ゴルフでは、ドライバーの飛距離がゲームの優位性に大きく影響します。
ドライバーの平均飛距離が250ヤード飛ぶゴルファーと180ヤードしか飛ばないゴルファーでは、コースの攻め方の難易度が大きく変わることは、ゴルフをされたことがある方には容易に想像できると思います。
そこで今回は、アマチュアゴルファーのドライバーのヘッドスピードの平均、ヘッドスピードが上がると飛距離はどのくらい伸びるのか、またヘッドスピードを上げるのに効果的な練習方法についてまとめます。
ドライバーのヘッドスピードの測り方
ゴルファーの中で、自分のドライバーのヘッドスピードを正確に把握している人は案外少ないのではないでしょうか。
そういうのも、ヘッドスピードは計測器や計測方法によってかなりの差があるものだからです。
最近のゴルフ練習場の中には、クラブ毎に自分のヘッドスピード、飛距離、ミート率を測定できる機器が設置されているところがあります。
また、ゴルフショップでドライバー等の試打をすれば、ヘッドスピードを含む様々なデータを計測してくれます。
これらの機器で計測されたヘッドスピードは、本来のスピードより甘い(上振れ)と言われているのをご存知でしょうか。
他にはゴルフショップで販売されている専用の計測器を購入すれば、計測器が設置されていない練習場でも簡単に自分のヘッドスピードが計測できます。
現在販売されているものはどれも、正確なデータが出ると言われていますが、極まれに異常値(ヘッドスピード50超え)が出る場合があります。
プロが利用しているトラックマンで計測できれば、最も正確なドライバーのヘッドスピードの計測が可能ですが、非常に高価で200万円以上するので、とても手に入る代物ではありません。
簡易にドライバーのヘッドスピードを計測できる機器は、ある程度の誤差が発生すると理解した上で、同じ機器で継続的にヘッドスピードを計測してその平均や変化を記録していくことが大切です。
ドライバーのヘッドスピードの平均は?プロ、男女でどのくらい差がある?
では、アマチュアゴルファーのドライバーのヘッドスピードの平均はどのくらいなのでしょうか。
一般的に、男性が38~43m/s、女性が33~35m/sと言われています。
男子プロの平均は48m/s以上、女子プロは41m/s以上とのデータがありますが、平均飛距離が300ヤードを超える松山英樹プロのドライバーのヘッドスピードは、50m/sを超えていますし、PGAツアーで活躍しているタイガーウッズ、ローリーマキロイ、バッバワトソンなどは、54~55m/sほどもあるようです。
ドラコン競技で活躍しているプロの中には、ドライバーのヘッドスピードが60m/sを超えるのも珍しいことではありません。
ヘッドスピードが速ければ速いほど飛ぶことは何となく理解できると思いますが、アマチュアゴルファーの中にはヘッドスピードは速いのに、飛距離はそれほど出ていない場合があります。
しかしプロの場合はヘッドスピードが速い場合アマチュアのようなことはなく、ヘッドスピードと飛距離は正の相関関係にあるようです。
それでは、ドライバーのヘッドスピードと飛距離は実際はどのような関係にあるのか、プロとアマの平均飛距離について次に見ていきましょう。
ドライバーのヘッドスピードと平均飛距離の関係は?
ドライバーの飛距離は、一般的にヘッドスピード×5.55ヤードで求められると言われています。
この式は、ヘッドスピードを1m/s上げると約5.55ヤード飛距離が伸びることを示しており、ヘッドスピードと飛距離が正の相関関係にあることが分かります。
この数式に当てはめると、アマチュアゴルファーの男性の平均飛距離が210ヤードから240ヤード、女性が180ヤードから195ヤードということになります。
プロの男子の平均飛距離が270ヤード以上、女子が230ヤード以上で、ドラコン競技のプロの場合は360ヤード以上飛んでいることになります。
ヘッドスピードが上がればボールの初速が上がり飛距離が伸びるのですが、ボールの初速が上がってもミート率が悪くて初速が上がらなかったり、打ち出し角、スピン量が適切でないと飛距離アップは望めません。
ヘッドスピードが速い割りに飛距離が出ないゴルファーは、ミート率やスピン量をチェックしてみることも重要です。
但しヘッドスピードを上げられれば飛距離が伸びる可能性が高くなりますので、次にヘッドスピードを上げるのに効果的な練習方法を紹介します。
道具を使う、変えることでドライバーの平均ヘッドスピードを上げる
ドライバーのヘッドスピードを効果的に上げる方法をいくつか紹介しますので、気になった練習方法があれば試してみてください。
練習前後で、ドライバーのヘッドスピードの平均値の推移を記録することも忘れないようにしてください。
(1)重いものと軽いものを使って素振りをする
素振りはゴルフを上達するためには非常に重要な練習ですが、ヘッドスピードを上げるための素振りには、アイアンのクラブ2~3本と軽いスティックを用意します。
まず、用意したアイアンを一緒に持って全力でスイングしてください。
アイアン3本ですと相当な重さになるため、手で上げにくいことから自然に体で持ち上げながらクラブを振ることができるようになります。
この練習では、全力で振ることが重要です。
次にスティックを振ります。
スティックを振る目的は、スピード感を体感することにあります。
また、どうすれば最も速く振れるかを考えながら振りましょう。
(2)クラブを長尺にする、またはシャフトを軽くする
今使用しているドライバーの長さが44インチ程度であれば、45インチ以上にすることでヘットスピードが上がり飛距離が伸びます。
ドライバーの場合、理論上1インチ長くなれば1m/sヘッドアップがスピードするため、飛距離も約5~7ヤード伸びると言われています。
ただしクラブは長くなるとヘッドの遠心力も大きくなるので、それに負けずに振れるだけのパワーが必要となりますから、長ければ飛距離が必ず伸びるということにはなりません。
ルール上48インチまでクラブは長くすることが可能ですが、自分に合った長さをゴルフ販売店等でチェックしてから変えるのが無難です。
また、シャフトの重さを軽くするだけでもドライバーのヘッドスピードを上げることができます。
体の使い方を見直せば平均ヘッドスピードは上がる
(3)手首を使う
手首を使ってヘッドスピードを上げるには、手首のコックを利用してテコの原理を使う必要があります。
スイング始動後、右膝前を手が通過する頃に右手首を甲側に折り、そのままトップ、インパクト直前まで右手首の角度をキープします。
インパクト直前、右脚前で右手のコックを解放します。
そうすることでクラブヘッドが自然に走り、シャフトがしなり強いインパクトを生み出します。
(4)下半身を利用する
プロゴルファーの中には、それほど体格が恵まれていないのにドライバーの飛距離の平均が300ヤードを超えるゴルファーが少なくありません。
彼らの動きを見ていると、共通点があることが分かります。
それは左脚の動きです。
インパクト直前に左膝がピーンと伸びています。
これは地面反力、つまり地面を強く踏みんだときの反動を利用して、ヘッドスピードを上げているのです。
地面反力を利用するスイングは、練習をしないとタイミングが合わず飛距離をロスする可能性が少なくありませんが、ヘッドスピードを上げるのに非常に効果的ですので、一度練習場で試してみてはいかがでしょうか。
ドライバーの年齢別の平均飛距離は?
ドライバーの年齢別の平均飛距離というと30代のゴルファーが40代よりも飛ぶと思うかもしれませんが、あるデータによると30代以下約236.7ヤード、40代243.8ヤードと、実際は40代の方が平均飛距離は上回っています。
このことは、ゴルフの飛距離は単純にクラブを速く振れるパワーだけではなく、ミート率を高めるなどのテクニックも必要だということを表していると考えられます。
ミート率とは、ヘッドスピードをどれだけ効率的にボール初速に伝えられたかを測るもので、その効率の良さを数値化したものです。
『ボール初速÷ヘッドスピード』で求めることができます。
ミート率を高めるためには、クラブの芯でボールを捉える必要がありますが、いきなり最も長いクラブであるドライバーで練習するのは効果的ではありません。
まずはショートアイアンで練習することをおすすめしますが、練習場のマットはダフっても、マットの上でヘッドが滑ることでナイスショットが出てしまいます。
そのため、ティーアップしたボールをショートアイアンで打つ練習方法をおすすめします。
ティーアップさせることで、ボールをクリーンに捉えないとボールは飛びませんし、ダフるとティーを打つ感触が伝わるため、ミスショットならすぐに気づきます。
ショートアイアンのハーフショットから始め、フルスイング、次にミドルアイアンと順に長いクラブで練習し、最後にドライバーで練習するようにしましょう。
ドライバーのヘッドスピードの測定方法、平均や最大ヘッドスピードを上げる方法
今回はドライバーのヘッドスピードの測定方法やアマチュア、プロのヘッドスピードの平均、ヘッドスピードを上げるための練習方法についてまとめました。
ドライバーのヘッドスピードは、ゴルフ練習場やゴルフショップの試打時に計測するか、市販されている測定器を購入し計測するのが一般的です。
平均飛距離アップは間違いなくゴルフレベルを一段上へと引き上げます。
ドライバーのヘッドスピードが上がると飛距離は伸びますので、重いものと軽いものを併用した素振りやコックを利用したスイングを練習してみてください。
1m/sでも十分すぎる変化です。