今使っているドライバーのシャフトの種類は分かりますか?
初心者の場合、もしかしたら先調子のシャフトをすすめられて使っているかもしれません。
ただそのシャフトが本当に合っているのかが問題です。
今回は他のシャフトに変えたいと考えている初心者卒業ゴルファーに、シャフトのキックポイントについてお話しします。
ドライバーのシャフトの種類は多い
ゴルフクラブの中でも最もシャフトの選択肢が多いのがドライバーです。
三菱ケミカル、フジクラシャフト、グラファイトデザインなど国内大手の他にも沢山のシャフトメーカーがあります。
シャフトのラインナップはメーカーによって違いますが、ひとつのモデルに40~80gといった各重量別にフレックスがあり、10~15種類前後もあります。
そこから全メーカーの全ラインナップを考えると相当数です。
選ぶのが大変になって当然だと言えます。
しかしながら、なぜこんなに種類が多いのでしょうか。
例えば、キックポイントだけでいっても先調子・中調子・元調子・ダブルキックなど4種類があります。
その理由は、ドライバーのようなシャフト長になると、ちょっとしたスイングの違いでタイミングの取り方が変わりシャフトの性能が顕著に出るからです。
シャフトの長いドライバーは、人それぞれの違いが出やすく、それがヘッドの挙動、場合によってはスイング全体に影響を及ぼします。
そのため、より一人ひとりに合ったシャフトが必要になるため、各メーカーとも豊富なラインナップを取り揃えているのです。
なぜ初心者に先調子のシャフトをすすめるのか
初心者に先調子のシャフトを使っている人が多いのはなぜでしょうか。
そこには他の種類のシャフトにはない特徴から、ちゃんとした理由があります。
初心者にドライバーをすすめる際、左右のズレに許容があるシャローフェースを進めることが多いです。
これは初心者と経験者の打点の傾向が大きく違うからです。
初心者は左右にズレやすく、上級者は上下にずれる傾向があるからです。
また先調子のシャフトの特徴から初心者が受けるメリットが大きいです。
先調子のシャフトは、ダウンからインパクトにかけて、シャフト先端のしなり戻りが強く、ヘッドが走りやすい傾向にあります。
その効果からヘッドの重さを感じやすくタイミングを合わせやすいため、初心者にとっては扱いやすいです。
さらにボールの打ち出し角度をシャフト先端のしなりでつけやすいため、ドライバーでボールが上がりにくい、綺麗にアッパーブローで打てない初心者を助けてくれます。
その上、先調子のシャフトにはトルクも大きめのものが多く、ボールを捕まえやすくなるという点も初心者にすすめられる理由でしょう。
そうしたゴルフを楽にしてくれそうな先調子ですが、上級者は好んで使わないのでしょうか。
シャフトのキックポイントの種類と特徴
先調子のシャフトの特徴について前項にまとめました。
その他、シャフトのキックポイントにはどのような種類と特徴があるのか以下に記載します。
《中調子のシャフトの特徴》
中調子のシャフトは、先調子、元調子の平均とされています。
故にスイングの特徴が素直に出ます。
あえて中調子のシャフトを使うことで、スイングを整えていくこともできます。
もっとも、ドライバーのシャフトではニーズが高いため、メーカーは『先中調子』や『中元調子』と中調子の性能を備えたように表現するシャフトを作ったりしています。
《元調子》
元調子のシャフトは、手元側のしなりになるため、切り返しで生まれたしなりが最後まで残りやすいです。
そのため上級者やハードヒッターが好んで使います。
その代わり特徴は先調子と逆になるため、ヘッドをしっかり走らせる必要があります。
また、先調子と比べるとボールが上がりにくくなります。
《ダブルキック》
最近は、しなりポイントを先と元に置いたハイブリッドなダブルキックのものもあります。
手元のしなりとインパクト時のヘッドの加速を実現したものです。
中調子と記載されることがありますが振り心地は別物と言っても良いでしょう。
ドライバーのシャフトを選ぶ際に注意する点
シャフトのキックポイントにおける種類ごとの特徴は先ほどまとめた通りです。
そこで早速先調子から自分に合ったものに変えれば問題が解決すると初心者は思いがちです。
しかし、ドライバーのシャフト選びはキックポイントだけで決めてはいけません。
基本的に押さえておくべき注意点をここで説明しておきます。
まず、ドライバーの総重量をどのくらいにするべきなのかを考えることです。
基本的には下の番手よりも軽くします。
クラブの重量フローです。
クラブの重量はヘッド、シャフト、グリップで決まります。
グリップは概ね変わらず、ヘッドは想定の長さに対して計算された重量になっていますから、シャフトで適正な重量に揃えます。
パワーやヘッドスピードによって適正な重さは変わりますが、軽すぎず、適度に重たいものにしましょう。
軽すぎるとスイングの緩み、重すぎるとダフりにつながります。
3~5回打ってみてフィニッシュまで取れる重さであれば大丈夫です。
その後、フレックスをヘッドスピードに合わせて決めますが、クラブが重くなれば比例して硬さも増しますので、相互のバランスをみて決めるようにしましょう。
先調子から他の種類へ変える際の注意点
シャフト選びの基本を押さえたところで、実際に先調子から他の種類のキックポイントに変える際の注意点についていくつか説明します。
まず、他のシャフトに変える理由は大きくふたつあります。
①今のシャフトが合っておらず振りにくい
②今のシャフトは振りやすいが、ボールの捕まり、弾道の高さを変えたい
①はそもそもシャフトが合っていないので、自分の今のスイングに合うものにであえば違和感がなくなる可能性大です。
そして②は振り心地は合っているが、他の部分を補うためにシャフトを変えるため、初めは違和感があるかもしれません。
違和感がないからそれが適正ということにはならないことをあらかじめ理解してください。
その上で先調子から中調子や元調子に変えると以下のようなことがあるため注意してください。
●同じフレックス(振動数)でも硬く感じる
対処方法としては、少し軟らかいものにしたり、トルクを大きいものにしたりすると解消されます。
そしてキックポイントを変えるとタイミングの取り方の違いが大きく影響します。
先調子から元調子に切り替えると大きく変わりますので、極端なものより中調子のものから探してみると良いでしょう。
無理に先調子から他の種類に変える必要はない
最後に先調子から他の種類のキックポイントのものに変えようとしている人は、あらためてなぜ変えたいのか、その目的(変えることで解消したいこと)をしっかりと考えてからにしましょう。
意外に多い変更理由が、初心者は先調子、上級者は元調子というイメージから変えたいと思う初心者は少なからずいます。
元調子、中調子を使う男子プロゴルファーが多いのも、そういったイメージになってしまう原因のひとつでしょう。
しかしイメージからのきっかけは理由が後付けになりやすく、そのまま先調子のほうが良かったということも少なくありません。
実際プロゴルファーでも先調子のシャフトを好んで使っている人もいます。
大切なのは、自分のスイングに対して、合っているシャフトを使うことです。
その中でスイングが変化してくれば、中調子や元調子に変化することもあります。
スイングを変えるために、キックポイントを変更するのであれば良いでしょう。
そうでなければ、いずれスイングは変わってきますので、無理に変える必要はありません。
変える前に、もう一度本来の目的を確認しましょう。
自分に合ったシャフトを使おう
シャフトの変更について、キックポイントに焦点を当てまとめました。
初心者のうちは、自分に合ったものを優先して、スイングを作ることに注力したほうが上達が早まります。
実際、フレックスやトルクを変えるだけで問題が解決することもあります。
どうしてもキックポイントを変えたいのであれば、一度専門的にフィッティングを利用することをおすすめします。