ウェッジを選ぶときには、フェースの角度であるロフト角が基準になると思いますが、実用的ではない選び方をしていることがあるようです。
ウェッジの角度の見方を知ることで、「より簡単に、より確実に」プレーができてスコアアップが狙えます。
今回は、ウェッジの角度の見方について改めて考えてみます。
ウェッジを選択するときはフェースの角度の見方が重要
ウェッジを選ぶときの見方としては、まずロフト角を確認するはずです。
ピッチングウェッジとサンドウェッジはその名称で呼んでいますが、アプローチウェッジはロフト角を名称にしていることが多いようです。
本来はフェースの斜度を表すロフト角ですが、アプローチウェッジの重要性が増してきたことで複数本持っていることが多くなり、番手のように56度や58度とその角度を名称として使うようになっています。
アイアンの場合には、ロフト角が飛距離を表わす指標ともなっているので、基本的には等間隔でロフト角を揃えて、飛距離を10ヤード刻みの飛距離を目安にしています。
しかしながらウェッジはフルショットの半分程度の距離に対して、どんな球筋で攻めるかが重要になってくるため、等間隔の距離に対する期待はないでしょう。
ウェッジをロフト角で選ぶときには、その角度に球筋もしくは攻め方がイメージできているからです。
逆に考えると、打ち方や攻め方の引き出しがなければ、数多くウェッジを持つ必要はないとも考えられます。
ウェッジの角度を活かした見方ができるかが重要
ウェッジの見方としては、最初にフェース面の角度となるロフト角をチェックするはずです。
ゴルフコースにはヤード杭が設置されていますが、100ヤードの杭はグリーンエッジからそこまでの距離を表しています。
国内の多くのグリーンは、グリーンエッジからおよそ10ヤード程度がグリーンのセンターですから、110ヤードの飛距離を持つピッチングウェッジでフルショットすると、デッドにピンを狙うことができます。
近年の一般的なピッチングウェッジのロフト角は44度ですから、ドライバーのヘッドスピード42m/sであれば飛距離は110ヤードが目安です。
かなりの頻度でこの使い方をするとは思いますが、それ以下のアプローチウェッジやサンドウェッジは、フルショットで使う場面は少ないかもしれません。
それなのに角度の違うウェッジを持つのは、スピンを効かせたアプローチショットを狙ったり、高弾道で打ち上げて頂点から真っ直ぐ落下させピンポイントの攻めを狙うときに便利だからです。
ウェッジの特性を知った上で、そのロフト角を活かす打ち方ができれば、より簡単に難しい攻め方ができるようになります。
フェースの角度を立てることがウェッジの選び方の条件
それぞれのウェッジの見方ですが、その特性を理解することが大切です。
ウェッジの特性を無視した攻め方をするとミスショットに繋がるからです。
ロフト角の大きなウェッジは、ロブショットのようなハイボールには有効ですが、転がすアプローチには向きません。
本来開いているフェースの角度を立てることで、スピン量を抑えて転がすわけです。
このケースであれば、ピッチングウェッジか9番アイアンで、パッティングのようなストロークをするだけで転がすアプローチができます。
ロフト角の大きなロブウェッジを使って無理に転がそうとしても、ダルマ落としのようにボールの下を滑るミスショットになってしまう可能性が高いです。
またピッチングウェッジを使って、フェースを開いて打つロブショットも同じことが言えます。
ハンドダウン気味で構えることになり、インパクトの直前でバックフェースが芝に跳ね返されてトップするかもしれません。
もしもロブウェッジを持っていないのであれば、無理にロブショットを狙わず他の攻め方を選択してミスショットを防ぐようにするべきです。
ロフト角以外の角度についても正しい見方がある
ウェッジを選ぶときは、ロフト角以外の角度も知っておく必要があります。
一般的なウェッジの見方としては、ロフト角で判断することが多いのですが、中には同じロフト角のウェッジを2本持っているゴルファーもいます。
例えロフト角が同じでも、バンス角が違うと使う場面は変わってくるからです。
ウェッジのソールに膨らみのあるものがバンス(バウンス)と言われるもので、その名前の通りバウンドをさせる役割があります。
インパクトでソールがバウンドしたら、リーディングエッジが浮いてトップするのではと思うかもしれません。
ところがソールの膨らみは、ダフリを防ぐ役割を担っているため、強く打ち込んでもザックリになることは防いでくれるのです。
しかも潜り込もうとするヘッドは、ソールの膨らみによって芝の上を滑らせる役割も果たしてくれます。
バンス角のあるウェッジは、バンカーやラフの中からのアプローチで使い勝手の良いクラブになりますが、芝を短く刈り込んだエプロンやカラーからのショットではトップする可能性があります。
そこで同じロフト角でもバンスのないウェッジを使うわけです。
バンスの角度がないウェッジは技量と相談?
バンスの角度がないウェッジは技量との兼ね合いを見定めることができているかが、見方として重要です。
バンスの大きなウェッジは、ソールの膨らみがあることでダフリを防ぐことはできますが、ヘッドをセットするとわずかにリーディングエッジが浮いているので、インパクトでトップする可能性があります。
もっとも芝面とリーディングエッジにはわずかな隙間があっても、ボールの赤道より下部にリーディングエッジが入ればトップはしません。
ただスイングの最下点で芝面にバンスが当たって跳ねてしまうと、赤道よりも上でインパクトしてトップしてしまうわけです。
そこでボールの真下にリーディングエッジを入れて、クリーンなショットを狙うときには、スイングの最下点でソールが跳ねないようにバンス角の小さなものを使います。
理論的にはすぐに理解できると思いますが、実際にバンスのないウェッジでクリーンにショットすることは至難の業です。
それはコンクリートの上にあるボールをショットするくらいの技量が必要ですから、だれもが扱えるウェッジではありません。
ウェッジの角度に対して正しい見方ができるようしよう
ウェッジを選ぶときの見方としては、まずフェースの角度を表すロフト角を確かめて、次にソールの膨らみの角度であるバンス角を確認します。
同じロフト角でバンス角の違うウェッジを持つこともありますし、使用目的に合わせてロフト角やバンス角を選ぶこともあります。
以前は1本のウェッジでフェースを開いたり立てたりして使っていましたが、最近は状況に合わせて選択できるように数種類のウェッジを持つことが当たり前になってきています。
ただ技量に伴っていないウェッジを使ってミスショットしていることを理解していないゴルファーが多いようです。
アプローチの基本はチップショット(転がす)で、次にピッチ(飛球)とラン(転がり)が等分になるピッチエンドランになり、そしてワンクッションでピンそばにつけるピッチショットへと攻め幅を広げていきます。
徐々に難易度は高くなり、その分だけミスショットの可能性も高くなるのですが、さらに難易度が高くなるのがロブショットです。
それまでのアプローチショットをマスターした上で、どうしても使う必要があるときに60度以上のウェッジでロブを上げることになります。
自分のプレースタイルを再確認することで、ウェッジの必要性と見方が分かってくるかもしれません。
ウェッジを選ぶ際は2つの角度の見方を理解しよう!
ウェッジを選ぶ際には、ロフトとバンスの2つの角度に対する正しい見方ができるかが重要です。
いわゆる身の丈にあったロフト角のウェッジを選び、よりミスが少ないバンス角を選択することがスコアメイクにとって大切なことなのです。