ドライバーの飛距離を伸ばすためには、初速と打ち出し角と低スピンを考慮した打ち方が必要です。
そのためには練習を重ねることが大事ですが、事前にバックスピンを抑える方法を知ることが必要になります。
今回は低スピンのティーショットができる打ち方を紹介していきます。
ドライバーの打ち方は初速と打ち出し角と低スピンが重要
ドライバーの飛距離を伸ばすためには、初速の速さと適正な打ち出し角と低スピン量となる打ち方が必要です。
「飛びの三要素」と言われる初速と打ち出し角とスピン量ですが、理想とする数値はすでにあるので、それに近づけることで最大限の飛距離が可能になります。
初速を速くするためには、ヘッドスピードの速さとスイートスポットの命中率の高さが必要です。
ヘッドスピードは、スイングにコックのリリースや体重移動など技術を含めることで、加速させることができます。
このヘッドスピードの速さは、インパクトのときの衝撃力となり、ヘッドスピードが速いほど強い衝撃を与えることができ、そのパワーが飛距離へと繋がることになります。
ただし強い衝撃だけでは飛距離は限定されてしまいます。
ドライバーヘッドの芯と呼ばれる、スイートスポットでミートすることによって、反発力は高くなり初速が速くなるという仕組みです。
飛距離をアップするためには、ヘッドスピードの速さとスイートスポットの命中率は絶対の条件と言えます。
正しい打ち出し角がドライバーの低スピンの打ち方に繋がる
「飛びの三要素」の2つ目となるのが打ち出し角です。
飛び出したボールが最長距離を出すためには、理想的な放物線が必要です。
一般的に45度の角度で飛球すると、綺麗な放物線を描くように思われますが、ゴルフボールは空気抵抗を受けスピンをしながら飛ぶため、理想的な打ち出し角は14度と言われています。
つまりインパクトのとき、ドライバーのフェースの角度は14度でなければならないわけです。
ところがドライバーのフェースの角度であるロフト角は11度前後のものが多く、3度ほど足りないことになります。
この差を埋めるのが、高い位置にティーアップしてのアッパーブローの打ち方です。
ティーアップしたボールの手前にスイングの最下点を設定し、そこをヘッドが通過してフェース面が上を向いたときにボールをとらえるのがアッパーブローです。
本来であればバックスピンによって吹け上がり、飛距離に対するブレーキの役目を果たすはずだったものが、このアッパーブローのスイングによって、低スピンのインパクトができることになります。
ドライバーの飛距離を増す打ち方は低スピンを心がけること
「飛びの三要素」の3つ目となるのがスピン量の抑制です。
そもそもドライバーのフェースには斜度があります。
ボールの側面をインパクトすると、ボールはフェース面を下から転がるように上がります。
いわゆる擦れた状態になって、バックスピンが発生してしまうのです。
一般的なゴルファーのスピン量は1秒間に3500回転と言われていて、飛ばないと自覚できるゴルファーだと4000回転を超える場合もあります。
これを2500回転の低スピンまで減らせると、ブレーキの役目をしていた吹け上がりがなくなり、綺麗な放物線を描くことができます。
もちろんフェースの斜度であるロフト角自体を小さくすればスピン量を抑えることはできますが、今度は打ち出し角が足りなくなり失速してしまう可能性が高まります。
そこでフェース面を上に向けて打ち出すアッパーブローの打ち方ができれば、飛距離の三大要素の打ち出し角と低スピン量の問題は同時に解決できるわけです。
しかしながら実際にはアッパーブローのスイングだけで、スピン量を1000回転も落とすことは難しいかもしれません。
低スピンになるドライバーショットでは頭を残す?
ドライバーのロフト角は小さいものを使い、アッパーブローの角度を大きくすれば、低スピンの打ち方はできるはずです。
例えばロフト角7度のドライバーを使って、インパクトのブロー角度がプラス7度あれば、理想とする14度の打ち出し角になります。
ロフト角のないフェースでボールを下から打ち上げてスピン量を減らすことができますし、打ち出し角も十分に確保することができます。
ただ実際の7度のドライバーでボールを打つと、飛ばないことに気がつくはずです。
理論上はロフト角に合わせた打ち出し角でインパクトをしているので、低スピンとなって飛距離は伸びているはずです。
しかしながらアッパーブローの角度が大きくなると、ヘッドスピードが遅くなってしまうため初速が落ちてしまうのです。
そうしてインパクトの衝撃力が落ちれば、飛距離ダウンは想像がつくはずです。
そこでスイングの最下点以降も、ヘッドスピードが落ちないようにするために、「頭を残したスイング」をします。
ドライバーが低スピンになるのにこの打ち方をしない理由
正しくは「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」ですが、一般的にはビハインドザボールと呼ばれています。
ドライバーのテークバックで右足に軸を移して、ダウンスイングでは腰だけがスライドして、頭は右足の上に残します。
一見するとスエーをしているような感じですが、実際には右足を蹴って右腰を回しながら、左腰を突き上げるようなスイングをします。
文字で見ると良くないスイングフォームのように思えますが、全英女子オープンで優勝した渋野日向子プロも、このビハインドザボールの打ち方をしています。
もっとも渋野プロだけではなく、トーナメントで活躍しているプロゴルファーのほぼ全員が、このスイングスタイルなので、プロにとっては特別なフォームではありません。
ただアマチュアゴルファーが、ビハインドザボールでスイングしないのには、それなりの理由があります。
まず下半身の基礎体力が必要なこと、次に安定したスイング軌道が必要なこと、最後にコックをリリースするタイミングを掴んでいることが必要なのです。
つまり打ち方が上手くないと、ビハインドザボールで低スピンを打つことはできないわけです。
右手を伸ばすが低スピンになるドライバーの打ち方のポイント
ビハインドザボールのスイングは両腰に高低差が生まれることで、自然なアッパーブローのインパクトができるようになります。
しかもロフト角が小さくて難しいドライバーを使うことなく、正しい打ち出し角で低スピンのボールを打つことができます。
打ち方のポイントは回転するスイングです。
左腰を上げたままではすくい打ちになってしまい、頭を後ろに残していたフォームでもスピン量が増えてしまいます。
インパクトゾーンに入ったら右腰を回転させることで、スイングにパワーが生まれてきます。
右足のかかとを上げて、つま先をターゲットに向けることで右腰は回転します。
このとき両肩は飛球線に対して平行になるようなフォームになっていれば、渋野日向子プロのようなビハインドザボールのスイングになっているはずです。
ちなみにインパクト後のフォロースルーでは、「右手を伸ばす」ようにすると、スイングの最下点を過ぎてもヘッドスピードは加速していき、低スピンで飛距離のあるドライバーショットができるようになります。
低スピンの打ち方ができるように練習に励もう!
ドライバーの飛距離を伸ばすためには、インパクトのときの初速と、理想的な放物線を描くための打ち出し角、それに吹き上がりを防ぐ低スピンの三つが大事です。
初速アップにはヘッドスピードを速くする練習と芯でボールをとらえる打ち方の練習が必要です。
打ち出し角と低スピンはアッパーブローのスイングを基本に、ビハインドザボールに取り組めば今よりも飛距離のあるボールを打つことができるようになります。