「ドライバーは難しいクラブ」と、苦手意識を持つゴルファーが多いようです。
しかしながらティーアップしたボールの打ち方さえ理解できれば、初心者でも簡単なクラブにできます。
初心者がマスターできるドライバーの打ち方を解説します。
初心者はドライバーショットの打ち方を間違えている
ドライバーの正しい打ち方はアッパーブローですが、初心者の多くはレベルブローでインパクトを迎えているようです。
レベルブローとは、スイングの最下点でボールの側面を打つことです。
一般的にレベルブローは、芝の上にあるボールを払い打つスイングです。
フェアウェイウッドやユーティリティーなど、芝面のボールをダイレクトに打つときの打ち方です。
ところがアッパーブローは、ボールを下から打ちます。
わざわざ芝に挿したティーの上にボールを置いているのは、下から打ち上げるアッパーブローにするためです。
しかし多くの初心者は、「側面を打ったほうが良い」と勘違いしているようです。
ドライバーのフェースの角度を表わすロフト角は、一般的に9度から12度くらいです。
一方でドライバーショットの打ち出し角は、14度から15度くらいが1番飛ぶ角度と言われています。
つまりボールの側面を打つと、打ち出し角が理想より低くなり、ボールが浮かずに失速してしまいます。
ボールの側面を打つことで飛距離ダウンになってしまい、「もっと飛ばそう」と力みが出てスライスやフックなどのミスショットへと繋がっていく悪循環に陥ることになります。
初心者だからこそドライバーの正しい打ち方を覚えよう!
ドライバーの打ち方を間違えていることが、ミスショットに繋がっている可能性があります。
アッパーブローで打たなくてはならないところを、レベルブローで打ったしまったことから、打ち出したボールは失速して飛距離ダウンになってしまうのです。
そこで飛距離アップのためにそれまで以上に強いスイングをすると、シャフトがしなりタイミングが合わずヘッドが遅れた状態でインパクトを迎えることにもなります。
するとヘッドが遅れフェースが開き、インパクトしたボールにはスライス回転がかかってしまいます。
中・上級者であれば、インパクトゾーンでヘッドを返してフェースの開きを修正できますが、初心者にとってはフェースターンは難易度が高く、上手くフェースを合わせることができません。
初心者に多いドライバーショットのスライスは、このレベルブローのスイングを修正したほうが早く解決します。
そこでアッパーブローの打ち方を確認しましょう。
アッパーブローは正しいレベルブローのスイングできれば、簡単に習得することができます。
レベルブローを習得すれば初心者でもドライバーが打てる
まずはドライバーを使ってレベルブローのスイングをしてみましょう。
練習場の人工芝にはボールを置かずにゴルフスイングをします。
何度か素振りをすればスイング軌道が安定してきますので、ダフらない程度にドライバーのソールで人工芝を擦ってみてください。
これも何度か素振りをしていると、人工芝を擦っているポイントが限定されてくるはずです。
ここが自分のスイングの最下点なので、このポイントを覚えてください。
首元の延長線上だったり左腿の内側だったり、ゴルファーによって最下点のポイントは違いますが、身体の部位でポイントが確認できるようにしておくと迷いがなくなります。
このスイングの最下点にボールを置けばレベルブローになりますが、少し左側にティーアップすればアッパーブローになるというイメージです。
スイングの最下点からヘッドが浮き上がってきたとき、ボールをとらえるのがアッパーブローの打ち方です。
初心者にとって上手く打つコツは、スイングの最下点に仮想のボールをイメージして、ティーアップしたボールを打ち上げることを意識しないことです。
アッパーブローの打ち方と初心者用のドライバー練習法
ティーアップしたドライバーショットは、レベルブローをイメージした打ち方ができれば、初心者であってもターゲットに向けて打ち出すことができます。
しかもドライバーのロフト角以上の打ち出し角は、適正な角度になるので狙い通りの飛距離を得ることができます。
問題は飛距離を意識しないことです。
ドライバーを構えたときに、「飛ばそう」と思うと力が入り、強いインパクトをイメージしてしまいがちです。
そうした頭の中のイメージは行動に移り、ボールの側面を強く打ってしまいます。
そうではなくティーの手前に仮想のボールを置いて、スイングの最下点に向けて振るつもりでいれば、力みもなくスライスやフックを抑えることができます。
そこで練習場ではティーの少し手前にガムテープを貼って、そこにあるであろうボールを狙う練習をしてみてください。
頭では仮想のボールに必要性が理解できていても、実際にスイングが開始されると、身体が勝手に側面を打とうと動いてしまうものです。
それを防ぐために、視覚で仮想のボールを置いてアッパーブローのスイング練習をするのです。
ドライバーの打ち方に悩むときの原因は右肩にあり!
実際にアッパーブローのドライバーショットをしてみると、フェースが開き気味になってスライスすることがあります。
ティーアップしたボールの手前に仮想のボールがイメージできていれば、問題なくインパクトはできているはずですが、浮いているボールを「下から打つ」ことをイメージしてしまうと「すくい打ち」になってしまいます。
すくい打ちをイメージした打ち方は、上半身が右側に倒れて、右肩が沈む姿勢でインパクトに入ります。
右肩が沈むと、右肘が身体に付いたままダウンスイングをするため、フェースが開いた状態でインパクトをしてしまうのです。
トゥ(ヘッドの先端)が遅れているフェースの開いた状態で、ボールがフェース面に当たると擦れて右回転がかかります。
初心者に限らずドライバーショットでは、「フェースの開き=曲がる」ことになり、球筋の安定にはなりません。
この場合はスイングを修正するのではなく、ドライバーを短く握ることで解消できます。
初心者であっても打ち方を知ればドライバーは簡単なクラブ
グリップエンドから指2本分あけて握ると、フェースの開きがかなり解消されるはずです。
ヘッドの遅れはシャフトのしなりと関係があるからです。
本来なら遅れたヘッドは、インパクトの直前に「返す」ことでフェース面を修正しますが、長さのあるドライバーではヘッドを返す前にインパクトを迎えてしまうからです。
短く握ることでこうしたタイムラグなしに返しができるので、初心者であってもスライスを心配する必要はなくなります。
ただしグリップを短く握った分だけ、ボールの位置を内側に入れなくてはいけません。
つまり左足内側くるぶしの延長線上にあるボールを、右側に移動させることが必要です。
左側に残したままだと、ボールに届かずフェースの下部でインパクトすることになり、いわゆるトップした状態になりかねません。
アッパーブローの打ち方をするためにはスイングの最下点を見極めて、まずはその左横にボールをセットし、徐々に打ち出し角を合わせていくと、ターゲットに向けて打つことができるはずです。
ドライバーの打ち方を難しいと初心者が感じるのは理解不足
初心者はドライバーが難しいクラブと考えがちですが、それはアッパーブローの打ち方を理解していないからかもしれません。
自分のスイングの最下点を確認して、それよりも左側にボールを置けば、よく飛んで曲がらない球筋を打てるはずです。