ウッド系のドライバーとフェアウェイウッドはシャフトを揃える、アイアンとユーティリティは揃えるといったいろいろな考え方があります。
しかし、本当にそのシャフトの選び方は正しいのでしょうか。
今回は、ドライバーとフェアウェイウッドのシャフト選びを考えます。
ドライバーとフェアウェイウッドは同じではない
ゴルフクラブは大きく分けると、ドライバーを中心としたウッド系、アイアン系(ウェッジ含む)、パターに分類できます。
シャフトを選ぶ上で、パターを除いたウッド系、アイアン系は重量フローを気にしたり、バランスを気にしたりいろいろな考え方があります。
もちろんそれは必要な考え方ではありますが、本当にその選び方で良いのでしょうか。
今回はウッド系のシャフトの選び方について考えます。
ドライバーとフェアウェイウッドに分けることができますが、このふたつのクラブは構造は似ていると言えます。
クラブヘッドの体積、ロフト角、シャフトの長さが違うだけで、同じ系統と言えるのかもしれません。
そのため同じウッド系だからと言って、安易にシャフトを揃えても良いのでしょうか。
確かにクラブの特性を見れば同じ系統として分類できますが、実際は使う目的は異なります。
一般的にドライバーは飛距離を求めたティーショット、フェアウェイウッドはフェアウェイからのセカンドショットで高さを出しながら距離を稼ぐのが本来の目的です。
このように使用目的が異なるため、同じと考えてはいけないとも考えられます。
ティーショットでフェアウェイウッドを使うこともありますが、その点については後程解説します。
シャフトが特別長いドライバーだけは別物
同じウッド系でも、ドライバーとフェアウェイウッドは使用目的が大きく異なるクラブです。
結論からするとドライバーだけは他のクラブと別物と考えるべきでしょう。
ドライバーはティーアップされたボールをアッパーブローに打つクラブだからです。
その他のクラブは、基本的には地面にあるボールを打つために使用します。
つまり、アイアンを代表として、フェアウェイウッド、ユーティリティもアッパーブローで打つものではなく、ダウンブローもしくはレベルブローに打つということです。
目的や打ち方が異なるにもかかわらず、ドライバーとフェアウェイウッドのシャフトを揃えるという考えは矛盾してくるのではないでしょうか。
本来、地面から打つクラブの代表としてあるアイアンを中心にシャフトのフレックスや重量を考え、ドライバーは別物として考えたほうが統一感が取れると考えても良いと思われます。
ゴルフクラブの場合、呼び名や形が似ていることが理由で分類しがちですが、正しくは目的に沿って考えるべきだと言えます。
クラブセッティングを通してシャフトの重量を考える勘違い
クラブセッティングの重量フローを細かく考える人がいます。
理屈としては押さえておくべきポイントですが、プロゴルファーでない限り、必要以上にこだわる必要はありません。
凝る人だとクラブ毎の重量間隔を等分にするために、グリップやシャフト、ヘッドの公差までこだわりますが、そこまでやるべきことではないでしょう。
理由は簡単で、先ほど記載したように、それぞれのクラブの使用目的が違ってくるからです。
使用目的が違った挙句、メーカーが異なれば、クラブヘッドの特徴も振り感も変わります。
メーカーが同じでもシリーズが異なれば、同様に異なってくるでしょう。
そのため重量だけ計算通りに並べられても、振り感まで合わせることは正直不可能です。
できることは、番手間の重量が逆転しないようにするくらいです。
そういったことから、振りやすさを優先して考えたほうが得策です。
プロゴルファーで同じシャフトシリーズを入れている人もいますが、それは想像を超える技術があるからこそ成り立ちます。
フェアウェイウッドの簡単な打ち方
フェアウェイウッドが苦手な人は多いようです。
5番ウッドまでなら上手く打てるけれど、3番ウッドが上手くいかなくて困っていませんか。
理由は、大きくふたつあります。
ひとつ目は、ヘッドスピードが足りないことです。
ロフト角が立つほど、ヘッドスピードが必要です。
特にフェアウェイウッドの場合、地面から直接打つときにヘッドスピードが足りないと、バックスピンが入らず十分な高さが出ません。
5番ウッドまでならロフト角のおかげで打つには十分だけれど、3番ウッドでは足りないヘッドスピードの場合、どちらで打っても飛距離が変わらない、もしくは5番ウッドのほうが飛ぶことがあります。
次に、根本的に打ち方のイメージが違うということです。
始めに話した通り、フェアウェイウッドはドライバーとは違います。
フェアウェイウッドは地面から打つため、アイアンと同じようにしっかりソールを着地させるイメージで打つことが大切です。
ダフってしまうと思う人も多いかもしれませんが、重心が深い分ソールのセンターから後ろから着地しやすい構造のため、打ち込んでも滑りやすくそこまでダフりません。
むしろ入射角が多少つけるぐらいの気持ちのほうがスピン量が増え、しっかりとボールが上がってくれます。
つまり、アイアンの延長と考えればシャフトの選び方も変わってきます。
ドライバーとフェアウェイウッドでシャフトは揃えなくて良い
ここまで話してきた通り、目的とそれに合わせた打ち方をすると考えた場合、ドライバーとフェアウェイウッドのシャフトを揃えることに意味があるのでしょうか。
むしろ、アイアンからの延長線上で考えていくほうが良いのではないでしょうか。
ドライバーでは、比較的ヘッドスピードが出やすいように軽めの長いシャフトにしたり、しなりやすくトルクが強いものにしている人がいます。
しかし、それはティーアップされたボールを打つことが前提です。
フェアウェイウッドは地面にあるボールを打つため、どちらかというとしっかりした硬めのシャフトのほうがアイアンに近いイメージで打てると考えられます。
アイアンやユーティリティでスチールシャフトを使っているゴルファーは特に重めで硬めのほうが向いているでしょう。
このように目的や打ち方、ヘッドの特徴を考えると、単にシャフトをドライバーと揃える意味はあまりないのです。
アマチュアならフェアウェイウッドは5番だけで十分
最後に、アマチュア向けのフェアウェイウッドの考え方について話します。
上級者であっても3番ウッドはなかなか扱うことが難しいクラブです。
自信を持って扱えないのであれば、5番ウッドだけで充分だということです。
ここで、少し詳しい人は、3番ウッドでティーショットを打つこともあるから必要と言われるかもしれません。
理由はドライバーでは届きすぎてしまう距離を打たないといけない場面です。
確かにそうですが、そのとき使うのが3番ウッドである必要はありません。
例えば、5番ウッドのシャフトの長さ違いを2本入れて飛距離を調整するようなことです。
また極端な話、ティーショットで飛距離を落とすのが主目的なら、シャフトを短く、ロフトを寝かせたドライバーをもう1本追加しても3番ウッドの代替にできます。
このように、ゴルフはどのように道具を使って飛距離を合わせるかを考える必要があるだけで、3番ウッドが打てないといけないわけではありません。
苦手なクラブに対しては、目的や代替ができないかを考えスコアを縮めていく方法を見つけてください。
シャフト選びは目的を考えて決める
シャフト選びは話した通り、目的に合わせたクラブの使い方、打ち方を考えて決めていくべきです。
そのため、何となくのイメージではなく、クラブの詳細を把握することはとても大切です。
是非、これを機にいろいろなクラブの特徴を勉強してみてはいかがでしょうか。