ゴルフにおいてパターの出来・不出来はスコアに影響を与えます。
そのため日ごろからストロークの練習をして、パターが上手くなることが上達の鍵となるのは間違いありません。
問題は単調なパター練習が飽きてしまうことです。
今回は先達の名言を参考に、パターの練習について考えていきます。
先達の言葉を参考にパターのストローク練習をする
パターの練習にはグリーンの芝が必要ですが、本芝のグリーンを設置している練習場はほとんどないと思われます。
もし近所にあるようであれば、それは是非とも使うべき練習場だと言えます。
そのため多くのゴルファーは自宅で練習をすることになりますが、ストロークができる市販の練習マットとターゲットになるカップが一般的な練習グッズになります。
それを揃えなくてもパンチカーペットやパイルカーペットでも問題はありませんし、木製フロアに布を敷いただけでもパターの練習はできます。
さらに転がす距離がなくても、ヘッドを動かすスペースさえ確保できれば、パター上達の練習方法はあります。
何より問題は飽きないことです。
自宅で練習すると、誰も見ていないし褒めてもくれないので、徐々に練習するのが面倒になり、また目に見えるような成果もなく飽きてきます。
確かに単調な練習を積み重ねることで1歩ずつ進むような上達ですから、直ぐに成果が出るわけでもありません。
そこで偉大な先達の名言を噛み締めながら、練習がいかに必要なのかを再認識していくことにしましょう。
ストロークの練習のときパターの構え方は自由でOK
ゴルフのことをあまり知らない人でも、おそらく聞いたことがある有名な格言に、『パット・イズ・マネー』があります。
ただこの有名な言葉は、英語を日本人的に意訳したものであって、正しくは『Drive for show, putt for dough』、つまり「ドライバーは見せるため、パットは金のため」と訳されます。
発したのは南アフリカ出身のボビー・ロックという選手ですが、もしかすると馴染みのない名前かもしれません。
実は、あまりの強さに米国ゴルフ界から追放処分となった、まさに伝説のプロゴルファーなのです。
実利を得る武器はパターであると説いたわけですが、実際の彼のストロークは真似をしたいとは思えないものでした。
トゥ側でストロークをする変則型で、しかも極端なクローズドスタンスです。
ドライバーでドローボールを打つようなパター捌きは、練習しても身につくものではありません。
そんなこともあり、「パターの構えには型がない」とも言われる、その原点を極めた選手でもあったわけです。
自分に合ったパターを見つけること
『パターを制するものはゴルフを制す』 という有名な格言があります。
一般的な18ホールのゴルフ場はパー72で、その内訳はショット数が36、パター数も36と設定されています。
練習でショット数の36を減らすことは難しいものですが、パター数であれば毎ホール2パットでなくても大丈夫な気はするものです。
スコアを縮めるのはパターであり、勝利をつかむためにはストロークが上手くなければならないと説いたのは、オーストラリア出身のウォルター・トラビスという選手です。
無類のパターの名手で、まさにパターの上手さで全英オープンを制します。
彼が使ったパターは、当時としては異端モデルだったのですが、あまりの上手さに英国人のプライドが許さなかったのかもしれません。
R&Aはルール上ではじめて用具に関するルールを作って、トラビスのパターを使用禁止にしたほどです。
ちなみに彼が使用したスケネクタディ・パターは、その後T字タイプやキャッシュインタイプへと発展していき、現在はここから派生したパターが主流となっています。
パターを練習するときは強めのストロークが重要!
マニアックな薀蓄(うんちく)ともいうべき格言に、『Never up, never in』という言葉があります。
意味は「届かなければ入らない」なのですが、ゴルファーであれば誰もが知っているのに、どんなに経験を積んでもこの名言から逃れることはできないようです。
発したのはトムモリス・シニアです。
息子さんがトムモリス・ジュニアで、こちらも有名なゴルファーですが、父親のトムモリス・シニアは現在の全英オープンの開祖であり、セントアンドリュースの申し子のような人物です。
そんな彼が現代のゴルファーに影響を与えたのが、セントアンドリュースの設計にかかわったときのことです。
このとき彼が作ったグリーン上のカップが108ミリだったことから、世界統一規格として現代までカップのサイズは変更されることなく受け継がれてきています。
ゴルフの神様とまで言われた名選手がストロークで弱気になるなという意味の格言には、どんなにパターの練習をしても、届かなければ意味はないということを教えてくれています。
パッティング上達の鍵はストロークの練習をすること!
パターに限らず練習をしないとゴルフが上達することはありません。
「一生懸命ストロークの練習をしても、方法が悪ければその進捗は遅くなる」と言われますが、練習をしないよりは絶対に上手くなっているはずです。
最強のゴルファーと言われたベン・ホーガンは、あまりの強さに「アンチ」のほうが多くなって人気のない選手生活を歩みますが、自動車事故で大怪我をしてからの復活で人気者となっていきます。
現在のゴルフ理論の多くは、このベン・ホーガンが残した著書『モダンゴルフ』の中のものです。
彼のゴルフは天才と称されましたが、実は練習による裏づけがあってのものだったようです。
ベン・ホーガンが残した言葉に『The secret is in the dirt』があります。
直訳すれば「秘密は泥の中にある」ですが、泥は土のことでしょうから練習をした結果がすべてだということになります。
当代最強のゴルファーと称されたベン・ホーガンでさえ、練習しなければ上手くならないと説いたのです。
パター練習ではストロークで顔を上げても大丈夫?
パターのストローク練習をするには、ヘッドの軌道を一定に保ち、フェース面をパッティングラインに合わせる必要があります。
具体的には、ダンボールの裏側からパターヘッドの幅にウッドティーを挿し込んで、ストロークのガイドにしてください。
ひたすらガイド内でストロークの練習をして、目を閉じてもティーにぶつからなくなったら、フェースを合わせることはできるようになるはずです。
あとはテークバックの幅と転がる距離の感覚をつかむだけです。
自宅で練習を重ねてから、ゴルフ場の練習グリーンで感覚をつかむようにすれば、少なくともストロークの不安はなくなっているはずです。
ちなみに「ヘッドアップは厳禁」という格言は、パターの打ち方を表したもの。
当初は「カップインの音を耳で聞け」だったそうですが、いつの間にかヘッドアップに代わっていったようです。
顔を上げることに問題ありませんが、顔を上げることで上半身が浮き上がると肩が高くなり、結果的にグリップの位置が高くなるので、ストロークに影響を与えると考えたようです。
現在の解釈ではストローク後であれば、向き直って両目でカップを見ても問題はないそうです。
ひたすら練習をすること、これこそがパター上達の鍵となるようです。
ボールを打たないことがパターのストローク練習になる?
パターのストロークを練習する場合、自宅ではボールを転がすよりもヘッドをスムーズに動かせるようにしたほうが良いようです。
目を閉じてもガイドにぶつからないようになれば、あとはグリーンの芝で転がり具合をチェックして完了です。
敢えてマットなど道具を買わずとも、上達する術はあります。
様々な方法で飽きることなく練習を続けていきましょう。