ドライバーショットにもだいぶ慣れてきた初心者ゴルファーが、次に悩むのはアイアンの番手の選び方。
実はこれ、初心者ゴルファーに限らない悩みでもあります。
そこで状況等に応じたラウンドでのアイアンの番手の選び方を解説します。
番手の選び方を考える前にゴルフ場ではグリーンまでの距離を把握
アイアンの番手の選び方の前に最初に把握しなければならないのは、グリーンまでの距離を把握しておくことです。
近年多くのゴルフ場ではセルフプレーが主流となっているので、自分で把握するしかありません。
キャディ付きのラウンドの場合は、キャディさんに聞けば教えてもらえます。
ではセルフプレーの場合はどのようにグリーンまでの距離を把握すれば良いのでしょうか。
ほとんどのゴルフ場にはコース内にヤード表示されています。
グリーンまで100、150、200ヤード地点にヤード表示の杭や旗、樹木が設置されています。
このヤード表示とボールの位置から、グリーンまでの大体の距離を把握することができます。
もちろん必ずしもヤード表示の横にボールがあるわけではありません。
そのためヤード表示からは歩測で距離を測定し、その距離を足したり引いたりして実際の距離を計算します。
ただしゴルフ場のヤード表示は、グリーンセンターまでの距離とエッジまでの距離があるのでどちらになっているのか気をつけてください。
番手選びをするためピンまでの距離を把握
グリーンとボールの距離が把握できたら、次はボールからピンまでの距離を把握しなければなりません。
ここが番手の選び方で一番悩まされるところです。
同じゴルフ場、同じホールであっても日によってピンの位置は違います。
ピンの位置表示は以下のように2種類あります。
・グリーンセンターから±○ヤード
・グリーンエッジから+○ヤード
と表示されています。
カートに「本日のピンポジション」と書いた紙が貼られていることが多いです。
またゴルフ場によってはピンがグリーンセンターより奥なのか手前なのか、そしてセンターなのかをピンの旗の色を変えたり、棒に手前や奥が一目で分かるようなパーツをつけていたりするところもあります。
それらの情報によってピンまでの距離を把握することができます。
ここからが難しいのですが、必ずしもピンまで打つ必要はありません。
なぜならグリーンのライや周りの状況によって狙う位置が変わってくるからです。
当然狙う位置が変わることで距離が変わり、選ぶ番手にも変化が出てきます。
ここでは番手の選び方に加え、リスクマネジメントやコースマネジメントなどが必要になることを理解してください。
ゴルフコースによって変わる傾斜を考えた番手の選び方
次に番手の選び方を難しくさせているのが、傾斜です。
ゴルフ場は練習場のように平らなところはほとんどありません。
グリーンまで上り傾斜になっているところや、逆に下り傾斜になっているところがあります。
さらにつま先上がりやつま先下がりが複合していることも多いです。
上りであろうが下りであろうが変わらずグリーンまでの距離を把握して、その距離の番手を選べば良いかというとそうではありません。
打ち上げのホールでは大きめの番手を選ばないとショートしてしまいますし、逆に打ち下ろしのホールでは小さめの番手を選ばないとオーバーしてしまうはずです。
このような状況での番手の選び方は経験や感覚が必要となりとても難しいです。
それでも基本となる目安はあります。
10ヤード打ち上げ、もしくは打ち下ろしであれば、±10ヤードと計算してください。
この打ち上げの距離は測定することはできないので感覚的な見た目で判断する他ありません。
距離測定器を持っているゴルファーであれば、距離測定器に「高低差±」で表示されるので分かりやすいでしょう。
ゴルフでは風を読むことも大切
ラウンドでの番手の選び方では風を読むことも大切です。
ゴルフは無風の状態でプレーすることはほとんどありません。
日本の平均風速は5m/sと言われています。
そして風には、追い風と向かい風があります。
ゴルフ用語で追い風をフォロー、向かい風をアゲインストと言います。
追い風の場合は小さめの番手、そして向かい風の場合は大きめの番手を選ばなければなりません。
また風の強さによって2~3番手くらいみた方が良いでしょう。
高く上がるボールほど風の影響を大きく受けます。
つまりショットが基本的に高い弾道のゴルファーはより番手の選び方が難しくなります。
低い弾道であれば風の影響をあまり受けないので、余程強風でない限り番手を変える必要はありません。
上級者になると風や攻め方によって弾道を打ち分けることができるので、番手選びに苦労することがありません。
ただし風速10m/sを超えるような日は、番手選びや技術等関係なくゴルフにならないくらいの風になるのでプレー自体を止めた方が良いでしょう。
ライの状況で考える番手の選び方
先に話したようにゴルフ場は基本的に平らな所は少なく傾斜のあるところばかりです。
それは打ち上げや打ち下ろしだけでなく、スタンスを取る場所にも関係します。
もちろん練習場のよう平らで何もないフェアウェイの場合は問題なく通常の番手を選べば良いです。
しかしフェアウェイバンカーであったり、浅めのラフや深めのラフ、そして左足下がりや右足下がり、つま先下がりやつま先上がりと様々なライがあります。
そのうちフェアウェイバンカーの場合は、トップ気味のショットになるので小さめの番手を選ぶべきです。
また浅めのラフであれば距離に変わりは出ませんが、深めのラフの場合は大きめの番手を選びましょう。
ただボールが見えないくらい深い場合は、フェアウェイに出すことを考えショートアイアンやウェッジを使うようにすべきです。
左足下がりや右足下がり、つま先下がりやつま先上がりの場合はクラブを短く持たなければならないので、その分飛距離が落ちることから大きめの番手を選ばなければなりません。
ゴルフは経験と言われるのは番手選びも含まれる
『ゴルフは経験』と良く言います。
それは練習やラウンド経験を積むことでショットの精度が上がったり、ショートゲームが上手くなったりすることを言います。
しかしそれだけでなく番手の選び方にも同じことが言えます。
ラウンド経験があまり無いと、先に説明したきたような様々な状況を考えてサッと番手を選ぶことができません。
やはり何度もラウンドを経験することで、感覚的な部分もそうですし、距離感など身につくことは多いです。
これらは決して練習場で練習するだけでは身につけることができません。
『ゴルフは経験』というのは、ただゴルフ歴の年数を重ねていることではないのです。
ゴルフ歴が数年であっても毎週末や毎日のようにラウンドに行っている人は、ラウンド経験がしっかりと身につきます。
逆に何十年もゴルフ歴があっても月に1度や1年に数回しかラウンドに行かない人は、ラウンド経験があまり無いので経験はあまり無いということになります。
だからこそクラブを買うときは慎重になろう!
クラブにあまりこだわりのないゴルファーもいます。
しかしクラブ選びの際に最低限守って欲しいのは、アイアンセットは同じメーカー、同じモデルを使うことです。
ロフト角などメーカーによって多少の誤差が出ます。
その誤差は飛距離等には大きな影響をもたらすからです。
こだわりが無くとも最低限のことは守るようにしましょう。