ゴルフクラブの中での6番アイアンの位置付けは、過去では考えられないほど向上しています。
昔は初心者がボールまで走るときに握るクラブでしたが、いまでは飛距離を求めるクラブに変身しています。
そこで今回は、6番アイアンの変革と最近の飛距離事情について紹介します。
ゴルフセットでの6番アイアンは飛距離を稼ぐ道具になった?
一般的にアイアンは3番アイアンから9番アイアンまで、それにピッチングウェッジとサンドウェッジ、さらにアプローチウェッジを入れて、10本をワンセットで考えます。
ただこのアイアンセットの考え方は少し前のものです。
現在は5番アイアンからのセットになっていて、3番アイアンと4番アイアンを外して、逆にアプローチウェッジを2本入れることが多くなっています。
このセットの違いは、アイアンの飛距離が変わったことと、ウッドとアイアンの中間となるユーティリティが作られたことによるものです。
いまでは5番アイアンと6番アイアンが飛距離を稼ぐ番手になって、昔の「困った時には5番と6番を持って走れ!」のオールマイティなクラブではなくなっているのです。
もう1つ変わったところでは、初めてのゴルフクラブに5番アイアンや6番アイアンが使われていることです。
昔は身体の中央にボールを置く7番アイアンから始めたものですが、現在はハンドファーストで構えることが基本になってきたので、シャフトを斜めにしたときに、構えやすい少し長めのクラブが使われるようになったのです。
ゴルフの6番アイアンの飛距離は4番アイアンと同じ?
最初にゴルフの練習で使ったクラブは、その後も「得意クラブ」もしくは「安心して使えるクラブ」になるものです。
つまり6番アイアンで育てば、6番を基準にしてクラブを選択するので、飛距離も6番アイアンから5ヤードないし10ヤード刻みで考えていくことになります。
ただこの飛距離は自分がいつも打っている距離なので、クラブが持つ性能、つまり一般的に基準としている飛距離とは合致していないかもしれません。
自分が想定した距離に自分のスイングを合わせてしまうことがあり、本来の6番アイアンの飛距離は170ヤードなのに、最初に練習したクラブが昔のタイプで150ヤードしか飛ばなかったとしたら、新しいタイプのクラブでも150ヤードのスイングをするようになってしまいます。
もちろん自分の飛距離を知っていれば、170ヤードの飛距離を持つクラブでも、正確な150ヤードでも問題はありません。
ただし昔は170ヤードを打てた3番アイアンがありましたが、今はなくなっているので、ゴルクラブを選択する上では不便になるかもしれません。
ゴルフの進歩で6番アイアンの顔をして4番の飛距離が出せる
ヘッドには6番アイアンと刻まれているのに実際の飛距離が違うのは、メーカーやタイプによってロフト角が大きく違っているからです。
ロフト角に合わせて正しいインパクトをすれば、飛距離は表記されたものと大差はないはずです。
そうすると昔のタイプと今のタイプでは、同じ6番アイアンでもロフト角が違っていて、今の6番アイアンは昔の4番アイアンに匹敵するものもあります。
ここまでなら番手の表記を書き換えただけと思うかもしれませんが、ベテランゴルファーでも6番アイアンとして使えることが技術の進歩なのです。
道具に敏感なベテランゴルファーが構えて違和感がなければ、それは6番アイアンの顔をしているはずです。
顔は6番アイアンですが、飛距離は4番アイアンなのですから、4番アイアンが苦手な人でも使いこなせることができる、技術の進歩の賜物だったということになります。
ただしアイアンに必要なのは、正確な距離と方向性であって、ドライバーのように決して飛距離を稼ぐ道具ではないことも理解しておかなければなりません。
6番アイアンでゴルフスイングしたときの飛距離が違う!
6番アイアンの飛距離が20ヤード以上も伸びると、便利になったとは言い難くなります。
ゴルフ場では410ヤード以上のミドルホールであれば、6番アイアンを使用できますが、それよりもミドルホールの距離が短いと、距離調整をしてグリーンを狙うことになります。
本番のコースでは良くあることなので、その距離調整の技術も必要ですが、やはり距離に合った番手のものを使うほうがグリーンオンの確率は高くなります。
このような飛ぶアイアンのことをストロングタイプと言いますが、2本少なくなっても全体を網羅するために、それまで10ヤード刻みだった番手設定を15ヤード刻みに変えていることが多いようです。
それぞれの番手の距離がインプットされていれば特に問題はありませんが、初心者のころに6番アイアンで練習したことから、基準番手から10ヤード刻みで考える人にとっては不便になっています。
さらに勘違いして10ヤードで刻むと、グリーンの手前でショートすることもあるかもしれません。
ゴルフの6番アイアンの飛距離を決める基準は自分にある
ゴルフ場では高低差があるので、ストロングタイプの6番アイアンを使用するときは、より複雑に分析しなければなりません。
メーカーが出している飛距離は170ヤード、自分の距離は150ヤード、打ち下ろしのハーフショットを選択した場合、170ヤードと150ヤードのどちらを選択するのがよりベストなのかを知っておく必要があります。
フルスイングでは適度に力を抜いて20ヤード減のショットを打つことができます。
しかしハーフショットの下り斜面だと、ハーフショットのマイナス分と、下り斜面のプラス分を考慮しなければならず、複雑な距離の算出が必要になるのが厄介です。
しかも、このときメーカー性能を信じて飛距離をとるべきなのか、自分の距離から算出するのかを考えれば、一定の飛距離と番手の間隔が重要になってきます。
結果として6番アイアンに限らず、セカンドショット以降に使われるクラブは、残り距離に合わせて自分の距離で調整するしかないと言うことになります。
ゴルフクラブの6番アイアンは飛距離よりも確実な距離が大事
ゴルフクラブの6番アイアンの飛距離をデータ上のマックスで換算しても、実際にスイートスポットに当たらなければ、そこまで距離を稼ぐことはできません。
またティーショット以外で使用するときは、ライの影響も考慮しなくてはいけません。
抵抗に負けない怪力であれば別ですが、深いラフで6番アインアを使える可能性は少ないと思います。
使用できるのはフェアウェイかセミラフ、今日刈ったばかりのラフでも使用は可能かもしれません。
一般的に良く飛ぶのは、芝の抵抗が少ないフェアウェイです。
また芝の上にチョコンと乗っていたら、セミラフやラフのほうが飛ぶかもしれません。
しかしフェースとボールの間に芝が挟まるとフライヤーになって、予定以上の飛距離になることもあります。
さらに振り切ることで飛距離は伸びるものですが、中には右足の前にボールを置いた方が、飛距離がアップするタイプもあります。
昔のロフト角は約30度、現在は約25度、まさか6番アイアンなのに21度と言うものもあります。
これならボールを右に置いて少しシャットフェースにすれば、ドライバー並みに打ち出し角でインパクトができて、飛距離アップすることができるでしょう。
どちらにしてもアイアンは飛距離を求めるクラブではないので、日ごろ練習で確実な距離を把握するようにしましょう。
ゴルフクラブ進化で6番アイアンの飛距離は伸びたけれど
最近のゴルフクラブは進化を続けていて、6番アイアンの顔を持っているのに、中身は4番アイアン、中には3番アイアンを越えるものまであります。
もちろん距離も伸びているので、飛距離対策としては便利ですが、確実な距離としては更なる練習で距離を把握する必要がありそうです。