近年、ゴルフクラブの進化は目覚ましく、一昔前までは見たこともないようなクラブが一般的になっています。
その象徴的なクラブの一つがユーティリティです。
アマチュアゴルファーだけでなく、プロゴルファーも使用するのが当たり前なほどに、ユーティリティは一般的な存在として活躍しています。
また力の弱い女子やシニアゴルファーだけでなく、男子にとっても強い味方として活用しています。
そこで今回、ユーティリティの活用に役立つことを、初心者でも分かりやすい練習方法を交えながら説明します。
ユーティリティは打ち方が分からない初心者でも扱いやすいクラブ
ユーティリティというクラブの概念は比較的新しく、一般的にロングアイアンやウッドに比べると易しいとされています。
理由は、クラブの長さがアイアンと同等であることと球の上がりやすさにあります。
そのため、初心者から上級者まで、幅広いゴルファーから愛用されています。
上級者のように、すべてのクラブをそれなりに使いこなせるゴルファーであればユーティリティの出番は少ないかもしれません。
しかし、アイアンもドライバーも打ち方が分からずあまり使いこなせない初心者であれば、ユーティリティの特性を利用しないのはもったいないと言えます。
球が勝手に上がってくれる感覚はダウンスイング習得には欠かせない感覚です。
また、スイートスポットがやや広く設定されている点から、ある程度のミスを許容し球が飛んでくれる安心感。
ユーティリティでは、初心者が他のクラブでは味わうことのできない、ある種ゴルフの感性ともいえる側面を鍛えることができるのです。
この感性がゴルフ上達には欠かせない要素だということを覚えておいてください。
ドライバーの代わりにユーティリティを使用する
ゴルフ初心者の多くはドライバーを苦手としていると思います。
ましてや、スプーンやクリークは使いこなすまでには大概のゴルファーが苦労し、ある程度の期間を要します。
そんなゴルファーにお勧めしたいクラブこそ、ユーティリティです。
クラブの番手やゴルファーの打ち方によって個人差はあるものの、おおよそ150~220ヤードの飛距離であればユーティリティで打つことが可能です。
そう考えると、下手にドライバーやウッドを使うよりも、初心者に優しいユーティリティを多用したほうがスコアメイクに繋がることは言うまでもありません。
ユーティリティでティーショットをする際、一般的にティーアップの高さもドライバーと比較すると低くティーアップします。
そのため、ドライバーのようにアッパースイングで打つ必要がないため、ラウンドを通して打ち方に変化をつけることなく、同じような打ち方でユーティリティ、アイアン、アプローチとリズムをつけることができます。
いわば、ドライバーやウッドが打てるようになるまでの間の秘密兵器的役割を担ってくれます。
初心者にとってユーティリティはスイング作りに役立つ
ユーティリティを練習場で使用しているゴルファーは少ないように感じます。
それはなぜでしょうか。
一般的なゴルファーは使用頻度の高いクラブほど練習場で使用する傾向にあるからです。
しかし、初心者がこの練習方法を真似しても、あまり効果的な練習方法とは言えません。
ドライバーやショートアイアン、ウェッジでスイングにばらつきが出る。
スイングが分からなくなる。
ゴルフ初心者においては良くある問題だと思います。
そもそも、様々なクラブの特性や打ち方を理解していないゴルフ初心者における効率の良い練習方法は、中立的なクラブで練習することであると考えます。
そこでユーティリティの出番です。
ユーティリティのシャフト部分はアイアン、クラブヘッドはウッドに形状が類似しています。
すなわち、どちらの要素も秘めているということになります。
また、ユーティリティの特性として、クラブヘッドの重心が低く設定されているため、球を上げようとしなくても自然と上がりやすいように設定されています。
そのため、ダウンブローの習得やスイングバランスの調整にはもってこいのクラブと言えます。
初心者でも分かるユーティリティの打ち方のコツ
初心者にも分かりやすいユーティリティの打ち方。
それは、クラブの特性を理解して性能を利用することから始まります。
先程から述べているように、ユーティリティは球が上がりやすく設計されているクラブです。
そのため、過剰なダウンブローやアッパーブローは必要ありません。
強いて言えば、適度なダウンブローが必要だということです。
自然と球は上がります。
そこで単純なユーティリティの打ち方のコツを一つ覚えてください。
それは、グリップの根元を持ち、極端に短くグリップすることです。
そしてある程度打てるようになってきたら、指一本分ずつ長くグリップしていくのです。
これがグリップの末節側まで長くグリップしても打てるまでひたすら反復練習するという単純なものです。
この練習方法を繰り返し行うことで、自分が難しいと感じるクラブの長さを理解することができます。
また、ある程度の長さまで打てるようになると、自然と同じ長さのアイアンも打てるようになることが多いです。
短くグリップしたコンパクトなスイングにこそ、打ち方のコツが秘められているので、是非お試しください。
ゴルフ初心者でもできるユーティリティの打ち方の応用
ゴルフ初心者にとって、ただただ全力でスイングすることが練習だと勘違いしている人は多く、むしろ力の抜き方が分からないという人もいるようです。
そんな体育会系のゴルファーのスイングを脱力させることが、ユーティリティを使ったある練習方法でできます。
それはズバリ、アプローチです。
アプローチと言っても、10~50ヤード以内の短いアプローチです。
ユーティリティでアプローチすることで得られる効果はいくつかありますが、その中でも一番分かりやすい効果があります。
それは絶対にダフらないクラブの特性効果です。
ダフる感覚ばかりを覚えてしまうと、自然とスイングがアッパーブローになります。
初心者にとって、地面に向かってスイングしていくことは恐怖心がありますよね。
そんな恐怖心を、ユーティリティが解決してくれます。
短いアプローチをダフらないユーティリティで練習することで、恐怖心を払拭する効果を得るのです。
どうしてもあおった打ち方になってしまう人や、ダフってばかりで全然球が打てない人。
こんなゴルフ初心者には即効薬になりますので、お試しください。
初心者にも易しいユーティリティの落とし穴とは
ゴルフ場には、バンカーやラフ、ベアグラウンド等様々な環境の変化があります。
それらの環境の変化に対応し、最も適したクラブを選択することが大切なのは言うまでもありません。
初心者にも易しいクラブ設計のユーティリティですが、当然弱点もあります。
それは、球の置かれた環境に左右されやすいという点です。
分かりやすく説明すると、クラブのロフト角が立っていればいるほど芝や砂の抵抗を受けやすくなります。
そのため、フェアウェイ以外の球をユーティリティで打つには、よほどジャストミートでもしない限り球は飛んでくれません。
例えば、芝の深い場所や少し沈んだライです。
このような球を無理に打とうとすると、トップやチョロがほとんどです。
また、バンカーショットも難易度が高く、たまにテレビでプロゴルファーが打つ場面がありますが、球を確実にクリーンに打つ技術がなければまず困難です。
どんなに打ち方を理解していても、不向きなクラブを難しい場面で使うことは無理があります。
そのため、フェアウェイにある球を打つことを前提にユーティリティを使用してください。
ユーティリティを上手に活用する
ほとんどのアマチュアゴルファーがクラブセッティングに取り入れているとは思いますが、振り返ってみればラウンドで1回も使わなかったという経験があると思います。
しかし、勇気を出して是非ラウンド本番のティーショットやセカンドショットで一度使用してみてください。
クラブの性能を発揮できる場面は意外に多くあることに気がつくはずです。
それがスコアメイクやゴルフ上達に必ず役に立ちます。