アイアンの精度が上がらず困っているゴルファーは多いことでしょう。
右へ左へ安定しない、それはもしかしたらスイングの問題では無いかもしれません。
アイアンのライ角を調整するだけで、すべてが解決してしまうこともあるものです。
今回は、注目すべきライ角についてまとめます。
アイアンのライ角はそんなに重要?
初心者に限らず経験者でも、あまり気にしていないのがアイアンのライ角です。
初心者の中には、ライ角がどういったものか分からない人もいるでしょうから、簡単に説明します。
ライ角とは、アイアンのソール中央を地面に合わせたときにできる、地面とシャフトが成す確度のことを言います。
ライ角が大きいことをアップライトと言い、ライ角が小さいとフラットと言います。
このライ角は一般的な数値はありますが、その人それぞれに合わせて調整することが可能です。
ただしライ角の調整は素人では難しいため、お店にお願いする必要があります。
しかし、自分に適したライ角が分からない、ネットショップで安く購入してそのまま使っているなどライ角調整をしない人が多いです。
『別に使えているから問題ない』と思っている人も多そうですが、そうではありません。
ライ角が適正でないと自分に合ったスイングを身につける過程の妨げになるほか、コースのギャップのせいでミスショットが連発してしまうこともあるのです。
少しマニアックに聞こえるかもしれませんが、ライ角の調整は基礎スイング作り、またショットの精度を高めるには必要不可欠です。
ライ角が合っていないアイアンを使うとどうなるの?
どんな道具でも上手に扱えれば問題ないという人もいますが、本当にゴルフが上達したければ、自分に合ったライ角に調整する必要があります。
では自分に合っていないライ角のアイアンを使ったらどうなるのでしょうか。
いくつかポイントを絞って説明をします。
●正しいアドレスが取れない
基本的にアドレスを作る祭、人は毎回同じ前傾角度を作ることはできません。
そのためにクラブを合わせ、ボールとの距離感で正しい前傾角度を作ろうとします。
ただし、人それぞれ前傾角度や手の長さも違うため、ライ角を基準にすると振りにくいアドレスになってしまう人も出てきます。
●インパクトでヘッドが適正に戻らない
アイアンでショットをする場合、前傾角度を維持しようとします。
しかし、フルショットの中でスタートの前傾角度を維持することは難しく、体が動きやすいように動きます。
つまり、ライ角に合わせてアドレスをとっても、インパクトではズレるということです。
●スイングを気にして変えようとする
インパクトでズレるとボールの弾道は真っ直ぐ飛ばないため、右へ左へミスショットしてしまったと思えてきます。
すると、ミススイングだと考えてスイングを変えようとするのです。
人それぞれ適したスイングがあるというのに、決められたアイアンのライ角に合わせてスイングを調整しようとしている時点で、スイングを崩す原因を自ら作っていると言えます。
ライ角に合わせるのではなく、スイングに合わせてライ角を設定変更すべきです。
ライ角を調整しやすいアイアンとしにくいアイアン
ライ角の調整が非常に重要なのは間違いありません。
そこで今考えるべきことは『自分のアイアンも調整しよう』だと思います。
しかし、少し残念なお知らせがあります。
アイアンの中には、ライ角が調整できるものとできないものがあるのです。
その理由は、アイアンの素材と構造です。
ほとんどはアイアンの使われている素材によって調整できるかどうかが変わってきます。
一般的にライ角の調整ができると言われているのは、『軟鉄』を使っているアイアンです。
フォージドアイアンに限られるといった、製造方法によって分けられると言われることもありますが、正しくは素材です。
軟鉄は名前の通り柔軟な素材のため、一度作った後にもライ角を一定の範囲で調整することができます。
一方、ステンレスを素材として使っているアイアンは、ライ角調整が難しいとされています。
ステンレスは、メンテンナスのしやすさと非常に硬い強度が買われて素材として使われているため、ライ角調整には向きません。
ステンレス素材のアイアンを使っているのであれば、工房でライ角調整ができないか相談することをおすすめします。
なぜならステンレスでもごく一部ですが、調整可能モデルもあるからです。
それはソフトステンレスを素材とするもの、また調整できるよう特殊構造にしているピンというメーカーのアイアンです。
もし、買い替えやステンレス素材のアイアンが好きな人は、ピンのアイアンを検討してみてはどうでしょうか。
ピンはフィッティングを受けると、ライ角別注モデルを依頼することもできるからです。
ライ角の調整はアドレス?インパクト?
では、ライ角は一体何に合わせたら良いのでしょうか。
自分に合わせるといっても、どのライ角が正しいのか分からないでしょう。
始めに説明した通り、ライ角が大きく関係してくるところはアドレスとインパクトです。
では、どちらに合わせてライ角を調整すれば良いかですが、理想はアドレスとインパクトでのアイアンの通り道が同じで、ライ角が変わらないことです。
ただしプロゴルファーでも同じ角度に戻ることはありません。
スイングの癖や遠心力によってクラブの動きはアドレスとインパクトで変わるからです。
インパクトでは5~10度程度増えると言われています。
あくまでもゴルフはボールを正しくインパクトして狙った位置へ運ぶスポーツです。
つまり、ボールへのインパクト時にライ角通りにクラブが動くことが理想とされています。
そのため、増えることを見越して、アドレスではハンドダウンにして多少フラット気味に構え、インパクトでライ角を一致させるのが正しい考え方です。
身長が高い人はアップライトに調整
ここで、アイアンのライ角の調整について、身長差による注意点を伝えます。
アイアンは一般的なシャフトの長さが決まっています。
ジュニア用、レディース用とメンズ用でシャフトの長さは異なりますが、大人用は一部の飛び系アイアンを除きほぼ変わりません。
番手毎に0.5インチずつ長さが異なり、それによってライ角も0.5度ズレで調整されています。
一般的にライ角は日本人の平均身長と言われる170cm前後をベースに作られています。
そうすると、シャフトの長さが変わらない場合、基準と異なる身長のゴルファーはどうなるか考えてみてください。
手の長さや前傾角度によって多少異なりますが、身長が高い人、低い人にはそもそものライ角は合わないのです。
つまり、基準より身長が高い人はよほど前傾が深くない限り手元が高くなるためアップライトにしなければなりません。
反対に身長が低い人は、フラットでないと合いません。
こうしたことから、平均身長からズレているゴルファーはインパクトライ角がどうなっているかこのあと紹介する方法で測定してみてください。
調整が必要不可欠だとすぐ気づけるはずです。
自分にライ角が合っているか確認しよう!
自分のインパクトライ角がどうなっているか分からないとどうすることもできません。
精度の問題はありますが、アイアンのライ角が合っているかどうか簡単に見極める方法があります。
ボールのインパクトの位置の色が変わるシールが売られていますが、それと合わせてソールまでシールが貼れるタイプも発売されています。
色がつけば判断できるため、フェースに貼るだけのタイプをはさみでカットしてソールに貼るだけでも十分使えます。
ソール面にシールを貼り、アイアンで打つだけです。
すると、ソールのどの位置が地面に強く接触したか判断できます。
シールが剥がれるほど全面に色が場合はダフっている可能性が疑われますが、トゥ側をこすっているようであればもう少しアップライトに、ヒール側であればフラットにするとちょうど良くなると判断できます。
ソールセンターから均等であれば問題ありませんが、そうでなければ一度真剣に調整を考えてみることをおすすめします。
その際は、クラブフィッティングを受けてみてください。
客観性のあるデータを元に決められること、また専門家のアドバイスも受けられるので非常に有効的だと言えます。
インパクトライ角が合致すると驚くほど当たる
ライ角がズレているせいで間違った方向へスイングが向かってしまうこともありますし、スイングが最高でもボールの行方はイメージとは重なりません。
つま先下がりやつま先上がりなど、どちらか一方が得意な場合はライ角が適正でない可能性が疑われます。
無料計測できるところも増えてきていますから、一度自分の傾向を探ってみることをおすすめします。