アイアンの番手ごとの飛距離についてお考えですか?
7番アイアンで飛距離が100ヤードの女性もいれば、170ヤード飛ぶ男性もいます。
打ち方やパワーの違いがあるため、差が出ることは仕方のないことです。
今回はアイアンの飛距離と打ち方について話をします。
アイアンの飛距離は番手ではなくロフト角で考える
アイアンで飛距離に関係してくるポイントについて考えてみましょう。
例えば、他人に比べ7番アイアイの飛距離が劣っているとします。
相手は160ヤード、自分は140ヤードの飛距離だとした場合、どのように考えますか?
単純にパワーが違うと考えてしまっていませんか。
●打ち方による違い
同じ番手のアイアンを使って、飛距離を比べたときに飛距離の違いに繋がる要素は次のふたつです。
まず、ヘッドスピードの違いです。
ヘッドスピードが速いゴルファーのほうが飛距離が出ます。
次にハンドファーストでのインパクトがどれくらいの角度でできているかです。
ハンドファーストにすることによって、ロフト角を立てて使うことができ、1番手、2番手上の飛距離を出すことができます。
●ロフト角による違い
アマチュア向けに売られている飛び系のアイアンはストロングロフトと言って、あらかじめロフトを立てているものが多くなっています。
もちろん、フェースの反発性能もありますが、あらかじめロフト角が立っているものを使っていれば必然的に飛距離は伸びてくるというわけです。
結論からすると、アイアンの飛距離は番手で比較するのではなく、打ち方の問題とアイアンのロフト角で考えましょう。
アイアンで必要な飛距離
アイアンの飛距離の違いについては前項で説明した通りです。
では、実際にアイアンでどのくらいの飛距離が打てるようになる必要があるのでしょうか。
ここでは、分かりやすく7番アイアンのヘッドスピードを参考に考えます。
ドライバーヘッドスピードしかしらない人は自分のヘッドスピードの85%程度で計算してください。
どのくらいの飛距離が必要かというより、ヘッドスピードからどのくらいの飛距離が妥当かをお伝えします。
ロフト角は32度相当です。
・45m/s以上
ヘッドスピードが45m/s以上のゴルファーは、アマチュアの中でも相当速い人です。
目安としては、180ヤード前後からそれ以上になるのが標準的と言えるでしょう。
・40~45m/s未満
男性のアマチュアの中でも、しっかりとヘッドスピードを出せている人と言えます。
目安としては160~180ヤードの間、170ヤード前後が理想です。
・35~40m/s未満
男性のアマチュア、そしてしっかりと振り切れる女性アマチュアに多いのがこの速度です。
140~160ヤードで飛距離がまとまっていれば理想的です。
・30~35m/s未満
女性でもっとも多いのが、30~35m/s未満のヘッドスピードの人です。
130ヤード前後(±10ヤード)でまとまっていれば十分であると言えるでしょう。
・30m/s未満
ヘッドスピードが30m/s未満の人は、70~120ヤードくらいを目安にしてください。
打ち方の違い(インパクト時のロフト角)によって幅はありますが、飛距離が足りていない人はインパクトでロフトが寝ている(ハンドレイト)の可能性が高いため、スイングを見直しましょう。
アイアンで打てる必要がある番手
アイアンでの飛距離の参考値が分かったところで、一体アイアンは何番手まで打てるようになれば良いのでしょうか。
実際、人によってアイアンの番手の種類はまちまちだと思います。
最近の飛び系アイアンだと、少ないもので4本セット(7番~9番、PW)のものもあります。
標準的なもので、6本セット(5番~9番、PW)と考えれば良いでしょう。
少し前の時代のアイアンセットを使っているゴルファーなら、10本セット(3番~9番、PW)もあります。
一番の理想を言えば、セットのアイアンをすべて打てるようになるのがベストです。
同じヘッド性能で揃えることができるため、飛距離の区別もしやすくなるからです。
しかしロングアイアンは、ヘッドスピードが足りないとボールが上がらず飛距離が出ません。
また、打ち方が難しいと思ってしまう人も多くいるのではないでしょうか。
最低限、5番アイアンくらいまで扱えることが理想と考えますが、無理に使う必要もありません。
最近は、アイアンに比べボールが上げやすいことから、ユーティリティの種類が増えてきています。
ユーティリティ主体で、7番~9番、PWというクラブセッティングもできるので参考にしてみてください。
アイアンは番手ごとに打ち方の違いがあるのか?
ユーティリティでのクラブセッティングの組み立ても可能ではありますが、やはりアイアン主体でまずは考えてみてほしいところです。
そこで、アイアンの打ち方について少し話をしていきます。
ショートアイアンは問題ないけれどミドルアイアンになると上手く打てないゴルファーは多いのではないでしょうか。
なぜ上手く打てなくなるのか、簡単に理由をお話します。
多くのゴルファーが、ダウンブローで打とうとしてもダフってしまったりして、ボールが上手く上がらないという点ではないでしょうか。
クラブが長くなるほど飛ばそう、上げようと強く思ってしまうと、ダフってしまい、しっかりと振り抜けず、苦手意識が強くなって悪循環に陥っています。
実際のところ、アイアンは番手ごとに基本的な打ち方は変わりません。
打ち方で唯一変わるのが番手ごとに前傾角度が違うということです。
前傾角度が変わっているにも関わらず、ショートアイアンと同じような位置にトップを作ろうと無意識にしています。
そのため、クラブの軌道がトップから縦に降りすぎてしまうため、ダフったりアウトサイドインの軌道になったりします。
あくまでも、テークバックからトップの位置までの動作は変わりませんが、前傾角度が浅くなることにより、トップの位置は地面に近くなるということを理解してください。
番手で打ち方を変えるのではなくイメージを変えるだけ
先に話した通り、番手では打ち方が変わらず、地面からのトップの高さが変わるだけです。
これは、クラブの番手が長くなればなるほど、スイングは横振りをイメージしていくことになります。
どうしても、アイアンは縦振りというイメージが強いですが、これは地面と前傾角度の関係からそう言われているだけです。
まずは、イメージを変えてください。
次に、アイアンはダウンブローで打ち込まなくてはいけないというイメージが、無理な縦振りを誘発してしまいます。
これも、イメージの問題です。
ショートアイアンであれば、叩くイメージでもクラブをコントロールできますが、ミドルアイアンやロングアイアンになると難しくなります。
クラブが長くなるほど、レベルブローのイメージでインパクトをイメージするようにしてください。
ボールの位置はショートアイアンに比べ、多少ターゲット方向にずらします。
これだけで少しレベルブローに打てるイメージができるのではないでしょうか。
トップの位置とインパクトのイメージを変えるだけで、アイアンは格段に進歩します。
初心者に向いているアイアンの打ち方
では、最後に初心者に向いているアイアンの打ち方について話をします。
初心者は、番手の違いによってスイングを変えるより、ひとつのスイングを徹底して行うことが上達への近道です。
現在、いろいろなスイング理論があります。
特に人気が出ているのが、ボディーターンのみでスイングするというものです。
確かに方向性が良いスイング理論ですが、初心者にはあまり向いていないかもしれません。
初心者はクラブヘッドが走っている感覚が分かりにくいでしょう。
まずは、その感覚をしっかり身につけるスイングを実施してください。
では簡単ではありますが、初心者におすすめの打ち方のポイントをお伝えします。
①バックスイングは体の回転で始動する
②トップの位置では、左腕と右肩が一直線になり、左手の甲は真っ直ぐ伸びている形
③ダウンスイングでは、下半身先行で手が右足の目前に降りてくるまで使わない
④手が右足の前に降りてきたタイミングで、しっかりと腕を振り抜く
⑤腕を振り抜くときに、上半身がまだ後方を向いているイメージ
⑥頭の位置は、右側に傾けるイメージでクラブヘッドを走らせる
⑦フォロースルーはクラブの遠心力に引っ張られるイメージ
アイアンでこの打ち方をマスターすると、最も長いドライバーでもしっかりと腕を振れるようになるため是非試してみてください。
アイアンもドライバーも変わらない
今回は、アイアンの飛距離、打ち方について話をしました。
アイアンで飛距離を伸ばすためには、ヘッドスピードとしっかりとしたハンドファーストです。
これは、しっかりとアイアンを振り抜かなくてはできません。
変わるのは、前傾角度とインパクトのタイミングだけです。
今回紹介した打ち方で練習をしてみてください。