アイアンのテイクバックの位置が方向性を決める!

ゴルフのスイングは、一瞬です。

コンマ何秒という間のちょっとしたズレ自体が大きなミスにつながり、その結果がOBなどを引き起こしかねません。

その中でも、意外と軽視されてしまうのがテイクバックです。

特にアイアンの方向性はテイクバックで決まると言っても良いほど重要です。

始動からトップの位置までしっかりと見直しましょう。

アイアンの一番の役割は方向性!

まず、ゴルフにおいてのそれぞれのクラブの役割を考えてみましょう。

『ドライバー=飛距離を稼ぐ』

『フェアウェイウッド=飛距離を稼ぐ』

『ロングアイアン=方向性を出しつつ飛距離を出す』

『ミドルアイアン=グリーンオンのために方向性を出す』

『ショートアイアン=グリーン周りでピンに寄せる』

上級者ではフェアウェイウッドやロングアイアンでグリーンに乗せてくる人も多いですが、中級クラスのゴルファーでは、なかなかパーオンすることは難しいでしょう。

そこで、アイアンの役割を改めて考えてみると、「方向性」が非常に大事になってきます。

しっかりと距離を稼ぐことももちろん大事ですが、例えば左にバンカーのあるグリーンを狙う場合、敢えてバンカーを狙って入れる人はまずいません。

しかし、左にバンカーがあると分かっていて右に向いて打っているつもりでも、バンカーに入ってしまうのです。

そんな経験ありませんか。

右を狙ってグリーンオンしているのと、左のバンカーからのアプローチでは、1打以上違ってくる可能性がかなり高いと考えられます。

その肝となるのがテイクバックであり、トップの位置なのです。

アイアンにおける方向性はテイクバックが鍵を握っている

前項でも触れたようにアイアンの最重要ポイントは「方向性」と言えます。

その「方向性」を大きく決定づけるのが、テイクバックの位置だという意識はありますか?

多くのゴルファーはインパクトの瞬間ばかりに気を取られていますが、テイクバックが正しくできていないと、インパクトで真っすぐボールを捉えることが困難になってしまいます。

スイングは一瞬の動きです。

そのためスイング中に修正しにいくのはほぼ不可能ですし、修正して当てにいった球は、やはり力のない球になってしまいますし、引っ掛けたりダフったりするミスが起こります。

そういったミスを防ぐためにも、テイクバックの位置をしっかりと体に叩き込み、自然に正しくクラブを上げられるよう習得しましょう。

次項では一連のスイングの動きをみていきます。

テイクバックからのトップの位置はスイングの重要ポイント

アイアンに限らず、スイングに関わる一連の確認事項を改めてみてみましょう。

1.ターゲット、ライ、クラブ、グリップ、アドレス、ボール位置の確認

2.テイクバック

3.バックスイング

4.トップ

5.切り返し

6.ダウンスイング

7.インパクト

8.手首の返し

9.フォロースルー

10.フィニッシュ

この10項目の内、1はスイングに入る前の情報収集で最低限気にして欲しい部分です。

多くのゴルファーが、6,7の部分ばかりに目が行きがちですが、10項目中の2個です。

もちろん、インパクトが最重要ポイントであることは間違いありませんが、6,7の段階に入る前に1~5が無関係であるはずがありません。

むしろ、2がその後のスイングの流れを決めると言っても過言ではありません。

そのためスイングの始動であるテイクバックを見直すことで、スイング全体がスムーズになる可能性が大きいとも言えます。

しっかりとテイクバックの位置を考えていきましょう。

ありがちなアイアンのテイクバックの悪い例

では正しいテイクバックとはどのようなものなのでしょうか。

まず悪い例としてのテイクバックを挙げてみます。

①手首だけでヘッドを持ち上げ肩なども固まってしまっているテイクバック。

自分ではあまり気が付いていない人が多く、アドレス時に作った胸と腕の三角形が始動の段階から崩れてしまい、ミスショットに繋がりやすくなります。

②アドレス時にフェースをかぶせてしまっている場合。

そもそもテイクバックする段階でダウンスイングで当てにいく動作が必要となってしまうミスです。

③反対にフェースを不自然に開いて上げる場合。

自然に起こるフェースローテーションは飛距離を得る場合にも必要ですが、手でこねて開いたり閉じたりするものではありません。

この3つ以外にもまだまだ注意するべき点はあるのでしょうが、特に①は体とクラブが一体化できておらず、手打ちのゴルファーに良く見られる現象です。

腰・胸の面を意識してクラブを上げることが身につけば、特にアイアンで言われるアウトサイドに上げる、真っすぐ引くという、いろいろな問題も、全てクリアになるほどの重要ポイントです。

②、③も同じく、余計なことをしないという一言に尽きます。

まずは、体の捻転運動でクラブを「上げる」のではなく、「上がる」感覚を養いましょう。

無理に高い位置までトップを持ってくる必要はありません。

テイクバックでは頭の位置と捻転運動を意識して

ウッドにもアイアンにも言えることですが、正しいテイクバックをする上でのポイントを具体的に見ていきましょう。

ゴルフスイングを語るときに、「頭を動かすな」という言葉が必ず出てきます。

確かに、頭を動かすと体がブレてしまって、インパクト時に構えたところにクラブが降りてきません。

しかし、頭を動かさないようにと強く意識するあまり、ボールを見すぎて体が突っ込んでしまうことが良くあります。

本来「頭を動かさない」というのはボールを凝視して顔を真正面に向け続けることではなく、目線がバックスイング方向に向いたとしても、頭の位置が動かなければOKというレベルです。

また、体が硬いからバックスイングが上手く上がらないというのは誤解で、ゴルフスイングは捻転運動により力を溜め、その力をボールに伝えることが目的です。

ある程度の窮屈な感覚は、力が溜められているということであり、窮屈さを感じないバックスイングでは、力が抜けてしまっている証拠ですから改善が必要です。

トップの位置は意外と自分では分からないもの

また、トップの位置が自分では分かっていない人も多いのが現状です。

一見、たくさん振り上げたほうが飛距離が出るかのように感じますが、オーバースイングの原因になり、ミート率が低下するだけでなく、インパクトまでに失速して飛距離も落ちる原因となります。

自分では、それほど上げているつもりは無くても、動画などで客観的に見てみると「そんなに上げているの?」と思うことも多いようです。

しっかりとミートするには、最初のうちはトップが肩の位置くらいになるようコンパクトに上げ、ダウンスイングで加速するようなイメージで振りましょう。

特にアイアンは飛距離を稼ぐクラブでは無いので、コンパクトにミートすることのほうが優先と言えます。

また、テイクバックからバックスイングまでの間に、徐々に体重は右荷重になっていき、一気に左加重に切り替えることで、ダウンスイングのきっかけを作ります。

その際、バックスイングで右へ体重移動しようとするがゆえに、下半身も右へ流れてしまうゴルファーも多くいます。

上半身はしっかり捻転運動し、下半身はどっしりと構えておくこと。

まずは体重移動も右母指球から左母指球への移動くらいで十分です。

アイアンはまず方向性。テイクバックを習得しよう!

アイアンに限らず、どのクラブでもテイクバックがその後のスイングを決めると言えます。

テイクバックが正しくできていないと、インパクトまでに修正しなければならないことが出てきて、スイングを複雑にしてしまいます。

その結果、ミスも起こりやすくなるのです。

トップの位置も画像や動画にて客観的に現状を把握し、自分のスイングがオーバースイングとなっていないか、捻転運動はしっかり行えているか、下半身が上半身に連られて流れていないか、確認することをオススメします。