ゴルフのスコアメークはショートゲームの出来に掛かっていると言っても過言ではありません。
もし寄せワンができるようになれば良いスコアが期待できます。
そのためには状況別に打ち分ける必要があります。
ランニング、ピッチエンドラン、ピッチショットと言ったのは、打ち方の種類ではなくボールの高さとランの割合のことです。
ここではアプローチの「打ち方」の種類を中心に述べていきます。
基本的なアプローチのスイングの種類
アプローチのスイングで一般的なアドバイスは、「ハンドファーストにして距離は振り幅で打ち分ける」です。
ハンドファーストにするのは、ロフト角の大きいウェッジで打つときトップが出やすいので、それを防止するのにロフトを立てて打つためです。
振り幅は、例えば「50ヤードを狙うときフルスイング100ヤードのクラブでハーフスイング」という訳にはいきません。
フルスイングのトップでシャフトが地面に平行だとしたら、回る角度は270度です。
ハーフスイングなら135度です。
そしてスリークウォーターなら202.5度です。
ただそんなきっちりした位置でバックスイングを止めるなどできません。
練習で「50ヤードの振り幅」「40ヤードの振り幅」と、あらかじめ繰り返し体に覚えさせておくのです。
違う種類の方法は体重移動も体の回転も一切しない打ち方です。
これなら手が腰の辺りまでしか上げられません。
スリークウォーターなら、腰は回さず肩だけ回すようにします。
すると肩の辺りまで上がります。
シャフトがちょうど地面に垂直になる地点を基準にする方法はオススメです。
ただこの方法だと3/4というより2/3です。
また、ハンドファーストにする代わりにローリングを通常のスイング(バックスイングで右の手のひらが少し上を向く)と反対にする(バックスイングで左の甲が下を向く)と、トップを防止できますし、コッキングでオーバースイングをしてしまうことも防止できます。
スリークウォーターなら、ローリングを抑え、トップで両手のひらが地面に垂直になるようにしてください。
「ランニングアプローチ」という打ち方は存在しない?
「寄せの基本はランニングだ」と良く言われます。
短い距離ではボールを上げるのは難しくミスも出ます。
転がすだけのパターでダフッたりザックリなんてミスはまず起こりません。
ボールを上げようとする場合は、例えミスなくミートできても、距離感のミスも起こりやすいものです。
ヘッドスピードやスピン量が同じであっても、打ち出す角度次第で飛距離が大きく変わってしまうからです。
ではランニングアプローチはどんな打ち方をしたら良いのでしょうか。
それは8番、7番や5番といったロフトの立ったアイアンでパターのように打てば良いだけです。
わざわざ「チッパー」という種類のクラブも作られるのはそのためです。
中にはフェアウェイウッドを使ってアプローチするプロもいます。
つまりボールが花道にあるのなら打つ距離が短いほど長いクラブで打つことになります。
冬場で芝が枯れている状態なら、更にロフトのあるウェッジで打つのはミスが出やすくなります。
そんな場面であえてスピンの効いた低いボールを打つ打ち方「チップショット」を選択する場合がありますが、それは後述します。
バンカーの目玉と深いラフに沈んでいるのは同じ種類の打ち方
バンカーの目玉とボールが深いラフに沈んでしまった場合は、実は同じ種類のトラブルです。
それは「フェースが直接ボールに当たらないこと」です。
砂や芝がボールをまるでガードしているような状態になっています。
こんな場合のアプローチショットでは、どんな打ち方をすれば良いでしょうか。
ボールに直接当たらないにしても、ボールの下側にヘッドを届かせなければ、ボールは出ません。
これには、普通のレベルスイングでは届かないので、ヘッドを鋭角に降ろす必要があります。
鋭角に降ろすためにはバックスイングを鋭角に上げる必要があり、それには目標に背中が向くくらい極端なクローズドスタンスを取ることです。
ボールの少し手前からリーディングエッジを「ドン」と入れて周りの砂や芝ごと掻き出すイメージでフォローを出しません。
判断ミスしやすいのは、グリーンそばの土手の斜面のラフに埋まってしまったとき、左足下がりでグリーンも近いことから、スピンをかけたい気持ちでフェースを開いてしまうことです。
エクスプロージョンでのアプローチはバンカーだけの打ち方だけではない?
「エクスプロージョン」とは「爆発」という意味ですが、これはバンカーショットのときにまるで砂が爆発しているように見えることからつけられました。
ただ砂にクラブヘッドを叩きつければ良いという訳ではなく、ヘッドが砂に突き刺さってしまってはボールは出ません。
サンドウェッジにはバンス(ソール面についた丸み)が付いていて、砂の中でも抜けが良いようにできています。
バンスのない種類もありますが、フェースを開けば、ソールが後ろ下に傾くのでバンスの役割をします。
ボールの手前をリーディングエッジではなく、ソールが先に着地して滑って行くようにしてインパクトを迎えます。
バンカーでなくても、短いラフに浮いている等、ボールの下にソールが入り込むスペースがあれば打てるはずです。
例えばソールにインクをつけ、地面になるべく太く長く塗り付けるようなイメージで、ソール全体を滑らす感じで打ちます。
ただし長いラフに浮いているような場合は、ダルマ落としのようになってチョロが出るので気をつけてください。
バンカーでは、フェースを開いてオープンスタンスと良く言われますが、右足をボールに近づけてしまうとヘッドがボールに届いてしまいます。
ドライバーで300ヤード打つようにアドレスをすれば、ボールは左足前になるので自然とフェースは開きます。
それで普通にアプローチの打ち方をすれば、ボールの手前から入ってくれるのです。
距離感は、ボールではなく砂をどれだけ飛ばすかで出していきます。
打ち方に迷ったらどんな種類のアプローチをするか?
ディボットに入っている、芝が薄い等、ライの悪い状況のときはボールを運ぶような柔らかいアプローチは打てません。
体の回転や体重移動も極力抑えて腕の振り幅も小さくしますが、コッキングは大きなバックスイングから、ダウンスイングしていき、アドレスの位置で手を止めます。
手を止めても、ヘッドは止まりません。
止め方はゆっくり減速していくのではなく、急ブレーキをかけるような感覚です。
これはインパクトを緩めてしまうことを防止できるので、チョロとかザックリは出にくい打ち方です。
ただしこの打ち方の距離感は感覚として行う部分が多く、微妙な距離の打ち分けは難しいので、ライの悪いときにミスの出にくいアプローチの種類として使うのがオススメです。
一般に言う「パンチショット」がこの打ち方に似ています。
グリーン周りからウェッジを使う打ち方の種類
前述でアプローチでは打つ距離が短いほど長いクラブで打つとしましたが、グリーンが速い、ピンまで近い等、スピンを効かせるためにロフトの大きいクラブを使いたい場合もあります。
速いグリーンのためウェッジでランニングさせるようなときは、左足を目標に向くくらいオープンにして、右足は左足に添えてしまいます。
その状態でハンドファーストで最大限ボールを後ろに置きます。
そこからスイングは低いバックスイングから低いフォローを出していきましょう。
逆にピンが近く、あまりランが出ないようにしたいときのアプローチは、シャフトの延長線と両腕の肘の高さが同じになるようにクラブをアップライトにします。
すると、ヒールがかなり浮いたアドレスになりますが、このままパターの打ち方と同じように腕でできた五角形を崩さず肩のストロークだけでスイングするのです。
ボールがフェースのトゥーの下側から、ネック側の上部に転がって行くようなイメージで打ってください。
フワッとしたボールが出るはずです。
「パットに型なし」と言うが、アプローチにも通じる
「パットに型なし」と言われることがありますが、アプローチにも似たようなことが言えるのではないでしょうか。
今回アプローチのいろいろな種類の打ち方を紹介しましたが、試されても良いし、少しアレンジしたり自分なりに創意工夫した打ち方をしても良いでしょう。
自分に合った打ち方を見つけて、ゴルフを楽しんで行きたいものです。
自信を持って寄せられると本当にゴルフが面白くなります。