アイアンはフェースの上向き角度であるロフト角が飛距離の打ち分けの役目を果たしています。
ロフト角が小さくなればなるほど低く遠くへ飛ぶからです。
そのためドライバーでも飛距離を求めるゴルファーは、ロフト角の小さなタイプを使っているようです。
今回は単純にロフト角を小さくすれば、ドライバーの飛距離はアップできるのか考えます。
ドライバーで飛距離を狙わないならロフト角のあるクラブにすべき!
ドライバーの役割は飛距離を求めることです。
誰が何と言っても、ドライバーは飛距離を得るために使う道具です。
そのためドライバーでフェアウェイのセンターに置きにいくようなコントロールショットをするくらいなら、番手を落としてロフト角の大きなフェアウェイウッドやユーティリティを使ったほうが安全です。
ただ毎回100パーセントの力でスイングをするようだと、方向が定まらずスコアがまとまりません。
技量の最高峰にいるプロゴルファーでも、70~80パーセントの力でスイングをしていると言われています。
このことから100パーセントの力を発揮していないのに、常に飛距離を狙っていることに疑問はあるかもしれませんが、フルスイングをしていたりグリップの握る位置を変えていなければ、役割を果たしていると考えているようです。
20~30パーセントの差は、スイングスピードとコックをリリースするタイミングです。
もっと速くスイングができたとしてもミート率は下がることがありますし、ゆっくりスイングしてもギリギリまでコックを維持してインパクトの直前でリリースができれば、ヘッドスピードは加速させられます。
ドライバーの飛距離アップはロフト角に合わせた素振りが大事
ドライバーで飛距離を伸ばそうと考えたときと、最初に取り組むのはパワーではないでしょうか。
パワーアップは飛距離に通じるからと、例えば下半身強化として生活の中に軽いジョギングや階段の上り下りを入れたり、室内での腹筋や腕立て伏せなどの筋力トレーニングに励んだりするものです。
おそらくそうしたすべての運動は大小あれど飛距離アップの効果をもたらすことでしょう。
ただし直接的な効果を感じられるまでには、相当なトレーニングを積まなければならないはずですし、努力の割に飛距離は伸びないかもしれません。
ドライバーに限っては、飛距離を伸ばすための方法として素振りが効果的です。
仮想のボールを見立てて普通に素振りをすれば、徐々にスイングピードは速くなり、実際にボールを打ったときに衝撃力がアップしているはずです。
この素振りはスイングスピードのアップだけではなく、ロフト角を意識したインパクトも同時に習得できます。
ドライバーのロフト角を生かしたインパクトができれば、飛距離は大きく伸ばすことができます。
ドライバーよりスプーンの飛距離が勝るのはロフト角が理由
ドライバーよりもスプーンのほうが飛ぶと聞くことがあります。
多くの場合は、スプーンのほうがシャフトの長さ短いので、正確なインパクトをその理由としているようです。
確かにそれも間違いではありませんが、実はロフト角が大きく関係しています。
一般的なスプーンのロフト角は15度前後です。
ボールの側面をスプーンで打つと、15度の角度で飛び出すことになりますが、この打ち出し角こそが理想的な飛距離を生む放物線を描く角度なのです。
ただドライバーよりもシャフトが短くヘッドの体積が少ないために、初速が劣るためドライバーのほうが飛ぶことになります。
つまりドライバーも打ち出し角を15度にすれば、理想的な放物線に近づき飛距離を伸ばすことができるわけです。
問題はドライバーのロフト角の多くは11度以下だということです。
スプーンのように、インパクトでボールの側面を打ってしまうと、打ち出し角はロフト角通り11度程度にしかなりません。
適正な打ち出し角にするためには、打ち出し角を足すアッパーブローのスイングが必要です。
ロフト角を立てたからと言って飛距離は出せない!
11度程度のロフト角しかないドライバーで、ボールをレベルブローで打つと、打ち出し角が足りず着弾が早まって飛距離は伸びません。
11度のロフト角で15度の打ち出し角にするためには、ボールを下からインパクトをするアッパーブローのスイングが必要です。
ドライバーはそうしたアッパーブローが必要なことから、地面から約4センチ上にティーアップしているわけです。
おそらく「スプーンのほうが飛ぶ」ゴルファーは、せっかくティーアップしたにもかかわらず、ボールの側面をインパクトしているはずです。
ただティーアップしたからと言って、ボールを下から打つのは慣れなければ難しいことです。
そこで大事なのが、毎日「素振り」を繰り返すことなのです。
ボールの手前10センチのところに目がけてヘッドを振り下ろします。
スイングの最下点を通過すると、フィニッシュに向けてヘッドは浮かび上がってきますので、フェース面は上を向いています。
このフェースの角度が15度になっていれば、理想の打ち出し角で打つことができます。
ドライバーは打ち出し角とバックスピン量次第で飛距離は伸びる
ドライバーのロフト角では理想とする打ち出し角に足りないため、アッパーブローのスイングでボールを打ち出さなければならないと説明しました。
ヘッドスピードにもよりますが、理想とする打ち出し角は14~18度と言われています。
ゴルフボールは空気の壁をバックスピンでかわしながら飛ぶため、この角度で打ち出しスピンが適量であれば、失速せずに飛距離を伸ばすことができます。
打ち出し角に対してロフト角が大きすぎると、増えすぎたバックスピンによって吹け上がってしまうので、飛距離ダウンになってしまいます。
反対にバックスピンが少ないと空気の壁にぶつかって失速し、すぐ着弾してしまいます。
ちょうど良い角度で打ち出すことが重要であり、それと同時にフェース面を上にしてインパクトをすることで過度なバックスピンを抑えることも期待したいわけです。
インパクトでのバックスピンを増やす摩擦を軽減するには、打ち出したい角度とインパクトロフト角がより近くなるようにします。
ちなみにハードヒッターがロフト角9度以下を好むのは、速いヘッドスピードでボールを潰しても、フェース面をこすり上がることが防ぎ、バックスピン量を減らして吹け上がらなくなるからです。
ドライバーの飛距離はロフト角+アッパーブローが必要
ドライバーの飛距離を伸ばしたいときは、自分のスイングをチェックしましょう。
正しいアッパーブローの軌道でスイングができているのであれば、打ち出し角にインパクトロフト角を合わせることができるため、ロフト角の選択肢は広いでしょう。
一方アッパーブローに慣れていないのであれば、スプーンに近いロフト角のドライバーを選び、レベルブローで打ち出し角を理想に近づけるようにします。
このとき気をつけなければならないのが、ロフト角が大きくなるとスピン量も増えることです。
バックスピンの回転数が増えると、低く打ち出したボールが吹け上がってしまい、最大飛距離を得られずに失速してしまいます。
大事なことは繰り返し素振りを行って、スイングの最下点を通過してからヘッドスピードが加速するスイングを習得することです。
このスイングが身について、さらに強いインパクトを求めるのであれば、パワー系のトレーニングを取り入れて、さらなる飛距離アップを狙っていきましょう。
ドライバーの飛距離はロフト角を活かすコツを知ることが大事
ドライバーのロフト角を減らすだけでは飛距離をアップすることはできません。
理想とする打ち出し角に足りない分を、アッパーブローのスイングで補う必要があるからです。
そのためには素振りの練習を繰り返し行うことと、スイングの最下点以降の加速のコツを掴むことが大切です。