を決める要素は、『初速』、『打ち出し角度』『スピン量』だと言われています。

初速に対して適切な放物線で最も遠くへ飛ばすためには、まずは打ち出し角度について理解をしましょう。

アイアンはロフト角が素直に打ち出し角度、飛距離につながりやすいです。

その理由は、ダウンブローにインパクトするため、打ち出し角度をプラスに作ることをしないからです。

対してドライバーの場合は、ロフト角とインパクトの角度(アタックアングル)で打ち出し角度が決まります

アタックアングルはスイング軌道、シャフトのしなり、クラブヘッドの重心深度が大きく影響します。

特に低スピンを狙ってクラブヘッドの重心深度が浅いモデルへ変更するときは注意が必要です。

ヘッドスピードが速いからといって、安易に9.5度と言ったロフト角を選ぶとボールが想像以上に上がらなくなるケースがあるからです。

重心深度によるフェースの向きは思った以上に影響があります。

実際、かなり人気のあった低スピンモデルのテーラーメイドSLDRは、ロフト角を通常よりも1~2度寝かせて使う人が多く出ました。

シャフトを先調子に変えて、ボールを上げやすくすることもできますが、振り心地が変わるため、できればロフト角で調整する方ほう確実です。

ロフト角とヘッドスピードの関係が曲がる原因の影響

ドライバーがアイアンに比べて曲がりやすいのは何故でしょうか。

そこにはいくつか理由があります。

・アイアンに比べ長いため、フェースが返らずスライスが出る
・スイングがカット軌道になり、スライスが出る

どちらもスイングの影響ではありますが、実はドライバーのロフト角が曲がる原因を最終的には作っているのです。

飛ぶゴルファーほど曲がると聞いたことがありませんか。

これはヘッドスピードが速い人ほどスピン量が増える傾向にあるからです。

スピン量と聞くとバックスピンが増えると考え、ロフト角を立てたほうが良いと思うかもしれません。

それは間違いではありませんが、ロフト角が立つほど横回転がかかりやすくなってしまうのです。

ロフト角が立つとスピン量が減っても曲がりやすくなるということです。

バックスピンと横回転は相殺されるため、そのバランスをロフト角で取ることが大切ということになります。

表現の問題でバックスピンと横回転とふた方向の回転で話をしますが、実際はバックスピンしかかかっていません。

ボールは回転軸がずれることで曲がります。

自分のスイング軌道において、どのような軸でボールが回転するかでロフト角を選ぶことを意識しましょう。

ドライバーの飛距離を伸ばすには初速

ドライバーのロフト角の選び方について、打ち出し角度とスピン量を考慮したポイントを伝えました。

適正な打ち出し角度で曲がらないボールが打てるようになれば、飛距離は確実に伸びてきます。

しかし飛距離をより伸ばしたいのであれば、『初速の向上』が必要です。

ヘッドスピードがあまり速くない女子プロゴルファーの飛距離が出るのはボールの初速が速いからです。

それでは、どのようにしたら初速が上がるのでしょうか。

ひとつの要素として、フェースの反発性能があります。

技術進歩とともに、フェースの肉薄化も進み、フェースの反発向上により、初速が上がります。

初速を1m/s上げるのは大変ですが、現在古いドライバーを使っているのであれば、新しいものにするだけで初速アップは期待できるはずです。

初速は、『ヘッドスピード×ミート率』で決まります。

プロゴルファーはアマチュアに比べ、ミート率が高いため初速が速いといって良いでしょう。

ヘッドスピードを上げるより、ミート率を上げるほうがボールも曲がりにくく効率的に飛距離を伸ばすことができます。

ヘッドスピードは速ければ良いわけではない

ドライバーで初速を上げるために、ミート率の話をしました。

ヘッドスピードを上げたほうが分かりやすく、飛距離が伸びる感じがするかもしれません。

しかし、ボールに正しくインパクトするテクニックを身につけることが重要です。

自分のヘッドスピードが42m/sでミート率が1.25としましょう。

単純計算で初速は52.5m/sで、飛距離は210ヤードです。

そこからヘッドスピードが45m/sに上がると、初速は56.25m/s、飛距離は225ヤードです。

一方、ヘッドスピードは変わらずミート率が1.35に上がったとしましょう。

初速は、56.7m/s、226ヤードです。

ヘッドスピードを上げるのと、ミート率を上げるのではどちらが効率的でしょうか。

ミート率が低いということは、さらに曲がるリスクや適正なスピン量にならないことが予想されます。

つまり、打ち出し角度や方向性にも影響が生じ、飛距離を損する可能性が高いということです。

無理にオーバースペックのシャフトや、ロフト角を立てたものにすると、ヘッドスピードを上げようと無意識に力んだスイングになりがちです。

しっかりと軸を維持できるスペックで選ぶようにしましょう。

ヘッドスピードとミート率を両立させるには

ドライバーに限らず、ミート率を上げることは飛距離につながる重要な要素です。

理想としては、ヘッドスピードとミート率を両立できれば、飛距離は大幅に伸びるでしょう。

それでは、どのように両立していけば良いのでしょか。

考える優先順位として、ミート率の向上(軸の安定と再現性)をまず考えるようにしましょう。

軸が安定してくれば、ヘッドスピードを上げるために振りにいっても大丈夫です。

軸を安定させつつ、ヘッドスピードを上げていくためには、無理のないドライバースペックにすることと、クラブをうまい使い方を覚えることです。

そのためには無理に振らなくても大丈夫なシャフト、ロフト角のドライバーを選ぶことが大切です。

重要なことはコンパクトなトップとシャフトのしなりを利用してリズム良くスイングすることです。

多くのゴルファーが、振ろうとしすぎて振り遅れが多いのがドライバーです。

コンパクトなトップから最下点でクラブヘッドが手元を追い越すイメージで繰り返し練習しましょう。

手打ちのようなイメージが出るかもしれませんが、ドライバーは長いため、しっかりリリースすることが大切です。

このタイミングが分かってくれば、少しずつ振りにいっても軸がぶれず、ヘッドスピードも向上できるでしょう。

ドライバーのロフト角は控えめに

ドライバーのロフト角は打ち出し角度やスピン量とバランスを見ながら決めていきましょう。

決してヘッドスピードだけで判断してはいけません。

特に見栄を張ったロフト選びは力みの原因となり、飛距離アップにも繋がりませんので注意しましょう。