ドライバーのティーショットが上がらないのは、フェースの向きかスイングの軌道のどちらかが原因と言われています。
しかし初心者の場合には、どちらにも原因がありそうです。
ここからはドライバーのティーショットが上がらない理由と原因を確認し、その対処方法を紹介します。
ドライバーショットでボールが上がらないのは初心者だから?
初心者のうちは、ドライバーを使ったときだけ上がらないことがあります。
もしかすると、ティーアップの意味が分かっていないのかもしれません。
アドレスではボールの後ろにドライバーのヘッドをセットしますが、飛距離を出すためにボールを強く打とうと考えると、ヘッドを浮かせてボールの真後ろでフェースを合わせてしまうことがあります。
これは初心者に良くあるミスなのですが、おそらくティーアップの意味が分かっていないために、ボールの真後ろにヘッドをセットしたと考えられます。
正しくはボールの真後ろではなく、芝にソールしてセットしなければなりません。
時計の針をイメージしてみてください。
トップを0時として、スイングの最下点を6時とします。
ボールをインパクトするのは7時、もしくは8時です。
下から打ち上げるアッパーブローがドライバーのスイングなので、6時でボールの側面をヒットしても打ち出す角度が上がることはありません。
フェアウェイウッドやアイアンの場合は、ショートティーを使いレベルブローのスイングをしますが、ドライバーは高さのあるティーを使ってアッパーブローのスイングをしなければなりません。
初心者ならではのスイングが原因でドライバーが上がらない
もしもアッパーブローのスイングをしているのに、打ち出すボールが上がらないとしたら、それは使用しているドライバーが合っていないのかもしれません。
インパクトのときに打ち出す角度が足りないと、イメージしていた高さで飛び出すことはありません。
本来上に向けて打ち出すアッパーブローのスイングができれば、イメージしている角度で打ち出すことはできるはずです。
しかしながら初心者の場合には当てるだけで精一杯なので、打ち出し角を調整するようなアッパーのインパクトの形は難しいのかもしれません。
そうしたスイングでカバーができないときは、道具に頼るしかありません。
ドライバーのフェース面の傾きのことをロフト角と言います。
ロフト角の数値が大きいほどフェース面に斜度があり、打ち出す角度も高くなります。
ロフト角には決まりはなく、それぞれのメーカーやモデルによって違います。
なるべくロフト角の大きなものを選べば、それだけ高く上げられるということ。
ちなみにドライバーは13度くらいがマックスで、それ以降はスプーンの設計範疇ですから、ドライバーが上がらないようであればスプーンを使う選択肢もありだと考えられます。
初心者のドライバーが上がらないのはボールの位置が原因
ドライバーが上がらないのは、ボールが正しい位置よりも右側でセットしているからかもしれません。
初心者のうちはアドレスの姿勢をとってヘッドをセットしたまま、方向を変えるためにスタンスの向きを変えることがあります。
このときボールが最初にセットしたときよりも内(右)側に入ることがあります。
ボールが右側に移動した場合は、スイングの最下点とボールの位置が同じになるので、アッパーブローができません。
実際にはスイングの最下点とまったく同じになることはなくても、ロフト角は立った状態でインパクトすることになり、打ち出し角は低くなります。
もしもアドレスの時点で不安があれば、一旦ボールから離れて、新たな気持ちでアドレスに入りましょう。
ボールの前に正対し、左足を1足分開くとカカトの内側と同一線上にボールがあるので、あとは必要な分だけ右足を広げてスタンスをとります。
このボールの位置であれば、アッパーブローのスイングに支障はないはずです。
初心者が陥りがちなダウンブローが原因で上がらない
初心者のドライバーショットでボールが上がらないのは、過剰な当てる意識によるダウンブローのスイング軌道になっているからということが多いようです。
ドライバーの正しいスイング軌道はアッパーブローですが、打ち出したボールが上がらないとしたら、上からフェースを叩きつける鋭角的なダウンブローのスイング軌道になっているかもしれません。
ボールの下を打つのがアッパーブロー、横を打つのがレベルブロー、斜め上を打つのがダウンブローです。
通常は削り取った芝の痕に沈んだボールを潰すように打ち込むときに使うアイアンショットの1つです。
斜め上からインパクトするわけですから、フェース面は下を向いています。
つまりドライバーのフェースを下に向けてボールを打つと、打ち出し角が足りずにボールは上がりません。
修正するためには、ダウンブローのスイングからアッパーブローのスイングに変える必要があります。
左足にかかっている体重を右足にかけるようにしてダウンスイングをすると、打ち上げるドライバーショットができるようになります。
初心者だからドライバーのティーショットが上がらない?
ドライバーが上がらないのは、「初心者」だからかもしれません。
レベルが上がってくると、「ヘッドコントロール」することで、フェードやドローを打ち分けられますし、打ち出す角度を変えることもできます。
初心者はゴルフクラブの長さに慣れていないため、シャフトの先にあるヘッドを自分の意思で自由に操作することができないことがあります。
ヘッドコントロールが「できる、できない」の差は、ほんのわずかなことです。
例えばフックフェースでインパクトするとドロー打ちになりますが、強めのフックフェースになると「ど」がつくほどのフックになります。
球筋は極端に違いますが、実際のフェース面の「ほんのわずか」と「強い」では微妙な角度の違いでしかありません。
時速150kmのヘッドスピードで、この差をコントロールするには、やはり「慣れ」が必要です。
ボールの高低差も同じことで、アッパーブローでスイングしていても、慣れていないから打ち出し角が足りないだけだと考えられます。
毎日汗をかくほど素振りをすれば、1週間もたたずにドライバーの長さに慣れてくるはずです。
初心者のドライバーが上がらない理由は複合している
考えられる修正方法をやってみても、ドライバーで打ったボールが上がらない場合は、インパクトの状態を再確認しましょう。
初心者のうちは、1つの理由だけでボールが上がらないとは限りません。
手首を固めたノーコックでスイングし、テークバックでスエーし、ダウンスイングで左肩が下がっている、しかもフックグリップのハンドファーストと、こうしたすべての原因が複合されていることがあります。
そのため1つだけを修正しても結果は変わりませんが、まさか自分のスイングにたくさんの欠点があるとは思っていないので、「修正したのに直らない」と悩むのどつぼにハマってしまいます。
こんなときは、思い切って基本のスイングに戻してみましょう。
初心者だからこそ、それまでの間違ったスイングのクセは抜きやすく、新しいスイングを吸収できるはずです。
まずスタンスの幅を狭くとって、ヘッドは30センチ程度引いただけで、アッパーブローでインパクトをします。
地味なようですが、コツコツと当てて、徐々に振り幅を広げてハーフスイングまで持っていきます。
コンスタントにスイートスポットでとらえることができるようになるまで、そのスイング幅にしていれば、3か月もするとボールは上がるようになるでしょう。
ドライバーのボールが上がらない初心者は「初心に戻る」こと
ドライバーのティーショットが上がらないときは、原因を見つけて対処するのが早い解決法です。
しかしながら初心者のうちはスイング軌道が不安定なので、原因を特定できなければ、基本のスイングを覚えた方が早く解決できるかもしれません。