最近は、種類が豊富になったウェッジですが、やはりそれでも合う合わないはあります。
プロゴルファーのクラブセッティングを調べてみると、バンスやソールを削る人もいることに気づきます
プロはもちろん選任のクラフトマンに任せているのでしょうが、私たちアマチュアは自分でウェッジのバンスやソールを削ることはできるのでしょうか。
ウェッジのバンスの役割
ショートゲームで使用頻度が高いウェッジですが、非常に奥が深いクラブです。
実際、ショートゲームでスコアを左右するケースが多いため、詳しく知っておきたいところです。
ウェッジは、アプローチ、バンカーなど使う場面はいろいろあります。
そのウェッジを最大限活かすには、バンスについて詳しく知る必要があります。
まずはバンスの役割を説明します。
・バンス
バンスは、簡単に言うとソール面の後ろ側のでっぱりをイメージしてください
シャフトを垂直にしたとき、リーディングエッジから水平線を引きます。
その下に出ているでっぱり部分がバンスです。
・バンス角
バンス角とは、リーディングエッジとトレーリングエッジまたはバンスの頂点を結んだ線とリーディングエッジからの水平線とでできる角度を指します。
ウェッジによって様々な角度があります。
バンス角が大きいものをハイバンス、小さいものをローバンスと言います。
・バンスの役割
役割を簡単に説明するとクラブの抜けを良くしてくれるということです。
もし、バンス角が鋭角(バンスがない状態)だった場合、リーディングエッジは鋭く尖り、地面に刺さりやすくなります。
バンスがあることによって、地面を弾き、抜けを良くしてくれているのです。
バンスはそれぞれのスイングに合わせて選ぶ必要があり、削ることで自分に合わせるケースもあります。
ウェッジのバンス角
ウェッジのバンスについて基礎を押さえたところで、バンス角をもう少し掘り下げます。
バンス角によって、ハイバンスとローバンスがあるとお伝えしましたが、違いは何があるのでしょうか。
まずハイバンスとは、バンス角が12~14度程度と比較的大きいものを言います。
ハイバンスになると、地面を弾く際の抵抗が大きくなります。
そのため、ダフリになってもクラブの抜けが良くミスの許容性があります。
初心者や鋭角にボールを叩く気に行く人、ハンドファーストが強い人に向いています。
対してローバンスとは、バンス角が6~8度くらいのものを言います。
ハイバンスとは違いボールと接地面の間に綺麗に入れていくテクニックが必要です。
その一方、柔らかいアプローチが可能になるため使いこなせると非常に便利です。
一般的には、上級者に向いていると言われますが、ハンドレイト気味にインパクトするスイングの人にも向いています。
これらを知ると、ハイバンスだと柔らかいアプローチができない、バンスが跳ねすぎてしまうと思うかもしれません。
最近はハイバンスでもソールの前後左右を適度に削ることでより抜けを良くして、柔らかいアプローチができるようにクラブも進化しています。
ウェッジのバンスを削るメリット
ウェッジのバンス角は人それぞれのスイングによって相性があります。
そのため、プロゴルファーをはじめとして、一部のアマチュアでもバンスやソールを削る人が増えています。
そこで削るメリットについて、考えてみましょう。
・自分好みのバンスやソールに仕上げられる
ウェッジはまずロフト角を選びますが、その他フェース面の溝形状、フェースサイズなど好みが分かれます。
ロフト角ごとにソール形状を選べるメーカーは比較的増えましたが、バンス角を選べるメーカーは少ないです。
そのため、フェースが気に入っていても、欲しいバンス角、ソール形状がない場合は、削って好みに合わせるしかありません。
・愛着が湧いて長く使える
プロゴルファーでもそうですが、意外にウェッジは長い間同じものを使う人が多いです。
新しいものにしても、結局元々使っていたものに戻すことも良くあります。
特に削ったりして自分好みにしている場合は愛着が湧くようです。
また、ウェッジを使う場面は大事なショットが多く、長く信頼しているクラブを頼る傾向にあります。
・同じロフト角を入れてソール形状で使い分け
プロゴルファーでもいますが、同じロフト角のウェッジをクラブセッティングの中に入れる人がいます。
初心者は、同じロフト角だと意味ないのではと思うかもしれません。
しかし、ロフト角は同じでも抜け感だけを変えたい人は、ソール形状の異なるものを使っています。
バンスを削る前に自分のスイングをチェックする
ウェッジのバンスやソールを削ってカスタマイズするメリットを感じた人も多いと思います。
しかし、安易に削ることはおすすめしません。
ゴルフは、自分の思っているスイングと現実にはズレがあるからです。
本当に自分のスイングを知っている必要があります。
まずは、ウェッジを打つときのボールの位置です。
左側に置いたほうが打ちやすいのか、右側に置いたほうが良いのかで、バンス角の選び方も変わります。
次にハンドファーストに対する意識です。
ハンドファーストの意識が強い人はロフトを立ててインパクトするため、バンスを削るとダフリがひどくなることもあります。
ハンドファーストの意識とも重なりますが、ボールを叩くのか、払うのかでも大きく変わります。
話した通り、スイングタイプによってバンス角、ソール形状の適正には違いが出ます。
必ず削る前に自分のスイングを正確に把握し分析する必要があることを理解してください。
ウェッジのバンスやソールを削る際の注意点
ウェッジを削る際に、事前に自分のスイングをチェックすることをお伝えしました。
ここでは、削る際の注意点について話します。
まず、必ず分かっていてもらいたいのが、削ると元に戻せないということです。
どんなにお気に入りのウェッジでも、削って失敗しても元には戻せません。
失敗して、また新しいウェッジを買い替えられたら良いですが、もし売ってないモデルだったら、もしくは買い替えるお金がなかったらどうしましょう。
それだけ、バンスやソールを削るということはリスクを伴うのです。
だからこそ、理解しないまま削ると逆効果になります。
心配なら削らずに素直に今のままウェッジを使うほうが良いでしょう。
もしくは、同じウェッジを中古で安く探してそちらで試してみるのが良いかもしれません。
なぜ、これだけ削ることに対して慎重になるかと言うと、ウェッジは長く使うものだからです。
プロでも自分のイメージにあったものを何年も使い続けます。
それだけ、削るということはリスクを伴うということです。
ウェッジのバンス削りは専門家に任せる
これまで話してきた内容を踏まえ、バンスやソールを削りたいと思った人は、それだけ知識があったり、思いが強い人だと思います。
最近は、インターネットが普及しており、自分でウェッジを削る方法が出ています。
そちらを参考にチャレンジも良いですが、できれば専門家に任せましょう。
あくまでも、ウェッジはメーカーが精密に計算して設計し売っている商品です。
素人が安易にバンスやソールを削ることは、重心を変えてしまったり、ウェッジの特性を損なう可能性のほうが高いです。
その辺りも踏まえると、自分で削ることはやはりおすすめできません。
もし専門家に任せる余裕がない人は、やはりそのまま使う、もしくは自分に合ったウェッジに買い替えることをおすすめします。
現在、ウェッジのバリエーションが豊富なのは、タイトリストのボーケイシリーズやクリーブランドのRTXシリーズです。
ロフト角、バンス角、ソール形状が多くの選択肢から選べるので参考にしてみてください。
バンスを削る十分な知識と経験が必要
ウェッジを自分に合わせて削るということは、非常に奥が深く、難しいです。
まずは、ロフト角、バンス角で最も相性が良いものを探してください。
バンスを削ることは最低1年以上使い込んでから、その次に考えると良いでしょう。