ゴルフ用語であるスライスの本当の意味を知ることで、スライスボールを容易に修正できると言われています。
今回は、ゴルファーの7割が悩むスライスについて、その意味と原因、そして修正法、さらには緊急の対処法などを紹介します。
ゴルフ用語のスライスとフェードの意味の違い
ゴルフを始めると、最初にぶつかる壁がスライスです。
ある程度フェースでボールを捉えることができるようになったら、誰もがボールの行方が気になってきます。
真っ直ぐに打ち出しているのに、途中から右側に大きく曲がっていくことがあるでしょう。
また最初から右方向に打ち出して、さらに右に曲がっていく場合もあるはずです。
これをゴルフ用語でスライスというのは、すでにご承知だと思います。
いまでは一般的な日常会話としてもスライスは使われているので、ゴルフをしない人でも右に曲がる意味だと認知されています。
またゴルフではスライス以外にも右に曲がるという用語があります。
意図的に右に曲げる場合はフェードを使い、偶発的に右に曲がっていくのがスライスと使い分けていることが多いようです。
実際の球筋をみると、どちらもボールに右回転がかかったことで右に曲がっていますが、意図して曲げるか予期せずに曲がるかの違いで、フェードとスライスは使い分けをしています。
ただし球筋を表現するときは、「スライス系の球筋」が一般的のようです。
ゴルフ場で「スライス」を使う時は意味より大事なことがある
右に曲がる球筋は、もともと「スライス」が使われていました。
いつからフェードが使われたのかは分かりませんが、ゴルフのテレビ中継が始まったころからかもしれません。
フェードはフェードアウトの略語でしょうから、画面から徐々に消えていく球筋をフェードと呼んだのではないでしょうか。
左方向に曲がる球筋はボールにスピードがありますが、右方向に曲がる球筋はまさに薄れていくように消えていくことから、フェードはしっくりする和製英語となったと推測されます。
ではスライスは本場英国でも使われているのでしょうか?
このスライスは伝統的に使われている用語で和製英語ではありません。
ただし空中のボールに対してのみに使われていて、パッティングによって転がるボールは「ブレーク」にレフトやライトをつけて使います。
ではフェードボールをスライスといったら失礼になるのでしょうか?
プレーヤーが意図的にボールを曲げたかどうかを瞬間的に知ることはできません。
そのためスライスは正しい用語なので使って失礼になることはありませんが、日本では偶発的なときにスライスを使うので、ミスショットを意味すると解釈する場合があるかもしれません。
スライスの意味を知ればゴルフスイングの修正箇所が分かる
右回転で曲がるボールをスライスと命名した人が誰だったのかは今になっては分かりませんが、上手い表現方法であることは間違いありません。
スライスはレモンなどを輪切りにするときのカットに対する意味で使う言葉です。
ゴルフボールをカットする打ち方をしたことで、右に曲がるスライスボールが出たと表現しています。
つまりこのスライスを直すには、カット打ちとなるアウトサイドインを修正すれば良いことが、言葉の中に隠されているわけです。
こんな便利な言葉があるのに、あえて和製英語のフェードを使う意味はないような気がします。
ちなみに同じ英語圏でも米国では、スライスをバナナに例えて「チキータ」と呼ぶことが多いようです。
チキータは米国を代表するバナナの製造販売会社なので、この意味を知ってるのは米国人だけかもしれませんが、スライスを表す一般的な用語になっています。
そう考えるとテレビ画面から消えていくフェードアウトのほうが、上手い表現なのかもしれません。
ゴルフ用語のスライスはスライスカットが本当の意味
右に曲がる球筋の意味が分かるスライスは、まさにスライスカットしているからなのですが、なぜゴルフスイングでスライスカットしてしまうのでしょう?
スライスカットするのには大きく2点の原因があります。
1点目はフェースの向きが開いていることです。
ダウンスイングでフェースが開いていると、フェースの根元側が先行して、先端側が遅れた状態でインパクトをすることになります。
するとフェース面はターゲットよりも右側を向いています。
ノコギリの刃を引いたように、フェースが手前側にスライドするのですから、まさにスライスカットしている状態です。
ただ原因が分かったとしても、そのスライスカットを防ぐ方法は簡単ではありません。
ダウンスイングで左肘が外側に逃げてしまい、右肩が下がった状態でインパクトを迎えているからです。
これは回転軸となる背骨が右側に湾曲していることが原因なのですが、修正するためには肩と腰を回転させる捻転するスイングが必要になります。
スライスする意味はアウトサイドからのゴルフスイングが原因
2点目は、スイングの軌道がアウトサイドインになっていることです。
アウトサイドインのスイングとは、真上から見た時計の文字盤で表すと2時から8時に向かって、斜めにスイングをするようなものです。
斜めにスイングすれば、間違いなくフェース面はボールをこすることになるので、打ち出すボールはスライスします。
このゴルフスイングを修正するためには、アウトサイドインのスイングを、インサイドインまたはインサイドアウトに、変えなくてはいけません。
どちらにしてもインサイドにテークバックしなければなりませんが、アウトサイドで振り出すゴルファーはインサイドに引いても意味がないのです。
ゴルフクラブを引いて、身体の前にトップの位置を持ってくるゴルファーはいません。
つまり右耳の横あたりにトップの位置があるのにも関わらず、振り出してからアウトサイド経由で斜め切りにしているわけです。
そのためトップから振り出すのではなく、グリップを右腿の前まで落とすようにするだけでアウトサイド経由は防ぐことができます。
ゴルフスイングがスライスする意味を理解して修正しよう
実際のケースでは、オープンスタンスでアドレスしていることが多いようです。
自分では飛球線と平行なスクエアスタンスのつもりでも、左足がかかと側に下がっていて、スイング軌道が左方向なので、フェース面がスクエアであればスライスカットしてしまいます。
仮にフェース面も左側を向いていると、インパクトしたボールは飛球線よりも左方向に飛び出していきます。
逆にフェースが開いた状態でインパクトすると、シャンクに近い球筋でスライスしていくはずです。
結果的にゴルフでスライスするのは、フェースが開いているか、アウトサイドインでスイングしているかのどちらかです。
どちらもインサイドインのスイングの意味を理解し習得すれば、すぐに解決することはできますが、それには相当な練習量が必要になり、それまではスライスが常態化します。
そこでまずフェース面が開くようであれば、グリップを握ったときに左手のコブシが3個以上見えるフックグリップに変えてみてください。
またスイング軌道がアウトサイドインのときは、すぐに習得できるインサイドアウトにしましょう。
この対処法をした上で、後々インサイドインのスイングを習得するようにしましょう。
スライスの意味を学習して本物のゴルフスイングを身につける
スライスはゴルフスイングによるものと、フェースの向きによるものが併合して起きるものです。
そのため小手先で修正するのではなく、スライスする意味を学習してから、本格的なスイングを作り上げていけば、必ずスライスは修正することができます。