飛ばせるドライバーのロフト角は12度以上あったほうが良い訳

飛ぶ人の多くはフェース面の立っているドライバーを使っているという神話があります。

確かに過去にはそのような時代もありましたが、現在はロフト角12度以上のドライバーが飛ぶという考え方があるのをご存知でしょうか。

そこで今回はロフト角の大きなドライバーがなぜ飛ぶかについての理由を考察します。

ドライバーのロフト角は12度以上あると本当に良いの?

一部のゴルフ業界の中では、ドライバーのロフト角は12度以上あると良いと言われています。

フェアウェイから「直ドラ(ジカドラ)」をしてもボールが飛ばないのは、正しい打ち出し角になっていないからです。

ティーアップしたボールを打つときとヘッドスピードは変わらなくても、打ち出し角が少ないため途中で失速してしまいます。

ドライバーを使うときだけ高いティーアップをしているのは、適正な打ち出し角でボールを打つのが目的です。

打ち出すときに、ボールがもっとも良く飛ぶ放物線が描けるようにと、インパクトの時点で角度を決めます。

打ち出す角度は14度が良いと言われています。

ドライバーのティーショットは、ティーアップしたボールの手前にスイングの最下点を設定し、最下点を通過してフェース面が上昇しながらボールをとらえます。

この上昇するスイングのことをアッパーブローと呼び、ドライバーのティーショットで適正な打ち出し角を出すための必須条件となっています。

仮にロフト角11度のドライバーを使用した場合、アッパーブローの角度は3度必要になる計算です。

ロフト角が12度でも求められる打ち出し角は14度

ドライバーのロフト角が11度であれば、適正な打ち出し角と言われる14度に3度足りません。

ボールの側面を狙ってスイングすると、強力なインパクトを与えても、打ち出し角が足りずに着弾を早く迎えることになって飛距離を得られません。

もしもボールの側面をインパクトするティーショットをするのであれば、最初からロフト角14度のドライバーを使用すれば良いと考えられます。

スイングが難しいアッパーブローをしなくても、打ち出し角と同じロフト角を持つドライバーを使えば、簡単に飛距離を伸ばすことができる計算が成り立つからです。

しかしながらロフト角14度のドライバーを見たことはあるでしょうか?

一般的にロフト角14度はスプーンとして使われています。

「ドライバーよりもスプーンのほうが飛ぶ」というゴルファーは、ボールの側面をとらえるレベルブローでドライバーをスイングをしているのかもしれません。

ただし、前提となる14度の打ち出し角は机上の論理であって、実際には12度以下のロフト角のドライバーを使ったほうが飛んでいることは皆さん知っているはずです。

ハードヒッターが使うドライバーのロフト角が12度ではない理由

ハードヒッターと呼ばれるゴルファーの多くは、ドライバーのロフト角が12度以下です。

ドライバーでロフト角12度以下を使っているのは、アッパーブローのスイングが上手いという理由もありますが、スピン量を抑えるためというもう1つの理由があります。

飛距離を構成するのは、ボール初速と打ち出し角とスピン量です。

ヘッドスピードの速さにスイートスポットでボールをとらえるミートの確率を数値化したのが初速で、ドライバーのロフト角にアッパーブローの角度を加えたのが打ち出し角、そしてバックスピン量を低減させることで吹け上がりを抑えて理想の放物線を描けるようにします。

ボールの側面をドライバーのフェースでとらえると、フェースの斜度であるロフト角によってバックスピンがかかります。

そのスピン量は、ロフト角の小さなドライバーを使うと比例して減っていきます。

つまりロフトの小さいドライバーはバックスピンを減らすのが容易なのです。

スプーンのほうがロフト角12度のドライバーよりも飛ぶ?

スピン量を低減するためには、ロフト角の小さなドライバーを使い、理想の打ち出し角を得るために大きな角度のアッパーブローのスイングを狙います。

現実的にフェースの立ったドライバーが飛んでいるのは、このスピン量の低減があったからです。

ただこのスピン量の低減による飛距離アップは、ハードヒッターでなければなりません。

ヘッドスピードが遅いのにスピン量が少なければ、浮力が足りず放物線の最頂部に達する前に失速してしまうのです。

ヘッドスピードの遅めのゴルファーにとっては、ある程度スピン量のあるほうが飛ぶと言われています。

まずロフト角が12度よりも大きなスプーンのほうがドライバーよりも飛ぶ人は、普段レベルブローでスイングしていると考えられます。

そしてバフィーやクリークとも飛距離がそれほど変わらないという人は、スピン量による浮力で飛ばしていると考えられます。

つまりこのケースでは正しいアッパーブローのスイングをしたとしても、ヘッドスピードを強化しないとドライバーの飛距離は伸びないということです。

ヘッドスピードの強化は、筋力アップやストレッチなどを含めたトレーニングをしなければならず、現実的ではないと考えられます。

ロフト角12度のドライバーが苦手なときの2つの選択

ドライバーのヘッドスピードはそれほど速くないのであれば、ロフト角を12度以上にすれば飛距離の問題はある程度解決できます。

前項で適正な打ち出し角は14度だと説明しましたが、さらにヘッドスピードが遅めの場合は18度が必要と言われていますので、6度も差があると普通のアッパーブローのスイングでは対処できません。

そのため現在のスイングを大きく変えずにドライバーを使ったティーショットを続けていくためには、ロフト角のさらに大きなクラブが必要になってきます。

選択方法は2つあり、1つ目はロフト角の大きなスプーンの中で、反発係数の大きなものを探すことです。

ドライバーと遜色ない反発力を備えているスプーンが最近は多数販売されていますので、ティーショット用としてセッティングするのです。

もちろん設計はスプーンですから直打ちでも対応することはできます。

そして2つ目は調整機能付きクラブから探すことです。

メーカーによってはロフト角を増やせることを売り文句にしているところがあります。

そのモデルの中でもっともハイロフトを選べば良いのです。

標準は柔らかいシャフトと組み合わさっているのですが、カスタムで好みのシャフトに変更することができれば尚使いやすくなるでしょう。

ドライバーのロフト角が12度以上になる時代が来るかも?

日本には「フェースの立っているドライバーが売れる」という神話が昔からあり、各メーカーともにロフト角は9度から11度程度を主流商品としています。

上級者の多くがロフト角の小さなドライバーを使っていた時代があって、その名残りが現在まで市場を席巻しているようです。

当時のドライバーのヘッドは木製のパーシモンだったことで、上級者の中ではヘッドスピードの速さをダイレクトに伝えられるフェースの立ったモデルが人気となっていました。

時代は変わり、現在のドライバーは内部が空洞の薄い金属製なので、インパクトでフェース面が弾んで打ち出すときのスピードが木製と比べ物にならないほど速くなっています。

ヘッドスピードが速くなくてもボールを弾けるようになったことから、打ち出す角度とバックスピン量が重要になってきています。

ドライバーに12度以上のロフト角があれば、ボールの側面にフェースを合わせるだけで、理想とする打ち出し角が近づけられるわけです。

ヘッドスピードを速めるための特別なトレーニングや練習をしなくても、また打ち出し角を意識したアッパーブローのスイングをしなくても、簡単に飛距離を伸ばすことができるようになる計算です。

日本人の意識が変われば、ロフト角12度以上のドライバーが当たり前になる時代がやってくるかもしれません。

ドライバーのロフト角が12度以上のドライバーを使ってみよう

ドライバーのロフト角は、12度以上あるほうが飛距離は伸びると考えられていますが、市販のドライバーにロフト角14度や16度は見当たりません。

従来の上級者が使用していたロフト角の小さなドライバーを崇拝した結果が今も続いています。

新しい時代を切り開くために、簡単に飛距離が伸ばせるロフト角の大きなドライバーを使ってみることをおすすめします。