ゴルフコースをラウンドする際、ティーショットで利用するドライバーの成否がその日のスコアを決めると言っても過言ではありません。
ドライバーは他のクラブよりも飛ぶため、インパクト時のフェースのちょっとしたズレだけでもボールが大きく左右に曲がってしまうからです。
ドライバーに限らず全てのクラブの方向性を安定させるハーフスイングの打ち方、ドライバーのアドレスからバックスイング、インパクトまでに注意すべき点を今回は見ていきます。
また実際のコースでOBを出さないドライバーの打ち方についてもまとめます。
ドライバーの打ち方の基本を押さえてゴルフスキルの土台作り
ドライバーであれアイアンであれ、ゴルフの打ち方の基本を身につける際に重要になるのは、正しいアドレスとグリップです。
ここでは、ドライバーのゴルフスイングの基本となるアドレスについて説明します。
ゴルフのルールでは、スタンスをとっていたかどうかにかかわらず、球の直前または直後の地面にクラブを置いたときに、そのプレーヤーは球にアドレスしたことになると定義されています。
そんなアドレスを取るときに注意すべき点は、ボールの位置、スタンス幅、姿勢、グリップの位置の4つです。
ドライバースイングがアイアンと大きく異なるのは、ティーアップしたボールを打つため、ボールをアッパーブローで捉える必要があるということ。
アッパーブローとは、ドライバーがスイング軌道の最下点を過ぎ、上昇してきたところでボールを打つことです。
そのため、ボールの位置は左足のかかとの延長線上に置くようにしましょう。
次にスタンス幅は、ドライバーの場合肩幅くらいが一般的です。
スタンス幅は広いほど下半身が安定し、体重移動の幅を広げることができるので飛距離も出しやすくなります。
ただし体の硬いゴルファーは肩幅までスタンスを広げてしまうと、体の捻転が不足しがちですので、肩幅より少し狭めにしたほうが十分な体の捻転が得られます。
姿勢は上半身を腰から折っていき、前傾角度はクラブと背中のラインとが直角になるようにします。
また、そのときに必ず右肩と左肩のラインがターゲットを向いているかチェックしてください。
ターゲットに向いていないと、スライスやフックが出る原因となるからです。
最後にアドレス時のグリップは左太ももの内側に来るようにしましょう。
ハーフスイングを身につけてドライバーの打ち方をマスター
ドライバーに限らす、ゴルフスイングの一連の流れの中で一番重要なゾーンは以下の通りです。
スイングが始動し地面とクラブが平行になる右腰から、インパクト後クラブが地面と平行になる左腰までの約180度のゾーンで、「ビジネスゾーン」とも言われます。
ビジネスゾーンという言葉の由来は、このゾーンで完璧なスイングができれば、「ゴルフでご飯が食べていけるから」だと言われています。
ドライバー、アイアンに関わらずフルスイングの練習ばかりをしているゴルファーが多いですが、ビジネスゾーンの範囲でボールを上手に打てるようになるまでは、フルスイングではなくハーフスイングの練習をおすすめします。
まずティーはいつものドライバーショットのときより低くし、ボールも1個から2個分右足側にします。
右足に体重を乗せていき、ドライバーと地面が平行になった時点で、左足を踏み込みバックスイングに入ります。
男性ならこのスイングで約150ヤードを真っ直ぐに低い弾道で打てるまで練習します。
女性なら100~110ヤード程度でしょうか。
ゴルフスイングの基本ができる前に、いくらボールを打っても下手を固めるだけになりかねません。
一旦固まった悪い癖はなかなか治りません。
悪い癖が固まらないよう、まずはビジネスゾーンの打ち方をマスターするようにしましょう。
ドライバーのテークバックで多くのゴルファーが気をつけるべきこと
それではドライバーでのビジネスゾーン習得のためのハーフスイングの打ち方がある程度身についたら、次にフルショットの練習に入りましょう。
ドライバーに限らず、ゴルフの打ち方で最も気をつけなければならないのは、アドレスで作った前傾姿勢の角度をテークバックからインパクトまでキープすることです。
前傾姿勢がキープできないと体の軸が固定されず、インパクトでのスイング軌道か安定しません。
その結果、スライスやシャンクといった様々なミスが発生するのです。
次にクラブを始動させるテークバックは、右足に体重を移動させながらボールから約30センチだけ真っ直ぐにクラブを後に引くことを心掛けます。
このときクラブはできるだけ低い状態をキープしなければなりません。
テークバックしてすぐにクラブが高く上がってしまうと、インパクト時の入射角が深くなりダウンブローで打ち込むことになりやすく、ボールのスピン量が増え、ボールが吹け上がり飛ばなくなります。
またドライバーが地面と平行になったとき、シャフトが飛行線を向いているかをチェックすることもとても重要です。
ドライバーのフルショットに慣れるまでは、ドライバーが地面と平行になった時点でテークバックを一旦止めてシャフトが飛行線に向いているかをチェックし、向いていなければシャフトの位置を変えて、あるべき状態にしてからバックスイングをするのがおすすめです。
ドライバーのトップの作り方
バックスイングは腕だけでドライバーを上げてはいけません。
腕だけや腕の力を主に利用したドライバーの打ち方は、飛距離も得られず方向性も安定しませんので、必ず体の回転で上げるようにします。
その時注意しないといけないのは、バックスイング時に頭を動かしてはいけないと思うあまり、体が前に突っ込み軸がぶれてしまうことです。
「アドレスからインパクトまで頭の位置を動かさない」というのは様々なゴルフ本で書かれていますので、一度は聞いたことがあるゴルファーも多いのではないでしょうか。
しかしその意識が強すぎてバックスイングでボールを見過ぎてしまうと、上体が前に突っ込み過ぎてしまい軸がブレてしまいます。
頭の位置を動かさない効果的な対策は、顔を飛球線の後ろ側に向けることです。
この動作により、体の軸がブレずに両肩を回転できスムーズにクラブを上げられます。
体を使って肩を回していき、アドレス時の肩の回転角度を0度としたら、そこから背中が飛球線上を向く状態である90度まで回転させればトップは完成です。
最後にクラブを上げていくときに注意したいのは、右打ちのゴルファーであれば右肘の位置です。
右肘はテークバックからバックスイングの完成まで地面を向いていなければなりませんので、一度練習場で自分のスイングを分解しながらチェックすることをおすすめします。
切り返しからインパクトまでにも打ち方のポイントがある
バックスイングは左脚の踏み込みから開始しますが、このとき頭は絶対にボール側に突っ込んではいけません。
左脚を踏み込みながら右手首の角度を維持したまま、左腕と地面が平行になる位置まで腕を下げます。
腕を下に動かすのでなく、左脚への踏み込みにより左にスライドするイメージで動かしましょう。
また、このとき右肘は地面を指していなければなりませんし、右肘は畳んだ状態にしておかなければなりません。
ドライバーのヘッドが降りきってないときに右肘を伸びてしまうと、アウトサイドインやインサイドアウトの軌道になり、フックやスライスの原因となりますので注意が必要です。
この打ち方によりドライバーのヘッドはインサイドから降り、最短ルートを通りインパクトを迎え、効率的にボールに力を伝えられます。
インパクト時の両腕の正しい状態は、左腕が伸び右腕が曲がった状態です。
この状態でインパクトを迎えられれば、ボールに力を伝えられます。
インパクト時も、テークバック時と同様に右手首の角度はトップ時の角度を維持します。
フルスイングした結果、右手首の角度が変わってしまうゴルファーが少なからずいますが、手首の角度の解放が早いとスライスやダフりが多発します。
右手首の角度はインパクトでもキープするようにしましょう。
逆に手首のリリースが早いと両腕が伸びきった状態でインパクトを迎え、また曲がった状態ではインパクト時にボールに力を伝えられません。
右手首の角度がリリースされるのはインパクト後のフォロースルーの段階です。
このリリースとともに初めて右肘が伸び右腕が左腕を追い越していきます。
フォロースルーで右肘が伸びる打ち方により、ドライバーのヘッドスピードを最大限ボールに伝えられ飛距離が伸びるのです。
インパクト後のフォロースルーで気をつけないといけないのは、フォロースルー時に手首を甲側や手のひらの側へと折ってしまうことです。
この動きが生じると、ボールが左に出るミスが多く出てしまうので注意が必要です。
ゴルフの打ち方で最も難しいのが切り返しより後と言われています。
自分の体の動きを携帯電話やビデオで撮影して、上記記載の動きができているか確認してみてください。
ゴルフコースでOBを出さないドライバーの打ち方
パー72のゴルフコースの場合、パー3のホール(インとアウト各2ホール計4ホール)以外はドライバーを使用されるゴルファーが多いのではないでしょうか。
そんなティーショットのドライバーでOBになった場合、アマチュアゴルファーならローカルルールにより3打罰を受け入れてプレイング4の特設ティー、またはティーショットのボールがOBゾーンを超えた地点にボールをリプレースしてプレーを再開することになります。
これでは2打目3打目をチョロやトップしたのと異なり、ボギー以上を覚悟しなければならず、そのショックは相当なものです。
アマチュアゴルファーの中には、ボールが曲がるのはダメなことと思ってしまう方がいるかもしれませんが、この考えを捨てることから始めてください。
自分の持ち球が概ねフック系、スライス系と分かっているゴルファーは、ティーグラウンドを広く利用するだけでOBの確率はグッと下がります。
スライス系が持ち球の場合、ティーグラウンドの右端に立ち対角線上の左のラフかフェアウェイの左端を狙います。
対してフック系が持ち球の場合は、スライス系の逆でティーグラウンドの左端に立ち対角線上の右のラフかフェアウェイの右端を狙います。
こうすることでボールの曲がりが想定している範囲内であれば、ラフかフェアウェイにボールは間違いなく残ります。
ただいつも同じようなドライバーの打ち方をしているのに、前回はスライス、今日はフックという方も多いのではないでしょうか。
このタイプのゴルファーは、少し早めにコースに行き、ラウンド前の練習でドライバーで打ったボールの軌道をチェックし、フック系かスライス系か見極めると良いでしょう。
それでもラウンド中にOBが連発するようであれば、ドライバーを拳1個分ほど短く握りパターを打つような感覚の打ち方に変えてみてください。
ミート率がアップするので飛距離もある程度確保できますし、コンパクトなスイングのためボールも曲がりません。
成功確率アップがスコアアップにつながるドライバー
今回はティーショットで使用頻度の高いドライバーの基本的な練習方法から、ゴルフコースでOBを出さない打ち方についてまとめました。
ドライバーに限らずゴルフの打ち方をマスターするには、右腰から左腰までのハーフスイングの練習が効果的です。
バックスイングからインパクトまでは右手の手首の角度をキープし、右肘が常に地面を向いているようにするだけで、ドライバーの方向性、飛距離は改善されます。
ゴルフコースをラウンドするときは、自分の持ち球にあった場所から打つだけでOBの確率はグッと下がりますので一度試してみてください。