アイアンはセットで揃えているのに、ウェッジを揃えるときメーカーやモデルを統一せずにバラバラに選んでいる人が多いようです。
その理由のひとつに別売りだからという点がありますが、どうなのでしょうか。
今回は、ウェッジを揃えるときはメーカーやモデルを統一すべきなのか、構わずに性能重視で選ぶべきなのか、その判断について考えます。
ウェッジのメーカーをバラバラに揃えると困ることがある?
キャディバッグに入れて持ち歩ける本数は、ルールによって14本までと決められています。
そのうち、ドライバーは「飛ぶ」「曲がらない」と謳われたもの、アイアンは距離感と方向性の安定したものでセットしていることでしょう。
さらにウェッジはスピンの効いたショットが打てるものを選んでいるのではないでしょうか。
このようなセッティングの仕方は特別珍しいことではありません。
自分の欠点を補ってくれて、良い部分は最大限に引き出してくれるのが現代のゴルフクラブだからです。
ただ、1つ1つには優れた性能を持っていても、長さや重さを統一していないと、扱い難いと感じるときがあります。
例えば確実にグリーンをとらえることができる、最高のアイアンを持っていたとします。
しかしその番手間の距離は5ヤード刻みだとすると、アイアンだけでキャディバッグを占拠してしまいます。
メーカー別でバラバラに揃えてしまうと、このような極端とも思えることが起きる可能性があるため注意が必要です。
メーカーをバラバラにウェッジを揃えてしまうことが多い理由
アイアンの場合には、セットで販売されているため当たり前のように同一メーカーで揃えると思いますが、ウェッジはバラバラに揃えていることが多いです。
ゴルフクラブは、全般的に統一感がないと扱い難いのですが、ウェッジも9番アイアンからピッチングウェッジに違いがあると、同じように不便を感じることがあります。
本来であれば、アイアン同様にロフト角を4度刻みにしていくと使いやすいわけですが、それだと14本をオーバーする可能性があります。
一般的な9番アイアンのロフト角は38度ですから、4度の間隔でウェッジを揃えると、ピッチングウェッジが42度、アプローチウェッジの1本目が46度、2本目が50度、サンドウェッジが54度、さらにその下に58度、最後にロブウェッジの62度となると、全部で6本のウェッジを入れることになります。
最後のロブウェッジを使わないとしても、5本もウェッジを入れてしまうと、他のクラブを圧縮しなければなりません。
そこで自分の使いたいロフト角を選んで用意するのが一般的な考え方です。
ピッチングウェッジ以降はメーカーがバラバラでもOK
目的に合わせてウェッジを揃えれば限定した本数で済みます。
最初に考えるのはピッチングウェッジの扱いです。
9番アイアンの次のクラブとして使うのであれば、ロフト角は42度前後ということになります。
ただアプローチの距離を考えると、「100ヤード」打てるクラブも捨てがたいものがあります。
9番アイアンの飛距離はドライバーの半分と言われますから、ドライバーの飛距離が220ヤードであれば9番アイアンは110ヤード、そうするとピッチングウェッジは100ヤードです。
しかしながらドライバーの飛距離が240ヤードもあると、9番アイアンは120ヤードになるため、4度刻みのピッチングウェッジのままでは110ヤードになってしまいます。
コースのヤード杭は大抵100ヤードと150ヤードに設置されていますから、簡単なゴルフを目指すのであれば、100ヤードが打てるウェッジを用意していきたいものです。
そうすると残りのウェッジは限られてきます。
サンドウェッジを必須とすると、残りはせいぜい2本ですから、メーカーがバラバラでも目的に合っていれば支障はないはずです。
バラバラなメーカーでウェッジを揃えるときのポイント
メーカーやモデルに関係なくバラバラにウェッジを揃える場合、重点を置くポイントはショートアプローチにあります。
ゴルフクラブを選ぶときパーオンを基準にしているようですが、グリーンオンした残り位置を分析したところ、多くのゴルファーは40ヤード以内からアプローチをしていると言われます。
つまりミドルホールでセカンドショットは乗らず、ロングホールでサードショットはグリーンからこぼれる場面が、全体の60%になるということです。
次のショットは単にグリーンオンするだけではなく、ピンそばに寄せてワンパットで沈めたいと思うのは、誰しも同じことではないでしょうか。
いわゆるグリーン周りからのアプローチは、どんな球筋で攻めるのかが重要になります。
コースレイアウトによって攻め方に違いはありますが、まずはミスなく寄せることができる「転がすアプローチ」が選択肢になるでしょう。
バックスピン量を抑えて着弾させてピンに向かって転がるショットを狙うわけです。
ロフト角は使いやすいもので構いませんが、ラフからであればバンス角の大きなタイプ、カラーやエプロンからのアプローチであればバンス角の小さなタイプを選びたいものです。
目的を定めてウェッジを選ぶこと
メーカーにとらわれずバラバラにウェッジを揃える場合は、使用目的をハッキリ決めて選び、その目的以外の状況では他のウェッジですべてカバーできなければなりません。
いわゆるオールラウンドタイプのウェッジが必要だということです。
先ほど説明したように残る距離は40ヤード以内が多いとすれば、どんなロフト角のウェッジでも対応はできます。
フワッと上げる場合や転がして寄せる場合に、同時に2つのアプローチを選択できるようにしておけばほとんどのライに対応できます。
技量は伴いますがフワッと上げる場合は、ロフト角以上にフェースを寝かせてインパクトします。
フェース面が上を向いていますから、打ち出す角度も上方になります。
一方転がして寄せる場合は、フェースを立てて打ち出し角を小さくします。
このような多用途のウェッジはバンス角の小さなタイプを選ぶと、フェースを開いてもリーディングエッジの浮き上がりを防ぐことができ、目的とするアプローチが可能になると考えられます。
残り2本のウェッジはメーカーがバラバラでも問題なし!
ドライバー1本、フェアウェイウッド&ユーティリティで3本、5番アイアンから9番アイアンまで5本、ピッチングウェッジ・サンドウェッジで2本、パター1本。
これで12本ですから、残り2本をアプローチ用ウェッジとして入れることができます。
そのうち1本をオールラウンド用とした場合、おそらくロフト角52~56度のローバンスが選択肢になるでしょう。
あともう1本はピッチングウェッジ側に近づけるのか、さらにロフト角の大きなロブウェッジに向かうのかを判断しなければなりません。
このうち使いこなせる技術があるかが、ロブウェッジ選択の条件です。
そうでなければピッチングウェッジに寄せたタイプが良さそうです。
次に重量やバランスを確認し、狙い通りのスピン量であれば14本のゴルフクラブは揃えることができます。
このようにハッキリと役割を決めた揃え方をするのであれば、メーカーがバラバラでも問題はありませんが、重量ピッチの確認は必要です。
ドライバーから順に重くなっていく揃え方をすることで、扱いやすいクラブとなるからです。
個の性能も大事ですが、全体のバランスを考えて揃えるようにしましょう。
ウェッジ選びは使い方を見極めるべし
ウェッジを揃えるとき、メーカーやモデルがバラバラでも使用目的がハッキリしていれば何も問題ありません。
飛距離を選択肢にするのではなく、状況を想定したアプローチショットの仕方によって選ぶと信頼を置けるウェッジになってくれることでしょう。