現状飛距離を重視すれば、ドライバー以上のクラブはありません。
仮にミスをしてしまったとしても、綺麗にミートした時の快感を再現したくて、無謀にもドライバーを選択してしまう場面もあります。
当然、飛距離よりも安定性を重視する場面もありますよね。
今回はドライバーを敢えて使わないプロゴルファーから、その理由を検証してみましょう。
ドライバーの必要性
先述しましたが、現状飛距離を稼ごうと思えばドライバーに勝るクラブはありません。
ロングホールのような長い距離に挑む際には、多少のリスクがあったとしてもドライバーを選択したくなるのがゴルファーの性でしょう。
仮にミートインして男性ゴルファーの平均飛距離の220ヤードを稼げたとしたら、大変楽にパーオンを狙えます。
これをドライバーが使える全体の14ホールに仮定して考えると、ドライバーの稼げる距離からその重要性が見えてきます。
そこから更に平均飛距離を伸ばして、次に繋げていきたいと願うのは、ゴルファーであれば誰でも一度は通る道ではないでしょうか。
しかしながら、飛距離から見れば最強のクラブのドライバーにもデメリットがあります。
それは練習を重ねて飛距離を伸ばせば伸ばすほど、方向性、安定性が失われていく傾向があるということです。
「当たれば飛ぶ!」という言葉はよく聞くセリフですが、そんなゴルファーも当たった時の快感を忘れられず、どんなにOBを連発してもドライバーは手放さない傾向にあるようです。
そんな中、完全にドライバーを使わない選択をしたプロゴルファーがいます。
なぜそのような選択をしたのでしょうか?
検証してみましょう。
ドライバーを使わない選択をしたプロゴルファー
ドライバーを使わないプロゴルファーの代表的な存在で知られるのは、スウェーデンのヘンリク・ステンソン。
彼は米ツアー2016~2017レギュラーシーズンの最終戦「ウィンダム選手権」で勝利をしているのですが、なんとゴルフバッグからドライバーを抜いてセッティングしていたのです。
それでも勝利してしまう彼の独自の強さもあるのでしょうが、ドライバーを使用した方がもっと飛ばせるし、もっと楽に勝利できたのではないかと思ってしまいます。
ちなみに彼がティーショットの際に使用していたクラブは、2010年発売のキャロウェイ3番ウッドのディアブロオクテインツアーで、飛距離は300ヤード近いということなので次元が違いますが、ドライバーを使用しない理由とは一体何でしょう。
ご本人に直接聞くことは無理なので、考察した方の意見を参考に見ていきましょう。
ヘンリク・ステンソンプロがドライバーを使わない理由を考察
まず、ドライバーとその他のクラブを使用する際の違いとは何でしょう。
考えられる一番の違いはティーアップではないでしょうか。
一般的にドライバーショットで使用するティーの高さは、構えた時にボールの頭が半分出るくらいの高さだといわれていますが、その他のクラブをティーショットで使用する際はショートティーを使い、構える形も大きく異なります。
特にヘンリク・ステンソンプロが3番ウッドをティーショットで構えている姿を拝見すると、ボールは殆ど地面に付いているようにも見えます。
そう考えると、ドライバーショットのみ空中にあるボールを打つことになります。
また、ドライバーは長尺のため構えた時に左足寄りにボールを置くことになります。
これは、スイングの軌道の最下点を過ぎてからボールに当たるため、ややアッパー軌道で当てるためです。
つまりドライバーショットは、その他のクラブとは入射角が異なるということになります。
そういわれてみれば、日によってドライバーの調子は良いけれど、そんな日はアイアンが当たらないし、逆もまた然り。
ドライバーとアイアンは調子が良いけれど、パターが全然入らない・・・。
これは関係なさそうですが。
ドライバーを使わないということは、全てのショットを殆ど相違ない入射角で行うことができるという選択にも繋がるということですね。
それでは、他の多くのプロたちがドライバーを使わない理由を考えてみましょう。
多くのプロたちがドライバーを使わない理由
プロとはいえど、ドライバーを使わない一番の理由は、恐らく私たちと同じく飛距離よりも安定性を重視しているためだと思われるのですが、現在のクラブの機能性も大きく係わっているようです。
現在取り扱われている3番ウッドは昔のものとは異なり、低重心で低スピン軌道で打つことができて、尚且つフェースの反発も高くドライバーと遜色ないほどの飛距離が出るようです。
また、3番ウッドはドライバーよりも平均2インチ以上短いこともあり、扱いやすいことも関係しているのが伺えます。
そして、3番ウッドとドライバーの機能性で無視できない大きなポイントがあります。
それは重心距離といって、フェースを正面から見た時にネックから伸びる線とスイートスポットを繋ぐ垂線の距離のことですが、だいたいプロの使用しているドライバーのヘッドは460ccのものが多く、重心距離も40mm以上と長くなっています。
しかし、3番ウッドのヘッドは小ぶりで重心距離もアイアンと比べてそれほど変わりません。
そのため、打ち方を変える必要もなく、全て同じショットで回れるというメリットがドライバーを使わない理由と考えられます。
安定性もあり、飛距離もドライバーと比べても遜色なく、打ち方まで変えなくて良いとなると、リスクを抱えてドライバーを使うことを今後躊躇ってしまうくらい、現在の3番ウッドは進化しているのです。
ドライバーも昔のヘッドと比べてもサイズは大きくなり、打ちやすさ、優しさは高くなっているのですが、操作性を見るとヘッドは小ぶりなものの方が扱いやすいので、思い切ってドライバーを抜くプロも多くなってきたといえるのかもしれません。
ドライバーを使わないプロ達の理由が理解できたところで、私たちアマがドライバーを使わないメリットを見ていきましょう。
プロから学ぶアマがドライバーを使わないメリット
上記プロがドライバーを使わない理由を検証してみましたが、私たちアマにもドライバーを使わない方が良い時もありますよね。
もちろん全てのゴルファーにいえることではありませんが、スコアを縮めていく過程でその選択肢も入れていくことは大きな差になります。
自身のドライバーの飛距離の先に障害物があったり、大きくドッグレッグしているコースもあります。
その際選択するクラブは、障害物やOBに自信を持って入らないクラブを選択するべきです。
気持ちよくドライバーを振り抜いて賭けに出るのもゴルフの楽しみ方の一つだとは思いますが、スコアを縮める攻め方をするならば、時には守りも必要です。
また、コースを回るうえで基本的なセオリーとなりますが、逆算して攻めていくことがスコアを縮める近道でしょう。
ミドルホールで距離は320ヤードであった場合、200ヤード打てば残りは120ヤードと考えれば、リスクを抱えてドライバーを選択するか、安全に番手を下げて攻めるか選ぶことができます。
ここまで検証した現在の3番ウッドであれば、飛距離も安定性も打ち方も変えずにティーショットを決めることができます。
また、3番ウッドはドライバーと違いロフト角があるため上に上がりやすい構造になっています。
そのため風に流されやすく、フォローの場合はドライバーの飛距離を超える場合もあります。
勇気を出して、ドライバーを使わない選択肢も考慮してみてはいかがでしょうか。
ドライバーを使わない考え方
プロでもドライバーの使用を控える人が多い昨今でも、一緒に回るメンバーによってはドライバーを使わないことで心無いことを言ってくる人もいます。
その場の冗談で、場を和ませるためにそのようなことを言われることもあるようですが、言われた方は気にしてしまいますよね。
しかしながら、ゴルフのスタイルとはそれぞれで、目指すものが何なのかで選ぶクラブが違って当たり前だと思います。
例えば、パター以外は全てアイアンで回る方がいたとしても、それはその方のスタイルなので、周りがとやかく言うことではありません。
それは「ドライバーを使わなくて良いくらい飛距離があるんだね」と褒められていると取った方が良いでしょう。
実際スコアだけを見た場合、アイアンだけで回った方がまとまる可能性は大きいです。
したがって、周りに気負いせずに自分のゴルフスタイルを大いに楽しんだ方が勝ちだといえます。
自分が安心して振り抜けるクラブを選択してください。
ゴルファーがドライバーを使わないメリット
プロと私たちアマでは飛距離も練習量も異なり、ドライバーを使わない理由は違うのではないでしょうか。
また、参考にもならないのではないかとも思えたのですが、検証してみると悩みのサイズは違えど、私たちアマでも対象になりえる理由ばかりでした。
現在の3番ウッドの進化にも驚かされますが、入射角の違い、重心距離の違いからドライバーを封印する事は大いに考えられます。
ぜひ今後のティーショットのクラブの選択に参考にしてください。