パターの距離感が合わないのは振り幅が一定ではないから!

パターは方向性よりも距離感を使うほうが難しいとされています。

練習を重ねてヘッドをスクエアに出せれば方向性は安定しますが、距離感は「経験がものを言う」とも言われているほどです。

その距離感を養うために、振り幅を考慮したパッティング法を紹介します。

パターの距離感を養う練習は振り幅に注意が必要

パターを繰り返し練習していると、フェースの向きは一定になり、方向性は安定してきます。

いわゆるスクエアなインパクトをすることで、真っ直ぐに打ち出すことができるようになるわけです。

問題はカップまでの距離感です。

多くのゴルファーは「距離感は経験がものを言う」と、実践のプレーによって養われると言われますが、それを真に受けてしまうと、いつまで経ってもパターは上手くなりません。

やはり練習によって距離感を身につけていくのが正しい方法です。

ただグリーンの芝の上でパッティング練習ができる人は限られていますから、普通は自宅でパッティング練習用のパターマットを設置していることでしょう。

パターマットにはカーペットや人工芝のようなタイプがあります。

これらを使った練習は、グリーンの上を想定した転がりにはならないため、ラバーカップを置いて方向重視の練習をしているはずです。

しかしパターマットはもちろん、パンチカーペットでも振り幅に注意した練習をすれば距離感を養うことはできるものです。

距離感は3段階の振り幅を基準にする

ゴルフコースのグリーンは毎日転がり具合が違うので、実際にパターを打ってみないと距離感は合わせられません。

これが「距離感は経験がものを言う」の根拠なのですが、実際にはスタート前に練習グリーンを使えば、ほぼ転がり具合は分かります。

ボールを1個持って練習グリーンに入り、中心に向かって打ちましょう。

ボールが止まった箇所まで歩測して拾い上げて、打った位置の対角線に行ってまた中央に向かって打ち歩測します。

これを十字にやれば、前後左右からの転がり具合が分かりますので、あとは遠くの山や谷などを探して方位と一致させて終了です。

基本的に練習グリーンに傾斜はないことが多く、芝目だけで強弱がつきます。

四方向から転がすことで芝目が分かるので、あとは傾斜を見て距離感はイメージできてきます。

この四方向のテストパターは、同じ振り幅でパッティングをすることが大切です。

普段のパター練習のときから、3段階くらいの基準となる振り幅をつかんでおきましょう。

距離感を養うために振り幅を意識したパター練習

パターの距離感を養うために振り幅を意識した練習をしましょう。

仮にボールの位置をスタンスの中央に置いたとしたら、右足のつま先までは約20センチです。

まずはこの振り幅で、しっかりストロークができるようにします。

これが基本の振り幅で、ここからショートパットとミドルパットを打ち分けていくことになります。

次いでボールとつま先との中間点からパッティングを練習すると、約10センチの振り幅になるので、ショートパットを想定することができます。

短い振り幅こそフェース面がブレやすいため、しっかりストロークするように心がけてください。

3段階目の振り幅は、右足の外側からで約30センチです。

グリーンの速さにもよりますが、この振り幅を習得できればミドルパットは、ほぼカバーできるようになるはずです。

振り幅が大きくなって注意すべきは、フォロースルーをしっかりとることです。

ボールを中心にしてトップとフォロースルーが同じ幅になるようにすれば、カップの手前で止まるようなことはなくなります。

パターの距離感が悪いと振り幅と一致しない!

パターの距離感が悪いのは、振り幅と距離が一致していないからです。

カップを見て漠然と距離を想定するのではなく、歩測で距離を測って自分の振り幅と一致させることが大切です。

仮に1ホール目が自分の振り幅の距離感と合わなくても、2ホール目からは修正ができるので徐々に距離感は合ってきます。

修正方法は、3段階ある振り幅の基準に対してセンチ単位で振り幅を変えていくことです。

もちろん2ホール以降に同じ場面はないので、距離や傾斜や芝目は違っても、スタート前の練習グリーンの転がりを参考にして割り出していけるようになります。

言ってしまえば、これが「距離感は経験がものを言う」なのかもしれませんが、振り幅に裏打ちされた距離は、ラウンド中に基準と振り幅と距離感が一致するようになるはずです。

ここで芝目について触れておきます。

基本的には1枚のグリーンは同じ方向に芝目を作っているので、午後からだと葉先の向きが分かるようになってきます。

ただ午前中はグリーン刈りによってゼブラ模様が出ているので、少しだけ難しくなります。

グリーン上のパターの距離感は振り幅で調整する

グリーン刈りには2種あって、グリーンモアを押して刈る「手刈り」は、幅が狭く行きと戻りが逆目になって、遠くから見るとゼブラ模様に見えます。

芝を刈る刃の前で葉先を起こすブラシみたいなものが回転していて、「伸ばして刈る」ためこの時点では芝目はありません。

ところが刃で刈り取ったあとは、そのまま進行方向に目が流れてしまうので行きは順目になります。

行きの順目は太陽光が当たると白く光、戻りの逆目は深緑のように濃い緑に見えます。

時間が経つと本来の芝目に戻っていきますが、刈ったばかりの早いスタート時間はパターの振り幅を調整する必要があります。

2つめの刈り方は乗用グリーンモアを使って手刈り4台から5台分を1方向で刈っていきます。

この場合パッティングラインでは同一の芝目になることが多いので、距離感はつかみにくくなるのが手刈りとの違いです。

また常用モアにはサッチ取りがついているため、基本は芝目がパッティングに影響することはなくなるはずです。

気になるようであれば、グリーン周りのカラーの芝を見ると芝目はすぐに分かるでしょう。

パターの振り幅が一定ならラウンド中に距離感は合ってくる

地域によっては今も強い芝目のコースが残っていますが、現在のゴルフコースは芝目の影響を小さくして、傾斜によってグリーンの難易度を上げるのが主流になっています。

ゴルフコースには設計上のセオリーがあって、砲台グリーンのような例外を除いては、セカンド地点でグリーン面が見えるように作ります。

打ち下ろしでない限り、セカンド地点でグリーン面が見えるということは手前に傾斜しているということです。

この角度はグリーンに上がるときに、サイドから入るとすぐに分かります。

傾斜の角度にもよりますが、奥からのパッティングは速いので、見えている距離よりもカップを近くに想定して振り幅を決めなければなりません。

ただ上り下りは、振り幅で計算できる部分があるので、2~3ホール過ぎると距離感はつかめてくるはずです。

問題は横からのパッティングです。

強めに打ってカップの後ろから曲がるのはOKですが、カップの手まで曲がって入らないのは距離感が悪いのでなく、昔から「度胸がない」からと言われています。

横から打つときはカップの後ろから曲がるようにパターを打ちましょう。

振り幅と距離感はいずれ整合性が生まれてくる

パターの方向性は練習でつかむことができますが、距離感は振り幅を理解しないといつまで経っても合いません。

勘で距離を打ち出すのでなく、振り幅との整合性を確かめていけば、スタートホールでは合わなくても、数ホール後には思い通りの距離感になってきます。

勘に頼るのは今日までにして、自分の中の距離感を作っていきましょう。