アプローチ下手ゴルファーのための簡単に失敗をなくす打ち方

せっかくグリーン近くに来たのに、アプローチがトップ、ダフリ、チョロ、ザックリでは、本当にガッカリしてしまいますよね。

フルショットは打てるのに、いざ距離を調整しようとするとどう打って良いか分からなくなるものです。

「振り幅で調整すれば良い」と言われても、それができない。

そんなゴルフになると、スコアは望めなくなってしまいます。

ここでは、なぜボールを飛ばさなくて良いのにそれができないのか、そんな人はどんな打ち方をすれば良いのか述べていきます。

なぜ調整を振り幅でアプローチするゴルフが難しいのか

「アプローチはフルショットの振り幅を小さくて打つ」そういった打ち方は一見シンプルで理屈としては簡単なのですが、実は相当な熟練が必要です。

50ヤードのアプローチの場合、ピッチングでフルショット100ヤードを打つゴルファーなら半分です。

それに合わせてあらゆるところが半分とするなら、二の腕の振り幅、肘の角度やコッキングの角度全てが半分なのでしょうか。

それはどこまで上げれば良いのでしょう。

しかしながら例えクラブヘッドの移動距離が半分だとしても、距離が半分になるとは限らないのがゴルフの難しいところです。

なぜなら振り始めとインパクトゾーンではヘッドスピードが違うからです。

したがって熟練していないと距離と振り幅とのミスマッチが起こります。

それだけなら大きなミスにはならないかもしれませんが、思わずインパクトを緩めたり逆に力を入れたりしてしまいます。

そうなればダフリやトップ等、あらゆるミスが出てしまうのです。

アプローチをウェッジで打つゴルフが難しいわけ

ゴルフボールの最下点と赤道を結んだ線は、地面に対して45度です。

そのためロフト角が45度のクラブをレベルブローで打つ場合、リーディングエッジがボールの赤道から下半分の間に入れば、フェース面にボールが当たってくれます。

それは最下点と赤道を結んだ線よりボールの円弧が外側にあるからです。

ではロフト角が60度になると、ボールがフェースに当たるのは、ボールの最下点から地面との30度(90-60=30)の直線とボールの円弧との交点との間で狭くなります。

さらにそのクラブのソールにバンスがついていると、リーディングエッジはぴったり地面につかずにバンスの分浮くことになりますから、その浮いた分フェースに当たる範囲が狭くなります。

仮にバンスがなくてもフェースを開いたりするとソール面がバンスの役割をするので、リーディングエッジが浮いてきます。

また、アプローチでやりがちなボールをしゃくり上げようとして、スイング軌道の最下点がボールの手前になるような打ち方をすると、ほとんどボールがフェースに当たる範囲がなくなるためミスしか出ません。

アプローチでパターのような打ち方はできる?

「パターの打ち方のようにアプローチをする」と良く言いますが、実はパターとそれ以外のゴルフクラブは構造の違いで、同じような打ち方をできないようになっています。

第一にパターはシャフトのグリップ側の延長線上と、両肘の位置がほぼ一致するように設計されていますが、その他のクラブはシャフトの延長線より肘が高くなるように設計されています。

第二にパターのシャフトのヘッド側の延長線はほぼフェースの中心に重なるようになっている場合が多いですが、他のクラブはそのようになっていません。

ルール上そのようなクラブを作ることはできまいのが理由です。

こうしたことからパター以外のクラブは自然にバックスイングでフェースが開き、意識しなくても勝手にコッキングされタメができます。

そしてダウンスイングでフェースを閉じていく、腕を返していくことで、ヘッドスピードが上がるように設計されているということです。

ゴルフは振り子のような打ち方はできる?

「ゴルフは振り子の原理を活かした打ち方をする」と良く言われます。

ただそのアドバイスはザックリしていて良く分かりません。

確かに振り子の原理から言えば、振り幅に関わらず一定時間に振れる回数は同じなので、最下点を通り過ぎるスピードは振り幅が大きいほど速いことになります。

再現性も高く方向性も正確です。

それでは、例えば首筋を支点として本当に振り子を垂らすとしたら、ボールは両足の間くらいに置かなくてはならなくなります。

しかしながらこれではボールを打つことはできません。

なぜならゴルフクラブにはライ角があり、「力を抜け」と言われてもこのライ角を保つ力まで抜いてしまっては打てないからです。

更に、アプローチであれ体が回転するのであれば、バックスイングは体の右側に手を上げます(右腕のラジオ体操の深呼吸のときの動き)が、フォローでは体の正面方向に上げます(桶の水を背中にかけるような動き)。

つまり、オーケストラの指揮者のように方向が横から縦に変わりながら振っているのです。

アプローチが苦手なゴルファーの打ち方

ドライバーショットのような飛ばすためのスイングは、体のどこかを動かさないように我慢する所はありません。

一方パターの一般的なアドバイスは、「下半身も腕も一切動かさずに、肩だけでストロークする」です。

つまり、正確さを要求されるショットほど体の動く所を最小限にすることが求められます。

前述した通り、確かにアプローチでも体を回転させるべきというアドバイスがあり、そうしているプロゴルファーもいるでしょう。

しかし苦手克服ということでしたら、体の回転や体重移動のないアプローチの打ち方をすることをおすすめします。

前述の通りパター以外のクラブはシャフトと肘との高さに差があるので、アドレスで少しコッキングした状態になっているため、その角度も維持しなくてはなりません。

コッキングの角度を維持するには、シャフトプレーンが平らではなく、横にした円錐の側面をなぞるようなイメージ(例えばバケツを横向きにして、上の輪がフェースの軌道で底の輪がグリップの軌道になるようなイメージ)を意識して振ります。

この打ち方をするだけで苦手なアプローチを克服

これまで述べてきた問題点は、あることを意識した打ち方をするだけで、かなり解決します。

それは、手首のローリングを反対にすることです。

普通のショットは、バックスイングではゴルフクラブの構造で自然に右手の手のひらが少し上を向き、フォローでは下を向きます。

それを、バックスイングでは左手の甲が下を向き、フォローでは右手の手のひらが上を向くようにスイングするのです。

これをすると、ボールに当たる段階ではロフトが立ったクラブでアプローチするようなフェースの入り方をして、ボールがフェースから離れる際には、しっかりクラブのロフトになるので、簡単にボールに当てられスピンもかかります。

腰を回転させなければ、左腕がロックされ、腰辺りより上がらないようにできます。

またいくら腕を90度に抑えても、コッキングが90度ならシャフトは180度になりますが、先ほどの方法ならコッキングもある程度抑えられ、左腕との一体感が出ます。

したがって、これにより3時9時のスイングが簡単にできるようになります。

また、良く言われる「右手でゴミを下手で放ってゴミ箱に入れる」ような距離感の出し方ができるようになります。

ウェッジは飛ばさない道具ではない?

ゴルフクラブはパター以外、アイアンであれウェッジであれ、フルショットしたときに適正な距離が打てるように作られています。

それを振っても距離が出ないような、ちょっとした工夫をすることでゴルフの腕前は上がります。

今回アプローチ下手なゴルファーのうまくいかない理由をまとめましたが、上手くなるための方法も合わせてまとめましたので、試してみてください。