アプローチは方向性と距離感が合わないと、単なるミスショットになってしまいます。
そうならないために方向性を保つ打ち方のコツを覚えることも大切ですが、距離感を養うことはもっと大切です。
意外に簡単なアプローチの距離感を習得する方法を紹介します。
アプローチの距離感をつかむためのコツは公園にある
グリーン周りのアプローチが上手くなれば拾うゴルフができるので、最悪でも90打程度ではラウンドができますし、セカンド地点で無理にグリーンオンを狙わずに安全帯に運び、アプローチでリカバリーすれば85打前後ではプレーできるはずです。
もしも100打切りを目指しているゴルファーなら、夢が遠すぎて現実味がないような気がするかもしれませんが、一般ゴルファーがグリーンオンに成功したときの距離は、40ヤード以内という統計結果があります。
つまりセカンドショット地点から、グリーンに乗る確率はグンと落ちるわけです。
それだけに確実なアプローチと、ピンそばに寄せる距離感は重要になってきます。
方向性はインパクト時のフェースの向きですから、ひたすら練習をすれば必ず上手くなります。
一方距離感は感覚のため、養うための素地が必要になります。
パッと見ても分からない人は、まず打つよりも距離感を養うための訓練をしたほうが良いでしょう。
近所の公園か空き地にゴルフボールを持って、コツをつかみに出かけましょう。
アプローチ習得のコツは下手投げで距離感を養うこと
最近は「公園でキャッチボールをしてはいけない」というルールを定めているところがあるため安易にゴルフボールを放り投げると叱られてしまいますので、規約等を下調べしてから利用しましょう。
距離感を養うアプローチの練習は、ゴルフボールを下手投げで放るだけです。
「何だそれ?」という声が聞こえそうですが、プロでも距離感や球筋を調べるときには、この下手投げを使うことがあります。
まず歩測をしましょう。
1歩約90センチで歩くことができれば、1ヤード単位で歩測することができます。
歩測を習得するコツは、通勤途中で1ヤードを意識した歩き方をすることです。
日常生活の中に1歩の幅を組み入れると、どんどん体で覚えることができるからです。
最初にスタート地点を定めて10歩進み、10ヤード地点にボールを置きます。
再度スタート地点に戻り、そこからボールを放り投げます。
ピッチングウェッジを想定するのであれば、ピッチエンドランは飛球5割に対して転がりも5割ですから、5ヤードのところにボールを落として残りは転がっていくように低いボールを投げなくてはいけません。
ピッチショットのアプローチで距離感をつかむコツ
ピッチエンドランで10ヤードのアプローチの距離感がつかめたら、次は20ヤードで同じことを繰り返してみてください。
グリーンとは違って砂地のベアグラウンドは、転がりが悪いかもしれません。
ただそれでも20ヤードの距離をピッチエンドランでアプローチするのは意外に難しいことが分かるはずです。
転がる距離が長くなると、ベアグラウンドの小石ではじかれたり、デコボコで弾んでしまったりと、上手くターゲットに寄せることができません。
そんなときは、チップショットを想定すべきです。
どんな球筋かは知らなくても、ゴルフをやっていれば「チップイン」という言葉は知っているでしょう。
チップショットのアプローチが、直接カップに入ったことでチップインという名称が使われています。
チップショットの最初は10ヤードの距離感で練習しますが、目標とする地点は9ヤード先です。
つまり9ヤードが飛球で、残り1ヤードが転がりということになります。
今度は転がらないように、下からフワっと放り投げるのが寄せるコツです。
実際にはウェッジを使ってチップショットをしますから、バックスピンがかかって手で投げるより制動距離は短くなりますが、ここでは9対1の割合で距離感をつかむようにしましょう。
ロブショットの距離感をつかむコツは下手投げのアプローチ
ピッチショットの距離感が分かれば、難易度の高いアプローチと言われるロブショットの球筋も目で確認ができます。
ピッチショットはツークッション程度でボールが止まるように打つのですが、このショットの最大のメリットは、ランがほぼ出ないためグリーンのラインを読まなくても良いことです。
距離感さえ正しければ、確実にピンそばまでボールを運ぶことができ、その正確なショットによってチップインが可能になるのです。
慣れないうちは飛球の精度を不安に思うかもしれませんが、転がして芝の抵抗を読むパッティングをするよりも、はるかに確実なショットだと思えてくるようになります。
そう感じるようになったら、ロブショットを習得する時期です。
ロブウェッジを使って振り子をイメージしたスイングをすれば、あとはウェッジのロフト角が勝手にロブを上げてくれます。
ロブショットの難易度が高いのは、ピンポイントに落とすためです。
どの高さまで打ち上げると、ターゲットまで届くのかを知ることが成功するためのコツと言えます。
そのためには下手投げでイメージを作ることが必要です。
アプローチの距離感はテレビ中継でコツをつかむ
アプローチを想定して下手投げでボールを投げると、想定していた距離感よりもショートすることのほうが多いようです。
わずか10ヤードの距離でもショートするのであれば、40ヤード離れたアプローチでは、運に任せたショットになってしまうことが想像できます。
下手投げのコツは、想定する距離と放物線を一致させる経験値を養えることにあります。
そのためには想定する飛球線を、実際に三次元化して目で確認することです。
自分が思い描いた放物線で放ったボールがショートして、思うようにいかないことを学習していくことで、やがてターゲットとボールの距離を縮めていくことができます。
プロのアプローチショットを参考にしようとしたとき、アドレスでの構え方やインパクトの瞬間を注視しがちですが、本当に見るべきは球筋なのです。
プロがアドレスに入ったときに、自分が想定する球筋をイメージし、結果が同じであるかを確認していけば、テレビ中継を見ているだけでも距離感は養われていくはずです。
パター打ちのアプローチのコツが分かれば距離感が身につく
もしも自宅の庭や空き地で数ヤードのパッティングが可能であれば、ミスショットがなく確実なアプローチ方法であるパター打ちを練習しましょう。
パター打ちの場合は、ロフトの立っている7番アイアンや8番アイアンを使って、パターと同じ握り方をして構えます。
ヘッドは振り子のように動かすので、ストロークするときはヘッドの自重でインパクトするイメージを持ちます。
この自重での振り子のアプローチは、トップの高さが転がる距離につながるため、距離感をつかみやすいのが特徴です。
しかもパターでトップやダフリになることがないように、7番アイアンを使ってもミスショットでトラブルに発展する可能性が限りなく少ないのが特徴です。
基本的には簡単なアプローチ方法ですから誰でもできますが、パターと比べるとシャフトが長いのでグリップを短く握ることでパターのアドレスと同じ姿勢をとることがコツと言えるかもしれません。
簡単ではありますが、トップの高さと距離感を一致させる必要があるため、トップの高さを変えた練習は必要です。
アプローチ習得のコツは距離感を創造する力を養うこと
アプローチショットの距離感が難しいと思うのは、その距離を体験したことがないからです。
打ち方や球筋を想定して、下手投げでターゲットまでボールを投げれば、視覚で距離を学習することができます。
つまりアプローチショット習得のコツは想像する力を養うことです。