アイアンの上達への近道は、自分に合ったクラブに早く出会うことです。
それはどのスポーツにも言えるのかもしれません。
自分に合ったものを使うことで効率良くスキルを身につけることができます。
今回は、アイアンの選び方において重要なシャフトの話です。
シャフトの選び方が重要な理由
ゴルフクラブの場合、クラブヘッドの性能に目が行きがちです。
反発力や許容性などクラブヘッドの性能はショットにおいて大切だからです。
ただしどんなに性能の良いアイアンでも、シャフトの選び方を間違えると逆効果になることがあります。
なぜシャフト選びが重要なのか簡単に説明します。
ゴルフは全身を使い、そのエネルギーをクラブへ伝えボールを打つスポーツです。
生み出したエネルギーの到達点は、クラブヘッドになります。
そんな全身で作り出されたエネルギーをクラブヘッドへ伝える架け橋がシャフトだと言えます。
またエネルギーは正しい方向、タイミングで伝えることが重要です。
ゴルフクラブの場合、シャフトがその役割を担うのですが、もしその役割を正しく果たせないとしたらどうでしょうか。
どんなにスイングが良くても、正しく伝わらなければ良いショットは打てません。
それだけ、シャフト選択が重要だといういうことです。
ゴルフスイングは基本があるとは言え、人によってパワーも違えば、身長、体重、スイングリズムも十人十色です。
そのため、数多くのシャフトが世の中には出回っています。
シャフトの選び方に必要な知識
まずは、自分に合ったシャフトの選び方に必要なことを知っておきましょう。
以下のポイントは、必ず理解できるようにしておくことがとても大切です。
・ヘッドスピード
シャフトを選ぶ上で、ヘッドスピードは欠かせない基準になります。
自分のヘッドスピードを事前に測っておきましょう。
・シャフト素材
アイアンのシャフトは、カーボンシャフトとスチールシャフトの2種類があります。
カーボンシャフトは軽く、カーボンの素材を生かした反発力があります。
対してスチールシャフトは、重く硬いのが特徴です。
プロゴルファーの多くは、スチールシャフトのアイアンを使っています。
・フレックス
フレックスは、シャフトのしなり具合を表しています。
ヘッドスピードが速いゴルファーは硬く、遅いゴルファーは柔らかくするのが一般的です。
このフレックスのみで、シャフトを選んでしまう人が多いです。
・トルク
トルクとはシャフトのねじれを数値で表しています。
シャフトはしなるときに、クラブヘッドの重さからねじれを起こします。
そのねじれは、フェースターンに影響してきます。
・バランス
バランスは、アルファベットと数字を用いて表します。
このバランスによって、クラブヘッドの重みの感じ方が変わってきます。
・キックポイント
キックポイントは調子と呼ばれ、シャフトのどの部分がしなるのかを表しています。
先端、中間、手元に応じて、しなりやすさ、ヘッドの返りやすさに影響します。
一般的に先端のほうがクラブヘッドが返りやすく、初心者に向いていると言われます。
シャフトの種類が多い理由
アイアンのシャフトの種類は想像以上に数多くあります。
スイングは十人十色というのもシャフトが多い理由ですが、そのほかにも理由があります。
シャフトの選び方を間違えないためにも、なぜ種類が多いのか知っておく必要があるでしょう。
・アマチュアに合わせたセッティング
市販されているクラブの大半は、契約プロ選手用に開発を進め、そこから一般向けにカスタマイズしていきます。
一定以上のレベルにあるプロゴルファーでさえ人によって細かなこだわりがあり、同じアイアンでも番手によってシャフトを変更するくらいです。
これをアマチュアに合わせた形にするとなると、不特定多数のレベルに適合するようにバランスをとって作る必要があります。
・アイアン毎にシャフトを開発
シャフトは、カーボンシャフトとスチールシャフトの2種類があるとお伝えしました。
特にカーボンシャフトは、カーボンの厚みや編み方を変えることで設計自由度は高いです。
アイアンを発売する際、多くのモデルはカーボンシャフトとスチールシャフトを最低1種類ずつは標準として用意しています。
標準といってもアイアンに合わせて、トルク、キックポイント、バランス、長さを厳密に計算し共同開発されています。
このように、アイアンの特性に合わせたシャフトが作られるため、シャフトの種類が増えていくのです。
アイアンは自分に合ったシャフトで飛距離がアップする
シャフトの選び方を正しく行えば、アイアンの飛距離はアップします。
特にヘッドスピードが十分でないゴルファーは、シャフト選びの際のひとつの知識として知っていてください。
ゴルフクラブは、クラブが長くなるほどヘッドスピードが必要になってきます。
ドライバーのシャフトがカーボンシャフトであるのはそのためとも言えます。
アイアンの場合、一般的にはセットで購入するものです。
6I~PWくらいのショート、ミドルアイアンであればあまり問題ありませんが、ロングアイアンになると自分にシャフトが合わないケースが出てきます。
4Iや5Iになると、ボールが上がらない、飛距離が6Iなど下の番手と変わらないゴルファーは注意が必要です。
アイアンの場合、ロフト角とシャフトの長さを変えることで飛距離を変えています。
それがロングアイアンの場合、ヘッドスピードが足りなければ放物線が理想に届かずその飛距離は実現できません。
一部プロゴルファーでもいますが、ロングアイアンのみカーボンシャフトに変更するなどしています。
つまりアイアンの番手通りの飛距離を得るためには、自分に合ったシャフト選択をすることが重要だということです。
自分に合ったアイアンの選び方
知識を蓄えたら、インターネットやカタログをチェックすることも良いですが、実際にアイアンを手に取るためにゴルフショップへ行きましょう。
最近では、フィッティングサービスを各ショップで行っています。
ヘッドスピード、ミート率、ボール初速、スピン量など客観的なデータから、その人に合ったクラブ、シャフト、グリップの選び方を正しい方向に導いてくれます。
お伝えしたように、スイングができる前は標準の『アイアン〇本セット』などでも良いでしょう。
しかしそれぶ打ち慣れてスイングが固まってきたら、実際に自分に合ったアイアンを選ぶことをおすすめします。
そのほうがスイングの安定、さらに効率的な技術アップにつながるからです。
アイアンの選び方に迷ったら
フィッティングをした上で、やはり本当に良いかどうか分からない、迷ってしまうことはあるのは当然です。
そんなときは自分の感覚を大切にしてください。
構えたときのクラブフェースの見え方やスイングしたときの振り抜きやすさなどです。
どんなにクラブヘッドやシャフトのフレックス、バランスなど定量的なデータを元にした選び方をしても最後は自分の感覚を疎かにすることはできません。
気持ち良くアイアンを振ることができなければ、良いスイングはできないからです。
実際、プロゴルファーも最終的に選ぶときに素直な感覚を大切にしていることが多いようです。
ただしその感覚はあくまでデータから導き出されたものの中から選択するために使ってください。
データを完全に無視してしまっては意味がありません。
上達するならシャフト選びは慎重に
アイアンを選ぶにあたって重要なことは、知識を身につけることではありません。
身につけた知識をベースに考え、実際にスイングしたときどのように体が感じるかが重要です。
知識はあくまでもその選択が正しいかを裏付けたり、納得したりするための材料です。
是非、自分に合ったアイアンに出会えるようにいろいろ試してみてください。