ゴルフをしていたら「もっと飛距離があれば」と思ってしまうことはあるものです。
プロでないと出せないと思える300ヤードの飛距離ですが、実は日常生活の中での筋トレや単純な練習法によって達成することができる可能性もないとはいえません。
今回は300ヤードを目標にした筋トレ&練習法を紹介します。
ゴルフで300ヤードの飛距離を狙うのに筋トレは確実に必要なのか
ゴルフをするものであれば誰もが、「飛距離があればもっと良いスコアが出せる」と考えるのではないでしょうか。
グリーン周りの小技がスコアを作るとか、パッティングの上手さが良いスコアのカギなどといわれますが、残り80ヤードのアプローチと180ヤードのアプローチであれば、ピンそばに付ける確率は圧倒的に前者にあります。
ティーショットが200ヤードと300ヤードでは、ピンそばに付ける確率は劇的に変化することは想像は容易いでしょう。
ただしプロゴルファーであれば300ヤードの飛距離を出せるかもしれませんが、一般のアマチュアゴルファーでその距離をマークしている人は周囲に見当たらないものです。
しかしながら考えてみると、すべてのプロゴルファーが強靭な肉体を持っているわけではないので、ある程度筋トレで身体を鍛えれば、300ヤードは不可能な距離ではないかもしれません。
最近は道具が進化していることもあって、自分の技量に合わせた完璧なセッティングを見つけ、300ヤード仕様の身体を作り上げれば不可能な飛距離ではないはずです。
下半身の筋トレから始める
まず300ヤードを飛ばすための前提条件を確認してみましょう。
飛距離はボールをインパクトするときの強さ、つまり衝撃力をもっとも効果的に与えることで伸びるものです。
具体的には、速いヘッドスピードとフェースの芯に当てること、さらに打ち出す角度が重要になります。
その上で、ロフト角のあるフェース面がボールと接触するときにかかるバックスピンの量を適正にコントロールできると、夢が現実となります。
決して筋肉ムキムキだから300ヤード飛ぶということはありません。
したがってボディビルダーのような筋肉をつけるための筋トレをしても、飛距離を得ることには繋がらないということになります。
まずはいかにヘッドスピードを速くするか、そのための筋トレをすることから始めなくてはいけません。
一般的に飛距離はヘッドスピードの5.5倍程度といわれますので、300ヤードを実現するには54m/sが目指すべきヘッドスピードです。
まずゴルフに限らず身体のねじりが必要なスポーツは、下半身を鍛えるのが一般的です。
上半身のねじりに対して正しくミートするためには、下半身の安定が必要不可欠なので、脚力強化から始めましょう。
300ヤードを目指すなら筋トレは三日坊主にしないこと!
300ヤードのゴルフスイングをするための下半身強化は散歩から始めます。
ダラダラと歩くのではなく、かかとから着地してつま先を蹴って歩くようなイメージで、軽く汗をかくように一生懸命の散歩を心がけます。
日常生活では時間が限られている通勤を利用すると良いと思います。
乗車駅を1駅先にするか、降車駅を1駅手前にするだけで、かなりの距離をしっかり歩くことができます。
歩行することにある程度慣れてきたらジョギングに切り替えると本格的な筋トレへとなっていきます。
またエスカレーターやエレベーターを使わずに、なるべく腿を上げる階段上りが、脚力を鍛える効果的な方法です。
さらに室内でできるスクワットも日常生活の中に取り入れましょう。
休憩時間など少しの合間にデスクに手をかけて背筋を伸ばして 前傾せずに膝を曲げ伸ばしします。
最初はゆっくり10回程度、慣れてきたら徐々にスピードを上げていき、最後は手をつかずに垂直にスクワットをしましょう。
そうして日常生活に取り入れることができれば、三日坊主にならずに筋トレ効果を得続けることができるはずです。
ストレッチと併用することで効果倍増!300ヤードを狙う筋トレ
下半身の筋トレは通勤途中や休憩時間などを使うだけで、十分に強化することができます。
間違っても早起きをしてトレーニングウェアに着替えてのジョギングなんて考えないでください。
継続するのが難しいからです。
300ヤードのゴルフスイングをするためには、継続できるメニューを選ぶことが大切です。
自宅では帰宅後、もしくは就寝前に腕立て伏せをしましょう。
学生時代であれば辛うじて10回程度はできたとしても、もしかすると身体を伏せた状態から1回も起き上がることができないかもしれません。
そんな状態でしたら、最初は壁に向かって腕立て伏せをしてください。
壁から50センチほど離れて、壁に手をついて腕立て伏せの動作をします。
鼻先が壁について、左右の肩甲骨が背骨の上でつくようにします。
10回~20回程度を毎日行えば、肩こりが改善されてぐっすり眠ることができるようになります。
慣れてきたら今度はテーブルに手をついて、同じように腕立て伏せを行います。
身体が斜めになることで、壁の時よりも負荷はかかりますが、同じ回数ができるようになるまで繰り返しましょう。
ゴルファーに必要な深層筋の筋トレ
300ヤードの飛距離を目指すためには、安定感だけでなくヘッドスピードの加速が必要です。
54m/s近くのヘッドスピードを生むのは「捻転するゴルフスイング」をしなければなりませんが、捻転するには肩甲骨の可動域を広げることが必要不可欠です。
テークバックは左肩を回転させるのではなく、左肩甲骨を背骨側から外側に向けて移動させ、右肩甲骨を背骨側に寄せるようにします。
この肩甲骨の移動によって体内にパワーが蓄積して、軸を中心とした捻転するゴルフスイングができるようになります。
そのためには、筋トレで肩甲骨の可動域を広げなければならないのです。
最終的にはあごを床につけるレベルの腕立て伏せができるようにしましょう。
その前段として膝を床につけた姿勢で腕立て伏せを行うと、普通の腕立て伏せのフォームでできるようになります。
この筋トレで大事なことは、最初の壁に向けた腕立て伏せの回数を減らさないことです。
通常のフォームで腕立て伏せができたら、一呼吸で一動作のゆったりしたスピードを意識して、深層筋を鍛えるイメージを持つようにしてください。
筋トレの成果を活かす300ヤードのゴルフスイング
下半身の強化と肩甲骨周りの強化のための筋トレを行っていると、腹筋に変化があることに気がつくはずです。
特に腕立て伏せによって体幹が整ってくるので、いわゆるバランスの良い体型になってきます。
この体型を維持しながら、いよいよ300ヤードの飛距離を狙うことにしましょう。
ゴルフスイングの理論はたくさんありますが、原則的には自分に合ったフォームで構いません。
教本に書かれているような素敵なフォームを作らなくても、300ヤードを飛ばすことはできます。
逆にフォームにこだわってしまうと、動きが硬くなりヘッドスピードが上がらない可能性のほうが高まります。
最初はドライバーを用意して素振りを行いましょう。
左手でヘッド側のシャフトを握り、風切り音が出るように素振りをします。
最初は右側から音が出やすいはずですが、1週間も振り続ければ身体の左側から安定して音が出るようになります。
これでコンパクトなテークバックに大きなフォロースルーができているはずです。
あとはグリップを握って、同じゴルフスイングを繰り返すだけです。
1日200回、音が聞こえる素振りを毎日繰り返せば、300ヤードは夢の距離ではなくなっているはずです。
ゴルフでは筋トレのほかに素振りが300ヤードに必要!
300ヤードを飛ばすためには、そのゴルフスイングができるだけの肉体が必要です。
しかしながらゴルフにとって筋骨隆々の筋トレは必要ありません。
ヘッドスピードを上げるための肩甲骨の可動域と、インパクトでのブレをなくすための下半身の安定が確保されれば、あとはスイングスピードを上げるための素振りを繰り返すことで、夢が現実となっていきます。