アイアンとユーティリティのロフト角とクラブセッティング

ゴルフは長い距離をツーオンができるようになると、スコアは縮められます。

そのためには、長めのアイアンとユーティリティで、ロフト角に合った飛距離をしっかり打てることが大切です。

今回は、自分の飛距離に合ったアイアンとユーティリティの組み合わせについて説明します。

飛距離を打ち分ける肝となるロフト角

ロフト角を説明するとき色々な表現方法があるのですが、分かりやすく言えばフェースをターゲットに対して0度、つまり直角に合わせたときにシャフトの傾く角度です。

ロフト角が低いほど飛距離が出やすく、遠くに飛ばすことができます。

逆を言えば、ロフト角が高いほど飛距離は出ない代わりに、ボールが高く上がります。

遠くへ飛ばすことが求められるクラブのドライバーは、男性ゴルファーで9~10.5度のロフト角が標準的に販売されています。

そしてフェアウェイウッドのロフト角は、3番ウッドが15度、5番ウッドで18度のロフト角が標準です。

それからユーティリティのロフト角の多くは、17~27度の範囲でラインナップされています。

標準と言われるアイアンセットの多くは5番アイアンからセットされており、5番アイアンのロフト角は24~26度が代表的です。

以降4度刻みでロフト角が高くなっていき、9番アイアンで40~42度程度になります。

ウェッジはバリエーションが多く、48~60度まで2度刻みで高くなっていくモデルが多いです。

ドライバーで遠くへ飛ばしたあと、グリーンまでの残り飛距離を打つには、クラブの種類は違っても飛距離はロフト角で決まります。

アイアンの種類

アイアンはゴルフクラブの中で本数が一番多く、各番手のロフト角に合わせて距離を打ち分けます。

アイアンはフェアウェイウッドやユーティリティに比べると、飛距離よりも正確性を重視するため本数が多くなっています。

正確に打つにはアイアンの種類を知った上で、自分に合ったアイアンを選びましょう。

アイアンヘッドの形状は、「キャビティバック」、「中空」、「マッスルバック」の3タイプに大別されます。

●キャビティバック

バックフェースをくり抜き、そのくり抜いた分の重量をヘッドの外側に配置することで、スイートエリアを広くしてミスに強くなっています。

●中空

文字通りヘッドの内部が空洞になっており、ヘッドの後ろ側にボリュームを持たせたユーティリティ構造に近いアイアンのため、直進性が高く飛距離も出しやすいです。

●マッスルバック」

トラディショナルなアイアンヘッドの形状で、ヘッドが小さくフェースも薄めです。

操作性が高くスピン量を調整できるように重心が浅めで高めに設計されています。

男子プロゴルファー御用達でアマチュアの憧れですが、使うには難しいアイアンと言えるでしょう。

アイアンはソールが厚いほど低重心になり、トップ気味でもボールは拾われて上がりやすくなっています。

また芝からボールを直接打つため、ソールが厚いほど芝の上を滑りやすく、ダフりにも対応できるようになっています。

つまりソールの厚いアイアンは、とにかくミスに寛容的だと言えます。

いずれのアイアンも飛距離はロフト角で決まり、打ち分けが求められますから、次にロフト角による飛距離を説明します

アイアンのロフト角と飛距離

アイアンは体格・筋力・柔軟性でその飛距離は変わってきますが、ロフト角の違いによる飛距離を知ることは大切です。

ここではドライバーのヘッドスピードが40~44m/sで、Sフレックスのシャフトを使用した場合の飛距離を記載します。

【ロフト角:クラブ:飛距離】

・26度:5アイアン:170ヤード

・30度:6アイアン:160ヤード

・34度:7アイアン:150ヤード

・38度:8アイアン:140ヤード

・42度:9アイアン:130ヤード

・46度:ピッチングウェッジ:120ヤード

これはあくまで一般的な数値ですから、自分の使用クラブのカタログやWEBサイトなどで確認してください。

カタログが表示する飛距離より飛ばない場合は、そのアイアンは自分に合っていない、使いこなせていないと思ったほうが良いでしょう。

その原因として、シャフトのフレックスやライ角が合っていないことが考えられます。

クラブセットのセッティングは本数の多いアイアンが中心になりますので、アイアンセットは慎重に自分の合うものを選ばなければなりません。

そのアイアンと組み合わせるユーティリティも飛距離が基本になります。

ロフト角による自身の飛距離を把握しておかなればいけないことは、全てのゴルフクラブに通じることです。

ユーティリティの種類

ユーティリティの選び方は、フェアウェイウッドから飛距離を落としていくか、それともアイアンから届かない飛距離を足していくかで選び方が違います。

同じようなニュアンスですが、これは大きな違いです。

ユーティリティのヘッドの形状は大きく分けると、ウッドタイプとアイアンタイプの2種類に大別されます。

ウッドタイプは、フェアウェイウッドのヘッドを小さくした形状です。

そのため3番ウッドの飛距離からアイアンセットまで引き算で飛距離を合わせるのが一般的です。

フェアウェイウッドが得意なゴルファーなら使用に違和感がないでしょう。

対してアイアンタイプのユーティリティは、アイアンからフェアウェイウッドまで飛距離を足していきます。

そのためアイアンが得意なゴルファーはアイアンの延長として使えます。

こうしたことからフェアウェイウッドが得意か、アイアンが得意かで選ぶと良いのです。

アイアンは得意でもロングアイアンは難しいので、ロングアイアンの代わりにアイアンタイプのユーティリティを使用するという選択もありです。

またアイアン自体が苦手であれば、できる限りユーティリティを多くするという考えた方もあります。

飛距離が同じであるならば、得意なクラブを使うべきです。

ユーティリティもヘッドの形状は違っても飛距離はロフト角で決まりますから、ロフト角と飛距離について説明します。

ユーティリティのロフト角と飛距離

ユーティリティはヘッドの形状が違っても、ロフト角で飛距離を選ぶことが必要です。

多くのメーカーのユーティリティはロフト角が17~27度程度のクラブが揃っており、番手でいうと2~7番ユーティリティです。

もちろん飛距離はメーカーやシャフトのフレックスによって違いますが、ヘッドスピードが40~44m/sで、Sフレックスのシャフトを使用した場合の想定飛距離を記載します。

・3番ユーティリティ:17~21度:220~200ヤード

シャフトが長くスイングコントロールがしづらく、ロフト角によるバックスピンも得られにくいため、ヘッドスピードが速い上級者向けのユーティリティです。

・4番ユーティリティ:21~24度:190~200ヤード

この番手はロングアイアンの3番に相当します。

・5番ユーティリティ:24~26度:180~190ヤード

この番手はロングアイアンの4番に相当します。

この辺りの4、5番ユーティリティ選びが特に大切かもしれません。

・6番ユーティリティ:26~27度:170~180ヤード

ミドルアイアンの5、6番に相当して、アイアンが苦手な女性ゴルファーが多く使用する番手です。

アイアンとユーティリティのセッティング

ここまで説明してきた通り、クラブの飛距離はロフト角で決まりますが、アイアンとユーティリティのセッティングはトータルバランスが大切です。

アイアンは少なくとも7番アイアンからは必要だと考えられるため、ドライバーから7番アイアンの間を埋める距離のフェアウェイウッドとユーティリティが必要です。

ドライバーが250ヤード以上、7番アイアンで150ヤードを打てるゴルファーは、その間の飛距離のクラブを選びます。

先に述べたヘッドスピードが40~44m/sで、Sフレックスのシャフトを使用した場合の飛距離のクラブは以下の通りです。

160ヤードなら、6番アイアンか27度ユーティリティ

170ヤードなら、5番アイアンか25度ユーティリティ

180ヤードなら、4番アイアンか23度ユーティリティ

190ヤードなら、3番アイアンか21度ユーティリティ

200ヤード以上ならフェアウェイウッドを使用すべきでしょう。

アイアンはユーティリティよりも方向性が優れて、打球にバックスピンが掛けられるためボールがグリーンで止まりやすくなります。

ただしユーティリティよりスイートエリアが狭いため、ミスも出やすいのです。

同じ飛距離が打てるならアイアンを使用したほうが良いのですが、得意なクラブでセッティグするほうが安心かもしれません。

飛距離よりも正確性を大切に

飛距離はロフト角で決まりますが、その距離を正確にショットしてグリーンに乗せることがゴルフにおいては最も大切です。

クラブ別に自分の飛距離をつかみ、どのクラブが一番正確に打てるのかを比較をしてみましょう。

ブランドやヘッド形状に拘りがちですが、アイアンとユーティリティを比較することで、自分にとって使い勝手の良いクラブセッティングが自然に決まります。