ライ角は身長165センチだと既製品は合わないかもしれない?

フックやスライスの原因となるライ角の不適合ですが、身長165センチのゴルファーだと調整が必要と言えるかもしれません。

ライ角の基準となる身長、またライ角不適合による弊害、さらにはライ角を改善するための構え方やスイングなどをまとめます。

身長165センチのゴルファーはライ角がズレている可能性あり!

ゴルフクラブには、いくつかの角度があります。

もっとも気になるのは、打ち出し角であり飛距離でもあるロフト角です。

またフェースの場合は向きを表すフェース角、ソールにも膨らみを表すバンス角があります。

購入するときの選択肢にするこうした様々な角度の中で、シャフトの斜度を表すライ角については気にする人は少ないかもしれません。

普通にアドレスの姿勢を取れば、シャフトの傾きが気になることはなく、仮に角度が合わないと言ってもその差はわずかなものです。

しかしながら特定のクラブだけフックやスライスが出る場合は、ライ角が合っていないと考えるべきです。

ヘッドから伸びるシャフトの先にはグリップがあり、そのグリップを握ってスゴルフスイングをするわけです。

シャフトの傾きが合っていない場合は、上半身の角度を変えて対応するか、ソールの一方を浮かせてセットすることになります。

ちなみに既製品のライ角は身長170センチを基準にしているそうですから、仮に165センチであれば上半身を無理に起こして構えるか、ヘッドの先端を浮かせたまま構えることになります。

身長165センチのゴルファーがライ角に合わせた姿勢を取った場合

身長165センチのゴルファーがクラブを構えると、身長170センチに合わせているライ角は合わずに、アドレスの姿勢を変えて構えることになります。

体を起こしたアドレス姿勢をとると、体が回転しやすくなるため横振りのスイングになります。

そうすると体が揺れるために、肩幅以上にスタンスを広げなくてはなりません。

スタンスを広げるということは、グリップの位置が低くなるため、さらに体を起こした姿勢をとらなければなりません。

そうするともはや原型をとどめていない状態でテークバックを開始しますが、ダウンスイングに入るころには、形状記憶合金のように元の傾きに戻っていくのが人間の性です。

つまり高く構えたグリップが低くなって、ダフリになる確率が高くなってしまうのです。

姿勢によってライ角を調整しようとしても、体が正しい姿勢に戻ろうとしてミスショットになるのが見えていますので、仮に調整するのであればグリップをいつもの位置で構えて、シャフトの傾きを変えたほうがミスは少なくなります。

ライ角を無視して身長165センチゴルファーがクラブを構えた場合

身長165センチのゴルファーがライ角を無視していつもの高さでグリップを握ると、シャフトの傾きがフラットになり、いわゆるシャフトが寝た状態になります。

このときヘッドの先端側であるトゥが浮いて、根元側であるヒールだけが接地した状態です。

仮にこの状態でインパクトを迎えると、ヒールにだけ抵抗がかかるので、ヒールを基点にトゥだけが返ることになります。

つまりフェース面が左を向いてボールを打つことになるわけです。

これが典型的なフックの構図なのですが、例えばドライバーのように接地することがないクラブの場合には、一応問題ありません。

ただしスイートスポットでボールをとらえることを考えると、ヘッドが傾いた状態でのアッパーブローは難しいものがあるかもしれません。

一方でアイアンはウッドに比べて肉厚が薄いので、フェースの開閉には敏感です。

ヒールに抵抗があると敏感に反応してしまい、スクエアに向かっていたフェース面は一瞬でフックフェースに変わってしまうのです。

スライサーにとってこの方法なら、ドライバーなど使用するクラブによっては使えないことはありません。

輸入クラブを使う場合、身長165センチゴルファーは確実にライ角調整が必要

身長165センチのゴルファーがライ角と合わないといっても、わずかに5センチであれば腕の長短や、なで肩・いかり肩でカバーされるレベルです。

またグリップの握る位置によっても違うので、必ず修正しなければならないということはありません。

ただしこれは国内産のゴルフクラブを対象にしたことで、海外からの輸入品については少し事情が違ってきます。

国内産は日本人の平均身長である身長170センチを基準にしていますが、輸入クラブは身長180センチに合わせていると言われているからです。

165センチの人からすると、その差は15センチもあるので、さすがに姿勢やシャフトの傾きだけで対応することはできません。

このケースでは2つの方法が考えられます。

1つ目は、専門の工房に持ち込んでライ角調整を行ってもらうことです。

自分に合ったライ角を計測してもらい、そのあとライ角を変える専用の器具で、ネック部分を曲げて角度調整を行います。

ただしドライバーなどウッド系、アイアンの中ではステンレスなどの素材、中空タイプ、キャビティタイプの一部など、素材の硬さによる割れや形状の歪みが出るため、ライ角調整ができない場合があります。

シャフトの長さを変えると身長165センチでライ角に合う

ライ角調製ができないクラブの場合は、身長165センチに合うシャフトの長さに変更することで対応はできます。

ライ角に合わせてシャフトを傾けると、身長165センチゴルファーにとってはグリップの位置が高くなります。

そこでシャフトを切って短くするか、短いシャフトに付け替えるか、どちらかを選択すればグリップの位置は低くなり、正しい姿勢でゴルフクラブを構えられるようになれます。

適正なシャフトの長さを確認するときは、ゴルフクラブをソールしてライ角に合わせた状態でセットします。

あとは自分のグリップ位置でシャフトを握ると、そこが正しいグリップ位置なので、シャフトの長さを計測してリシャフトするか、シャフトカットをして合わせるかを選択しましょう。

極端に短くなるようでしたら、バランスも計算しやすいリシャフトがおすすめです。

シャフトを短くするためには、グリップエンドからカットするのが基本ですが、カットする長さによってはシャフトの剛性がなくなったり、極端に細くなってグリップサイズが合わなくなる可能性があるので注意が必要です。

それを防ぐためにグリップ側とヘッド側の両端でカットすることもシャフト種類によってはできますが、この調整は神業的な経験が必要になるのでおすすめはできません。

グリップエンド側をカットする場合はグリップ交換代、ヘッド側をカットする場合は抜き挿し代が別途かかるはずですので、出費も相当覚悟しなくてはいけません。

ライ角調整は何度まで可能?

国内産のクラブであれば、身長が165センチゴルファーは無理にライ角調整をする必要はないかもしれません。

わずか5センチの身長差ですから、ライ角を変えるといっても1度にも満たない可能性があるからです。

ズレが気になるようなら、グリップエンドを指の太さ1本分空けて短く握れば問題は解決できます。

逆に考えるとグリップエンドを空けて握る場合は、ライ角を無視していることになります。

ただ、この短く握ることでフックやスライスの弊害が出ることはなく、逆に短く握って方向性が良くなることもあります。

またライ角調整は、ヘッドを万力に挟んで器具を使って歪める改造です。

金属は曲げた状態から戻る性質があるので、クラフトマンは長年の経験によって戻り具合を考慮して、多めに曲げることがあるようです。

調整角度が大きくなると亀裂が入ることもありますので、限度があるということ。

通常は1度程度、大きく曲げて2度ですがメッキにシワが寄ることは覚悟しなくてはなりません。

限界は4度と言われていますが、使用中に割れることもあるので、大きなズレはリシャフトで対応したほうが安心です。

クラブのライ角が合わない身長165センチの対応策は2つ

ライ角が合っていないと、フックやスライスが止まらなくなる可能性大です。

ただし基準と言われる身長170センチを多少下回る程度の165センチの場合には、そう神経質にならなくても問題はないと思います。

しかしながら輸入クラブは180センチを対象にしているので、ライ角調整をするかリシャフトして対応することをおすすめします。