ドライバーやアイアンはクラブに適した打ち方がありますが、パターには決まった打ち方がありません。
そうした打ち方に決まりのないパターは他のクラブとは選び方も違ってきます。
クラブの中でも使う場面が違っているパターは、他のクラブとは当然選び方が違います。
振り回すことのないパターの選び方は、自分の身長や体格に合わることが大切です。
今回は、自身の特徴から見たパター選びを説明します。
パターの種類と選び方
プロゴルファーの世界では「パットイズマネー」と言われており、パターはスコアを、大げさに言えば人生を左右する大切なクラブです。
ラウンドでドライバーを使用するのは多くて14回程度ですが、全ホールをツーパットでラウンドしたらパターは36回は使う計算になります。
使用率はドライバーの倍以上であり、クラブの中では間違いなく多く使用します。
そのため、自分に合ったパターを使うことがどれだけスコアアップにつながるのか想像に難くないはずです。
そこで自分に合うパターの選び方の要素として、ヘッドの形状や打ち方、自分の身長に合ったシャフトの長さを知っておくことが大切です。
まずはヘッドの形状について説明します。
ヘッドの形状は大きく分けて、ピン型、L字型、マレット型の三種に大別されます。
ピン型はヘッドのトゥとヒールを重くしてスイートエリアを広くしています。
左右の打ち損ないを防止するとともに、指先の感覚を活かせるパターです。
それからL字型は特別操作性が高く、感性と感覚でパッティングするゴルファーに向いています。
ただ今のゴルフ界では、マイナーな存在となっています。
マレット型は半月のような形、テール部分をさらに大きく異形状にしたものをネオマレット型と言います。
ヘッドが低深重心になっているため、フェース面を保ったままの直進力が強く、ミスをカバーしてくれます。
こうしたことから、最近の傾向はミスに寛容なマレット型が主流になってきています。
パターのシャフトの長さについて
ヘッドの次は、身長と手の長さを考えたシャフトの選び方を説明します。
ヘッドが同じパターでもシャフトの長さにはバリエーションがあります。
パターの長さの基準
・32インチ(短い)
・33インチ(やや短い)
・34インチ(標準)
・35インチ(やや長い)
・36インチ(長い)
基本的には34インチを基準にして、自分に合う長さを探すのが良いでしょう。
同じパターでもシャフトが長いと重量が重くなり、パッティングに安定感が感じられます。
対して短いと軽くなって、操作がしやすくなったように感じます。
シャフトが長すぎるパターはスタンスとボールの間が長くなってしまうため、正確にヒッティングできません。
そしてシャフトが短すぎるパターは腰を必要以上にかがめるため、腰痛の原因になる可能性があることから注意が必要です。
しかし、身長や手の長さにシャフト長を合わせただけでカップインの確率が高くなるというものでもありません。
パターの形状が決まったら、33インチ、34インチ、35インチのシャフトで試し打ちを重ねてください。
それぞれ長さの違うパターを打ち分けて、特別フィーリングが合うパターが丁度良い長さだと判断できるでしょう。
身長によるパターの選び方
ドライバーやユーティリティのように長い距離を打つことのないパターは、構え方に決まりはありません。
パターはカップインさえすれば、構えや打ち方は自分の好きなようにして構わないのです。
しかし身長が高いゴルファーと低いゴルファーが同じ長さのパターを使うと、当然打ちやすさが違います。
そこで身長と構えによる適正な長さの選び方を説明します。
まず振り子のようにパッティングするゴルファーは、両腕を五角形に構えるのが一般的です。
この構えは腕を曲げるため少し長めのシャフトを選ぶと良いでしょう。
・身長180センチ:35インチ
・身長170センチ:34インチ
・身長160センチ:33インチ
アドレスは正面から見たときに、肩と腕のラインを結んだ図形が三角形に構えるゴルファーは、少し短めのシャフトが良いでしょう。
・身長180センチ:34インチ
・身長170センチ:33インチ
・身長160センチ:32インチ
これはあくまで一般論ですから、参考程度に試打をしてみてください。
同じヘッドのパター場合、唯一の違いはシャフトの長さです。
微妙な長さの違いでパッティングは大きく変わってきます。
ヘッド選びも大切ですが、自分の身長に合ったシャフトの長さを選ぶことは非常に大切なことです。
身長の高いゴルファーの構え方
身長の高いゴルファーは腰をかがめる必要がない長めのパターが良いでしょう。
ただし、パット時の目線はボールに近いほうがパッティングは安定します。
背が高いと一般的には手も長くなります。
そうした手の長い人が短いシャフトでボールの近くに目線をを合わせると、長いシャフトよりも腰をかがめて構えないといけません。
または、スタンス幅を広くして腰を落としてボールに目線を合わせることになります。
パッティングの構え方に決まりはありませんので、こうした目線やスタンス幅といった理由から、身長が高くても比較的短いパターが良いこともあるでしょう。
しかし、無理な構え方は膝や腰に負担がかかり、故障の原因になりかねません。
ゴルフを生涯趣味で楽しむには、年代に応じてスイングやマネジメントは変化しますが、パッティングは年代に関係なく同じ打ち方ができます。
無理な構え方は、年齢を重ねるほど体に支障が出てしまいます。
そのため背の高いゴルファーのシャフトの選び方として、長いパターから選ぶことをおすすめします。
身長の低いゴルファーの構え方
身長が低いゴルファーのシャフトの選び方は、背の高いゴルファーとは逆で短めのシャフトが良いでしょう。
やはりボールの近くに目線を置くことに重きをおくべきです。
背の低い人がシャフトの長いパターを持つと、グリップエンド側を余らすことになります。
グリップエンド余らすことで安定したストロークができる人もいますが、飛び出たグリップエンドが体に当たることも考えられます。
特に重ね着するシーズンオフの寒い日のゴルフや雨の日ゴルフでは、ウェアに当たってストロークの邪魔に感じるに違いありません。
そのためやはり身長に合った短めのシャフトを選んだほうが良いでしょう。
その他、背の高いゴルファーと低いゴルファーの共通するパターの選び方をまとめます。
スタンスの幅が広い人はボールに近くなるので短めのパター、反対に狭いと高く構えることになるため長めのパターが好相性です。
膝を大きく曲げる人はヘッドとボールの位置が近くなるので短めのパター、反対に伸ばす人は遠くなるため長めのパターが好相性です。
同様に前傾角度が深いと短めのパター、浅いと長めのパターでしょう。
そして肘の曲げ方が三角形で構える人は短めのパター、五角形の人は長めのパターです。
どの構えにも共通することは、ボールの位置を目の真下にすることです。
自分に合ったパッティングの選び方
自分に合ったパターの選び方は打ち方も関係します。
パッティングにはストローク式とタップ式があり、これは身長に関係なく個人の感覚で決まります。
まずタップ式の特徴は、手首を支点にしてコツンと打つストロークです。
先に述べた肩と腕のラインが三角形の形で打つ打ち方です。
対してストローク式は両腕を五角形に構えて、振り子のように真っ直ぐ引いて真っ直ぐ転がす打ち方です。
感性というよりもオートマチックなパッティングの打ち方です。
タップ式の打ち方には、ピン型やL字型パターが適しており、ストローク式はマレット・ネオマレット型が適しています。
パターの選び方には、この二種類の打ち方に合わせてパターを探す方法、パターの形状を決めてから打ち方を合わせていく方法があります。
スタンスはオープンスタンスとスクエアスタンスが代表的で、こちらも身長には関係ありませんが、オープンスタンスは、パッティングラインに対して左足を下げて、パッティングラインよりも左側を向いて構えます。
体が少しだけピンに向いているため、パッティングラインを広い視野で見ることができます。
タップ式で打つ場合はこのスタンスが適しています。
対してスクエアスタンスはパッティングラインに対して両足のつま先が平行になるように立ちます。
ヘッドを真っ直ぐ引いて真っ直ぐ打つストローク式はこのスタンスが合っています。
パターは自分の特徴に合わせて選ぼう
パターの選び方をまとめると、ヘッド形状は打ち方がタップ式が得意なのか、ストローク式が得意なのかで決めることをおすすめします。
そのうえで身長が高いゴルファーは長めのシャフト、身長が低いゴルファーは短めのシャフトを選ぶと良いでしょう。
クラブのスペックはもちろんのこと、自分自身の特徴を良く理解して、体の一部となるようなパターを選んでいきましょう。