伸び悩むゴルファーのグリップに違和感がある理由と対処方法

ゴルフクラブを構えたときに、握ったグリップに違和感があるとミスショットが頻発することがあります。

グリップを握っただけで起こる違和感の原因は、メンテナンスの不備や握り方、またクラブの性能など多岐にわたります。

ここからはその違和感の原因と対処方法を紹介します。

滑るグリップに違和感があるゴルフクラブのメンテ方法

グリップに違和感があるとゴルフスイングが乱れます。

滑りそうな気がするだけでグリップを強く握ってしまい、その力みによって肘までの筋肉を硬直させます。

硬直した筋肉は手首を硬くさせてしまい、ミスショットを誘発するのです。

手首を固めるとインパクトでのフェースにブレがないような気がするかもしれませんが、実際には微調整できずにトップやダフリの原因となってしまいます。

滑る気がするだけで強く握ってしまうのですから、本当に滑るグリップだとスイング中にスポっと抜けてしまうことがあるかもしれません。

するとゴルフコースでは同じ組のプレーヤー、練習場では隣りの打席で練習している人、また通路を歩行している人などにぶつけてしまう恐れがあります。

そのため滑らないようにするために、グリップのメンテナンスを定期的に行うようにしましょう。

簡単な方法は食器用の中性洗剤をつけて、スポンジタワシでゴシゴシ洗うだけです。

手垢や土ボコリでできた膜を洗い流せば、滑らないグリップが復活するはずです。

グリップの違和感はゴルフクラブを揺らして消す

手首が硬くなっているときは、ゴルフクラブをワッグルしましょう。

もともと滑る気配が感じられて強く握ったことで手首が硬くなっているわけですが、事前にグリップのメンテナンスをしていない場合には、とりあえずの対処方法が必要になります。

ゴルフクラブを構えた時点でヘッドを揺らすワッグルをすると手首の緊張が抜けていきます。

ワッグルはもともとテークバックの始動で緊張によって身体が動かないときに、ヘッドを揺らしてきっかけを掴むための動作として使われています。

手首を回すことで、身体だけではなく精神的な緊張も短時間でほぐしてくれることから、グリップに違和感があって強く握り締めたときにも応用できるということです。

そんなワッグルの方法はいくつかあります。

ヘッドで「の」の字を描く、上下左右に振る、右に1回左に1回円を描く、それ以外にも自分でやりやすいと思える動作を取り入れて、硬くなった手首を柔らかくしましょう。

グリップを野球のバットに見立てると違和感が消える

グリップに違和感がある場合は、違う握り方を試してみましょう。

日本人ゴルファーのグリップの握り方で多いのは、オーバーラッピンググリップです。

左手人差し指の上に右手小指をかぶせる握り方で、多くがこのスタイルを取り入れています。

左手はしっかりグリップを握れていますが、右手は第2関節の先でグリップを押さえるように添えているだけです。

これは完全な左手主導の握り方なのですが、これは右手の余分な力を削ぐのが目的なので、その不安定さを利用しているはずです。

ところが左手の握力が強い人ばかりではありません。

現代のゴルファーと、1901年に日本初のゴルフ場が開場した当時の日本人を比べると、左手の力は想像以上に弱っているのかもしれません。

もしも握力が落ちてしっかり握ることができていないときは握り方を変えましょう。

試す握り方はテンフィンガーグリップです。

別名ベースボールグリップといわれる通り、野球のバットの握り方と同じです。

ドライバーの倍以上の重さのあるバットを振り回すことができるくらいですから、しっかり握れることは間違いなしです。

しばらくの間、この握り方でショットを続けると、手や腕の使い方が再認識されて違和感が消えていくはずです。

いろいろとグリップの握り方を変えて違和感をなくす

グリップに違和感があって握り方を変えても、テンフィンガーグリップが合わないこともあるでしょう。

野球のバットのように握ることのほうが違和感が多くなることもあるかもしれません。

そんなときは、指で握るフィンガーグリップを試してみましょう。

手のひらで包むパームグリップはしっかり握ることができるはずですが、手のひらが小さい場合は握り切ることができずに、グリップが緩んでしまうからです。

また指が長い場合には、手の中で遊びができてしまって同じように緩んでしまいます。

そこで指でグリップを握るフィンガーグリップにします。

指で握るためにはハンドダウンが必要になるので、パームグリップのときの高さよりも、グリップを低くして握ります。

するとシャフトの角度が緩くなることで振りやすさが実感できるはずです。

ただしフィンガーグリップのハンドダウンはフックの恐れがあるので、インパクトのときには左手甲で払うようにする必要があります。

ゴルフクラブのバランスがグリップの違和感の原因

グリップに違和感があっていろいろと試したけれど改善の気配がないときは、ゴルフクラブのバランスを確認してみましょう。

グリップに問題があるのではなく、ゴルフクラブと自分の感覚が合っていないだけかもしれません。

シャフトの根元に貼ってあるシールにはD0、D2といった記号が表記されています。

これはゴルフクラブのバランスを示すもので、数字が大きくなるほどヘッド側が重くなっていきます。

グリップを持った瞬間に違和感があったら、このバランスが合っていないことが多いようです。

バランスは個々の好みなので、正解はありません。

第1印象のようなもので、そのクラブを持った人にしか分らないものなのです。

そのためヘッドやグリップの先にウエイト(鉛)を貼って、自分に合ったバランスを見つけることができれば、違和感は解消できるはずです。

ただし、たくさん貼ると総重量が重くなってしまいますし、キックポイントが変わるので、先調子や手元調子が顕在化してくるので、カウンターバランスを貼ることにまでなると複雑になってしまうので注意が必要です。

グリップの違和感の原因はゴルフクラブのライ角にある可能性が高い

グリップに違和感があれば、グリップの先端を握って素振りをしてみてください。

いつも握っている箇所と比べて先端側を握ったことで落ち着くようなら、シャフトの長さやライ角が合っていないのかもしれません。

基本的にアドレスの姿勢は不変なので、グリップを握る位置は体で合わせるのではなく、ゴルフクラブで合わせることになります。

シャフトが長ければグリップの位置が高くなるので、対応しようと前傾姿勢を起こすと違和感が起こるのです。

全番手短く握ったまま違和感なく使えれば問題ありませんが、場合によっては自分に合ったグリップ位置で握るために、シャフトを短くする『シャフトカット』か『リシャフト』を検討する必要もあるでしょう。

同じようにグリップの高さが合わない理由にライ角があります。

ヘッドを地面にソールしたときのシャフトの傾きがライ角と言いますが、ライ角が大きいとシャフトの傾きがアップライトになりグリップは高くなります。

この場合は「ライ角調整」でフラットにしてもらってグリップの高さを身長に合わせる必要があるでしょう。

前項までに紹介したグリップラバーやクラブのバランスによる違和感はメンテナンスだけで解消できますが、握り方や構え方の違和感は納得できるまでに時間がかかることが多いので、焦らずに取り組む気持ちが大切です。

クラブを構えてグリップに違和感があるゴルファーの対処方法

ゴルフクラブを握ったときにグリップに違和感があれば、一旦アドレスをほどいて再度アドレスに入るようにしましょう。

それでも違和感があれば、ワッグルをして様子を見てください。

さらにそれでもダメなときはグリップを上下に動かしてみて、構えやすい位置を見つければ大抵は解消できるはずです。

その後はクラブを変更する方向へと舵を切りましょう。