様々なバリエーションが店頭に並んでいるため、初心者ゴルファーでもユーティリティの存在を知っていることでしょう。
しかしドライバーでもアイアンでもなく、セッティングに迷いやすいユーティリティはなかなか選ぶのも難しいものです。
そこで今回は、ユーティリティの基礎知識と、初心者におすすめのロフト角の選び方を紹介します。
初心者でも分かるユーティリティの基本
まずはユーティリティとはどういったものか、初心者向けに基本的なポイントを話します。
ユーティリティは簡単に言えば、ロングアイアンの代替えクラブといって良いでしょう。
ロングアイアンは扱いが難しく、また再現性を保つことが難しいものです。
そこをカバーするように登場したのがユーティリティです。
位置付けとしては、フェアウェイウッドとアイアンの中間、その間の飛距離を埋めるクラブになります。
今ではプロゴルファーでもユーティリティを多用する時代となり、14本のクラブセッティングには欠かせない存在となっています。
そんなユーティリティには、ウッドタイプとアイアンタイプの2種類があります。
多くのゴルファーが、ボールの上がりやすさ、やさしさからウッドタイプを選ぶ傾向にあります。
アイアンタイプはウッドタイプに比べてボールを上げるのが難しいため、ある程度アイアンを得意としている上級者が選ぶ傾向にあります。
操作性はアイアンタイプのほうがあります。
シャフトはアイアンと同じようにカーボンとスチールがあります。
さらに細かく分類すると、ウッドのように走る先端が細いシャフト、アイアンのようにしっかりした太さのシャフトがあります。
アイアンと揃えてシャフトを合わせる人、フェアウェイウッドの延長と捉えカーボンシャフトを選ぶ人もいます。
ここは人それぞれです。
またロフト角も14度から29度くらいまで幅広いのがユーティリティの特徴です。
ユーティリティは初心者に必要?
ユーティリティはクラブセッティングには欠かせない存在となっていると説明をしましたが、初心者にとってもやはり必要なのでしょうか。
いろいろなクラブに打ち慣れておくという意味であれば、初心者のうちから1本はクラブセッティングに入れておくと良いと考えられます。
対して飛距離の打ち分けを観点に考えると、初心者にユーティリティは必要なのでしょうか。
基本的なクラブセッティングは、ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、ミドルアイアンと繋げる人が多いようです。
ここのユーティリティの必要性を判断するには、ドライバー、フェアウェイウッドでどのくらい飛距離が出るか、アイアンの最高番手との飛距離の差を把握することが重要です。
その差が10~15ヤード程度であれば必要ないと言えます。
つまりドライバーやフェアウェイウッドがしっかり打てないと、飛距離の観点ではユーティリティの必要性は出てこないのです。
ただし、フェアウェイウッドとユーティリティでは、ライの状況によって対応性能が異なります。
フェアウェイウッドでは打てないライでもユーティリティであれば打てる、なんてこともあります。
そう考えると、飛距離が重なったとしても、やはり1本入れておけば初心者にとってメリットはあるでしょう。
自分に向いているユーティリティはどんなタイプ?
では、自分に向いているユーティリティはウッドタイプなのかアイアンタイプなのか考えていきましょう。
もちろん試し打ちで合うものを探すのが良いのですが、数ある中からどんなものが良いのかある程度事前に把握できるようにすべきです。
まずウッドタイプの特徴は、フェアウェイウッドに近い重心深度があるということです。
そのためボールが上がりやすく初心者から上級者まで幅広い人に人気があります。
一方アイアンタイプは、ロングアイアンより上がりやすくは作られているものの、ウッドタイプに比べると上げづらい構造です。
それならウッドタイプにすれば良いと思うかもしれません。
ただ、「ボールが上がりやすい=自分に合ってある」とはなりません。
そこでスイングのイメージによって考えてみてください。
普段からほとんど芝を飛ばさないレベルブローでのインパクトがイメージしやすい人はウッドタイプ、ダウンブローのイメージが強い人はアイアンタイプを検討してみましょう。
ゴルフではイメージ作りが非常に大切です。
クラブの特性に合ったスイングイメージを持てれば、結果も良くなります。
なお、ウッドタイプとアイアンタイプではインパクトが異なるため、同じロフト角でも飛距離や弾道の高さが変わってきます。
初心者が間違えやすいユーティリティのロフト角
ここでユーティリティのロフト角を説明します。
フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンには番手があります。
同一メーカー内であれば、番手毎のロフト角に大きな違いはないため、番手を頼りに選んでも大きな差は出ません。
しかし別メーカーで番手を頼りに選ぶと、想定していたロフト角と大きな差が出てしまう可能性大です。
そのためロフト角ではなく番手を基準に考えてしまう初心者は注意が必要です。
決められたルールがある訳ではないため、各メーカーで番手設定は自由に表示していて、番手とロフト角に共通性がありません。
したがって自分のユーティリティが5番だとしても、他のメーカーでは3番だったり、6番だったりするケースがあるということです。
選ぶ際には、十分に注意をしましょう。
ユーティリティのロフト角と飛距離の目安
ユーティリティを選ぶ際に重要になってくるのが飛距離です。
アイアンとフェアウェイウッドの中間に位置するユーティリティのため、どちらのクラブとも特性が違うため、単純にロフト角だけで決めることができません。
しっかりと、飛距離を考える必要があります。
参考までに、ユーティリティのロフト角別の飛距離がどのクラブと類似するのか、まとめました。
初心者でも分かりやすいよう、フェアウェイウッドとアイアンを基準にしています。
3番ウッド相当の飛距離は、ロフト角が14~15度です。
5番ウッド相当の飛距離は、ロフト角が16~18度です。
7番ウッド、3番アイアン相当の飛距離は、19~21度です。
9番ウッド、4番アイアン相当の飛距離は、22~24度です。
5番アイアン相当の飛距離は、25~29度です。
一般的にはフェアウェイウッドは、3番と5番、アイアンは5番ないしは4番アイアンまでをセッティングに入れます。
そのため、20~25度くらいのユーティリティが選ぶ対象になります。
しかしフェアウェイウッドが苦手な人、アイアンが苦手な人により分かれるため、苦手な部分の代替えとしてユーティリティを考える場合は、もう少しロフト角の幅が広がります。
ロフト角だけで決めず実際に打ってみよう
ユーティリティのロフト角と相当するクラブ、飛距離について話しました。
選ぶ際には参考にしてもらいたいのですが、必ず試し打ちをするようにしてください。
飛距離のばらつきが多く、基準が決まらないという初心者でしたら、お伝えした情報を元にとりあえず選ぶというのもひとつの方法です。
ただしある程度飛距離がまとまりつつある人は、必ず試し打ちをして選ぶようにしてください。
お伝えした通り、ユーティリティは、フェアウェイウッドとアイアンの代替えとして使える万能クラブです。
しかし厳密にはどちらのクラブとも必ず違いがあります。
そのため、スイングの感覚も異なるため、机上のデータ(ロフト角と参考飛距離)だけで考えてはいけません。
ユーティリティを選ぶ際のもうひとつのアドバイスとして、フェアウェイウッド、もしくはアイアンのメーカーやシリーズを揃えることです。
すると感覚も合わせやすく、飛距離の調整がしやすくなります。
試し打ちする際には、取り入れてみてください。
初心者はまず20~25度くらいのユーティリティを1本選ぼう
ユーティリティについて、基礎知識、ロフトの選び方についてまとめました。
飛距離の安定しない初心者の場合、3番や5番ウッド、そして5番アイアンまでは打てるように練習をしましょう。
そしてその間を埋めることができる20~25度くらいのユーティリティを1本ないしは2本、セッティングに加え、並行して練習することをおすすめします。