ドライバーやスプーンで距離を稼ぐショットは、絶対的に男性のほうが有利です。
しかしながら、アイアンでの距離を合わせるショットは正確性が命です。
飛距離を稼げないレディースゴルファーにとってアイアンの飛距離は生命線とも言えます。
いますぐ番手によるアイアンの飛距離を自分のものにし、スコアアップを目指しましょう。
ドライバーからアイアンまでレディースの飛距離の確認
まずは、番手による一般的な飛距離を確認してみましょう。
ドライバーからサンドウェッジまでの番手で、男女別にあまり飛ばない人、平均的な人 、良く飛ぶ人の数字です。
クラブ
男性(飛ばない人-平均的な人-良く飛ぶ人)
女性(飛ばない人-平均的な人-良く飛ぶ人)
以下は上記の数値を並べています。
・ドライバー
200-230-260
150-175-200
・3番ウッド
180-215-235
125-150-180
・5番ウッド
170-195-210
105-135-170
・3番アイアン
160-180-200
100-125-160
・4番アイアン
150-170-185
90-120-150
・5番アイアン
140-160-170
80-110-140
・6番アイアン
130-150-160
70-100-130
・7番アイアン
120-140-150
65-90-120
・8番アイアン
110-130-140
60-80-110
・9番アイアン
95-115-130
55-70-95
・ピッチングウェッジ
80-105-120
50-60-80
・サンドウェッジ
60-80-100
40-50-60
パッと見ただけでも、どのクラブでもレディースの飛距離が落ちることが明確です。
ここに載せた数字は参考程度にしかなりませんが、自分のスイングがどのくらいの飛距離を出せるスイングなのかを確認することはできます。
例えばドライバーで175ヤード打てるのであれば、7番アイアンで90ヤード打てるスイングができるということです。
この表示はキャリーになるので、その点を十分に頭に入れておいてください。
キャリーとは打ち出しからボールが落下するまでの距離で、落ちてから転がった距離は条件によって変わるため含みません。
アイアンの飛距離が出ないのはすくい打ちが原因かも
では一般的なレディースゴルファーで見ていきましょう。
ドライバーで175ヤードを打てるのに、7番アイアンで90ヤードをショートしてしまう場合は、何かしらの原因があると思われます。
そうした多くのゴルファーに見られることのは、アイアンは球を上げるイメージが強く、「すくい打ち」になっているケースです。
すくい打ちになると、本来のクラブのロフトよりも寝てインパクトを迎えるので、打ち出し角度が大きくなってしまい、ボールは高く上がるけれどその分飛距離が出ないということになります。
「7番で打っても9番で打ってもあまり距離が変わらない」という人は、もう一度スイングのインパクト時のフェースを確認すると良いでしょう。
具体的にすくい打ちを直すには、ハンドファーストと呼ばれる「クラブヘッドよりも手のほうがターゲット寄りにある状態」をアドレス時にしっかりと作り、インパクトを迎えられるようにすることです。
ショートアイアンは大きなスイングも必要ないので、アドレス時に作ったハンドファーストの形を保ちつつスイングできるゴルファーも多いと思いますが、9番、8番、7番と番手が上がっていくにつれコントロールができなくなり、ハンドファーストの形が崩れた状態でボールに当てにいくような動きになり、すくい打ちになっていると考えられます。
アイアンのスイング軌道はドライバーに比べて縦の意識で
ドライバーは平均的な飛距離が出ているのに、アイアンの距離がショートする原因は他にもあります。
ゴルフスイングにおいて、バックスイングも非常に重要な要素です。
バックスイングが上手く上がると、ダウンスイングもスムーズに行き、スイング全体がまとまるからです。
ドライバーとアイアンではシャフトの長さが違いますので、バックスイングするときの角度が変わってきます。
長いドライバーはアイアンに比べて多少横振りの感覚になるのが普通です。
現実的にはそれほど角度の差はないとしても、上げる感覚はやはり違います。
そのためアイアンは縦振りの意識を持ってテイクバックすることが大切です。
レディースゴルファーは身長が低い人も多いので、クラブの長さの違いがスイング軌道に大きく影響します。
スイング動画などが撮れれば、客観的に自分のスイング角度を見ることも大切です。
ドライバーと同じ感覚で横に上げているとフェースが開き、スライスが起きて距離を落とすと同時に大きなミスにもつながりかねません。
ここで、正しいトップの位置を身につけるために左手1本でのバックスイングを練習してみましょう。
トップの位置で、次のことを確認してください。
・左腕がまっすぐ伸びている
・左手の親指にグリップの圧を感じる
・片手1本でクラブを支えられている
ダウンスイングの際、手で合わせに行っていないか?
次はダウンスイングです。
トップからクラブを振り切るまでの基本動作を見ていきましょう。
アイアンは重いので、特にレディースゴルファーはクラブの重さをしっかり利用しましょう。
素振りでは良いスイングをしている人も、いざボールを打つとなると余計な動きが入ってしまって飛距離も落ち、ミスショットをしてしまうことがあります。
ダウンスイングでボールに当てにいく意識が強まると、自然なスイングができなくなります。
スイング軌道の途中でインパクトが勝手に起こるくらいの気持ちでスイングしてください。
そのためには、正しいダウンスイングの形とフォローの形を体に覚えこませ、しっかりとフォローの姿勢を取ることができれば、その途中でインパクトを迎えたボールはナイスショットにつながります。
ダウンスイングのきっかけになるのは、左足への体重移動です。
左足を踏み込むことで、今まで右足にかかっていた体重が一気に左へ移動します。
それをきっかけにクラブが下りてきます。
決して腕でクラブを持ってくるわけではありません。
その際に注意しておきたいのは、常にクラブが体の中心にあるという状態です。
腕でクラブを持ってくると、手首がほどけハンドファーストが崩れてしまい、結果的に手打ちになったりひっかけたりするミスにつながります。
それを防ぐには、正しいフォローの姿勢を覚えることです。
正しいフォローの形を体に覚えこませるために、以下のことを確認しましょう。
・クラブが体の正面にある
・両手が伸びている
・頭がターゲット方向に傾いていない
・左足で体重をしっかり支えている
レディースゴルファーはアイアンで何を重視するのか
ここまではアイアンの飛距離が出ない原因を探ってみました。
しかしレディースのアイアンの最重要ポイントは、ミドルアイアンからアプローチにおける飛距離の精度でしょう。
ロングアイアンを打ちこなす女性も中にはいるとは思いますが、なかなかそのレベルに到達することはできません。
今はユーティリティも多く番手がありますから、ロングアイアンを入れない人も多いはずです。
またレディースティーからのスタートでも、ミドルホールで確実に2オンできる人は限られます。
そのためサードショットで100ヤード以内のアイアンをいかに正確に打てるかという点で、パワーではどうしても男性に劣る女性には一番武器にしたい部分であり、練習しなければいけないところです。
ところで残り100ヤードの場合、どのクラブで打ちますか。
平均的な男性なら、ピッチングウェッジでコントロールショットでしょうか。
対して平均的な女性だとランを考えて7番か8番でフルショットというところでしょう。
では、もし7番アイアンの飛距離が思うように出なかったら、どうしますか?
次項で具体的に考えてみましょう。
飛距離と方向性の精度を上げるのがレディースの攻め方
「ちゃんと当たればラン入れて100ヤードくらいだけど、どうしよう」と思って7番を打とうとするなら、少し待ってください。
一か八かの7番のフルショットで100ヤードを無理に打つより、3/4スイングで確実に80ヤード打てるなら、100ヤードにこだわる必要はないからです。
アイアンは遠くに飛ばすというよりも正確に狙うクラブなので、もちろん残り100ヤードをきっちり7番で打てるに越したことはありませんが、例え80ヤードでも正確にピン方向に狙えるのであれば、その距離を7番の距離として武器にすれば良いのです。
フルショットで方向が狂いバンカーに入るのと、80ヤードを狙った方向に運び残り20ヤードの花道からのアプローチが残るのとでは、その後のゴルフが全く違います。
アイアンの飛距離は、自分が8割の確率で打てる距離を自分の距離として把握し、コース上でもそのショットが打てることが重要です。
飛距離で男性の上を行くのは難しいですが、正確さで勝ることは可能です。
それこそが、レディースのゴルフの強みです。
次第にスイングが安定してきたら、フルショットで本来のクラブの距離が打てるようになり、またコースマネジメントの幅が広がるでしょう。
今のスイングで確実に打てる距離を武器にしよう!
平均的なレディースゴルファーのクラブセッティングにおいて、ショートコース以外、ティーショット、セカンドショットはほぼウッドとユーティリティで打つことになります。
それがサードショットともなれば間違いなくアイアンの距離です。
アイアンで打つ場合、一番重要視しなければならないのは、グリーン上またはグリーン周りで次のショットが打ちやすい場所に止めること。
そのためには無理なスイングではなく、確実に振れるスイングの飛距離を把握しておきその距離を打つことが大切です。
フルスイングに不安なまま「ちゃんと当たれば」の距離で考えてはいけません。
ゴルフはミスをどれだけ減らせるかのスポーツです。
アベレージゴルファーなら尚のこと、謙虚さを持ってラウンドに臨みたいものです。