フォースタンス理論に基いたゴルフ上達への道【B1】タイプ

皆さんはフォースタンス理論というのをご存知ですか?

簡単に説明しますと、この理論は人間の身体のタイプを4つに分けて、そのタイプごとに適した身体の使い方、動かし方が違うという理論です。

近年では認知度も高くなりつつあり、ゴルフ練習場などではレッスンプロも活用している理論です。

今回は主にB1タイプについて掘り下げていきます。

フォースタンス理論で考えるB1タイプゴルファーのグリップ

ゴルフというスポーツにおいて、グリップは唯一自分の身体と直接触れる部分ですよね。

そのためこのグリップこそが最も重要だと説くプロも少なくありません。

ではそのグリップがもし自分と合っていなかったら困りませんか。

フォースタンス理論ではタイプごとにグリップも異なっています。

B1タイプゴルファーは手のひらに対して直角気味に握ります。

親指の付け根から手のひらを横切るラインに合わせて握ってください。

この部分がB1タイプのパワーラインになります。

この「パワーラインって何?」と思った方も多いと思いますが、ゴルフに関係なくこのパワーラインに沿って物を持つことにより、身体全体が動きやすくなります。

左手親指はクラブの真上にセットし、親指を伸ばしたいわゆるロングサムで握ります。

両親指が並行になるイメージで握りましょう。

右手は左手の上からかぶせるように握り、少し左にずらすようにして、交差するような感じで握ると違和感なく握れるはずです。

このように握ることで、より効率よく運動ができるようになって、ゴルフの上達にも繋がります。

ただ交差させる意識にばかり気を取られると、ついつい手に力が入りがちになってしまうので注意が必要です。

グリップはあくまでも力を入れないようにしてください。

フォースタンス理論におけるB1ゴルファーのアドレス

さて、グリップを理解した次はボールの前で構えてみましょう。

すなわちアドレスです。

「ゴルフはアドレスに始まってアドレスに終わる」「スイングの問題の80%以上がアドレスにある」といわれている程、ゴルフにおける重要な要素だと考えられます。

なにせ他の球技と違い、止まっている球を打つという特殊な球技ですから、『構え=アドレス』が重要なのは当たり前でしょう。

この点はフォースタンス理論でも同じです。

アドレスは大きく分けて3つの要素があります。

ポスチャー(姿勢)を整え、スタンス(足の位置)を決め、クラブをソール(接地)させるとアドレスの完成です。

こうして今3つに分けたばかりで恐縮ですが、アドレスに入る前に実際のラウンドを経験したゴルファーなら理解されていると思いますが、まずはボールの後方に立ち、目標方向を定めまるのが普通です。

そこからボールの前に移動する時、ここからがアドレスの始まりと考えてください。

B1タイプは並行に構えたほうが違和感なく気持ち良く構えられるので、ボールの後ろから目標を確認した後、ボールと身体との距離の分だけ左真横に移動し、そこからボールの前まで真っ直ぐ移動してアドレスに入ります。

イメージでいうと、長方形の2辺を描くように歩くイメージですね。

ボールの前に立った次はアドレスに入ります。

右手でクラブを持ち、両足を揃えた状態でボールにクラブヘッドを合わせます。

そして左足を広げ、右足を合わせて、右足軸のスタンスを取ります。

ここでスクエアになるような構えにすると違和感なく構えられると思います。

そして、真っ直ぐ立った状態から両膝を前に出して曲げ、骨盤と足首を近づけるイメージでかかとに圧力をかけましょう。

そこから初めて前傾します。

B1は身体の後ろに軸があるタイプなので、首、骨盤、かかとまで一本の線で結ばれているイメージを大切にしてください。

説明が長くなってしまいましたが、簡潔にするとボールに対して真っ直ぐに移動して、スクエアに構えて重心はかかとで一本の線で結ばれている。

このポイントは頭に入れておいて損はないでしょう。

B1タイプのゴルフスイング

クラブを握り、ボールの前に立ったので、いよいよ次はスイングの動作に入ります。

ここまでの2項目でも感じられたかもしれませんが、フォースタンス理論でB1タイプに分類されたゴルファーは、一般的なゴルフのスイングとは大きく異なりますので、その辺りを詳しく解説していきます。

B1タイプのスイングは、かかと重心で右足を軸にして、左サイドを動かして身体の左右を入れ替える1軸スイングが基本です。

字面だけ見ても、少しイメージしづらいかもしれませんが、これは身体を回す動きではなく結果として回るような動きになるということです。

決して、身体を回そうと考えないでください。

ではどうするのかというと、アドレスで伸ばした一本の線を中心に体幹の同じ側をシンクロさせて、同じ側同士のラインを縮めるイメージを持ってスイングすることで、スピードやパワーを発揮できます。

そのためバックスイングでは、左肩と左腰の間を縮めるようにして左肩を押し込み、それにつられて左膝が動いているような意識を持ちながらスイングしてください。

ダウンスイングでは反対に右肩と右腰の間を縮めるようにして右肩を押し込み、それにつられて右膝が動いていくような意識を持ちながらスイングします。

実際にやると分かりやすいのですが、左サイドを圧縮するような動きをすれば右腰が後ろに引けて、反対の右サイドを圧縮すれば左腰が引けます。

膝はその時勝手についてくると思うので、なすがまま動かしてください。

あくまでも、自然についてくる感じです。

この動きですと膝はかなり動きますが、B1タイプはこれで良いのです。

そのかわり、背中のラインは一定を保つように、そのラインを軸にバックスイング、ダウンスイングを行ってください。

人から教わったり自分で勉強したりしたスイングとはきっとかけ離れているとは思いますが、それでもB1タイプは動きやすくなることは間違いないはずです。

もしかしたら参考になる?B1タイプのプロゴルファー達

ここまでグリップ、アドレス、スイングと解説してきましたが、どうにもイメージが湧いてこない、または文章が下手で伝わらないという方も少なくないかもしれません。

そこで参考になるかもしれないB1タイプの選手を何人か挙げます。

男子プロですと、青木功、横田真一、藤田寛之、手嶋多一、深堀圭一郎等々沢山います。

女子プロですと、岡本綾子、不動裕理、有村智恵、馬場ゆかり等、こちらも有名どころが盛りだくさんですね。

海外のプロでしたら、ローリー・マキロイ、セルヒオ・ガルシア、今も現役バリバリで活躍しているこの二人も実はB1タイプのゴルファーです。

海外ではフォースタンス理論があるのか知られているのかは分かりませんが、スイングの連続写真を見て一目でB1タイプだなと分かる独特のスイングです。

ゴルフ以外のスポーツ選手にもB1タイプの方は沢山いますが、今挙げた選手達の映像を参考にするのも一つの練習方法ではないでしょうか。

B1タイプのゴルファーはアプローチの小技が得意!?

アップライトな軌道が持ち味のB1タイプにとって、ロブショットは比較的簡単に打てるショットの一つです。

元々右足に軸があるので、左足上がりの状況でもなんの苦も無く打ててしまうのも強みになります。

ゴルフ練習場でアプローチの練習ばかり続けるのはとても地味で退屈かもしれませんが、ビジネスゾーンの動作確認にもなりますし、基礎固めとしても理想的な練習になります。

フォースタンス理論をご存知の方々なら、ビジネスゾーンについてはここで説明しなくても大丈夫でしょうから割愛します。

小さなスイングで良い弾道の球が出て、自分でも良い打感を体感できるようになれば、自然にトップ位置から打つという感覚が身に付いてくるはずです。

正直言って、ゴルフ練習場に行ってアプローチの練習だけひたすらに続けるなんてとてもではないけれどできません。

できる方はいるでしょうが、どうしてもドライバー振り回したくなってしまうものです。

それ自体悪いことだとは思いません。

自分のペースで練習をしていけば問題ありません。

その練習の中で、アプローチの練習は特にB1ゴルファーにはオススメです。

フォースタンス理論でB1タイプのNG行動

今まではこうした方が良いという内容でしたが、逆にしない方が良いという行動や練習についていくつか理由とともに紹介します。

①『フォローは左腕を伸ばす』というレッスンは合わない

B1タイプは元々当てて終わりのフォローをとらないスイングイメージの方が合うからです。

②一般的なゴルフレッスンは最も合わない

B1タイプはセオリーと違う動きが多いため、一般的なレッスンでは上達が難しいです。

③『膝を動かし過ぎると軸がブレるから膝を固定させる』はNG

肘や膝の動きを止めてしまうとB1タイプはスムーズなスイングができなくなってしまうからです。

④ねじれや下半身の粘りの意識を持つとスイングを複雑にしてしまうためNG

体幹の同じ側を圧縮することによってスイングするのでねじる必要はなく、膝は上記の通りフリーなので、下半身の粘りも特別意識しない方が上手く動けます。

⑤両肘でボールを挟んでスイングの練習はNG

たまに練習場でやっている人を見かけませんか。

これも二つ前に書いてある通り、肘はフリーにしてあげないといけないので、固定するような練習はNGです。

いくつか挙げてみましたが、実はやっていたという方もいるかもしれません。

今まで上手くいかなくて悩んでいたりしませんか?

上手くいかなかったのは、B1タイプに合わなかったからと考えてください。

これからはやらなくて大丈夫です。

自分に無理な動きをさせない為のフォースタンス理論ですから、どんどん取り入れましょう。

最終的には型にとらわれないのがBタイプの真骨頂

ここまで色々と書いてきましたが、これはあくまでも基本的な内容です。

自身で練習しているうちに、こう動いたほうがやりやすい、こうした方が上手く当たる等、やっていくうちに自分なりのやり方が出来上がってくるかと思います。

それが正解かどうかは正直分かりませんが、周りにあれこれ言われたりして、無理な動きをして身体に負担がかかるようなことはしないで楽しんでゴルフをやってください。

昨シーズンカシオワールドオープンで5年ぶりのツアー2勝目を挙げた、崔虎星(チェ・ホソン)のような、およそセオリーとはかけ離れた変則スイングをするプロもいるのですから、誰かを参考にしつつ自身のゴルフを追求してください。

そうすることで開ける道もあるはずです。