自分のプレースタイルに合わなくなったシャフトを自分で交換する場合は、新しいシャフトはもちろんのこと、必要な部材や道具を準備しなくてはなりません。
専用のものが揃ったゴルフショップだけでなく、100均などを利用して経費削減して選ぶのも良いかもしれません。
今回はシャフト交換に必要な準備と交換の仕方を解説します。
最初のゴルフクラブを購入して1年経ったらシャフト交換
ゴルフクラブを購入して1年も過ぎるとゴルフスイングに慣れて、最初のころから比べるとヘッドスピードが速くなって、ヘッドコントロールが効かなくなって荒れ球になることがあります。
順調に成長してきた初心者がぶち当たる最初の壁です。
当初は鉛のウェイトをつけて騙しだまし使っていても、不安が悪影響を及ぼして、より荒れ球の範囲は拡大して収拾がつかなくなることもあります。
そんなときは自分に合った新しいクラブに交換すべきですが、ヘッドが気に入っているようであればシャフト交換で対処することを検討しても良いのではないでしょうか。
交換には専用の器具、専門技術が必要なので工房に持ち込んで交換してもらうのが一般的ですが、自分で交換できないこともありません。
ただし最低限の工具は必要なので、最初の1本目の工具を揃える経費と、シャフト交換を依頼する料金だと、自作のほうが高くついてしまう可能性があることを理解しておきましょう。
もちろん自宅にあるもの、また代用できるものがあれば、無理に同じものでなくても構いません。
まずは事前に用意が必要なものをリストアップします。
シャフト交換に必要なゴルフ用品を準備しよう
ゴルフクラブのシャフト交換に必要なのは、装着するシャフトなどのゴルフ用品と、交換作業に必要な工具類です。
拭き取りなどに使うテーブル(台)や布などは、あるものとしてリストに加えてはいません。
まず新しく交換するシャフトです。
シャフト選びは仮にバラ売りのものがあっても、ヘッドやグリップがついていないので、どんな感じなのかは分からないはずです。
そのため表示されている数値と、実際に装着しているクラブを手にして決めるしかありません。
これが一番の迷う部分ですが、広範囲の情報を集めて慎重に検討するようにしましょう。
試打した際はヘッド重量やシャフト長などの情報も得られるとよりベターです。
次はシャフトとヘッドのつなぎ目に装着するソケットです。
基本的には内径によって2種類、長さによって2種類あり、さらにはライン入りのタイプもあるので、現行のものと同じタイプを選ばないと、全部交換しなければならなくなります。
3つ目はグリップです。
シャフト交換がドライバーの場合は、ある程度自由に選んでも問題ありませんが、アイアンを1本だけ交換する場合は、同じタイプのグリップを注文しましょう。
装着するものはこれだけですが、あとは工具や接着などに必要なものをリストアップします。
ゴルフクラブのシャフト交換に必要な工具と部材
シャフト交換に必要な工具は、ある程度専門性があるため、ネットで探したほうが簡単に手に入れられるでしょう。
ただ経費を考えると、100均などを利用すれば抑えることができます。
まずシャフトの抜き挿しに必要なヒートガンです。
ネットでは「ドライヤーで代用」または「ガストーチで代用」という説明をみかけますが、ヒートガンが安全かつスムーズに仕上がり良くできるので、高価ですが必要です。
次に角材です。
これは自宅にあるもの、または近所にあった木材でも構いません。
本来は万力を使いますが、切込みを入れたところにヘッドを差し込んでグリップをひねると、ヘッドがつなぎ目から外れるという自作ゴルフ用工具に使います。
3つ目はアルミパウダー(粉)またはガラス粉です。
シャフトの先に接着剤をつけてから、粉をまぶして、衝撃を受けても外れないようにするものです。
装着自体には必要ありませんが、接着の耐久性やガタツキを抑えることを考えると用意しておきたいものです。
あとはアクリル系混合接着剤、紙やすり(荒目)、ビニールテープです。
それにグリップを装着するための溶剤(ホワイトガソリン)と両面テープも必要になります。
なお、これらのものの多くは100均でも購入できるので、出費は抑えられるでしょう。
ゴルフクラブから既存シャフトを外して交換する
すべてが揃ったらゴルフクラブのシャフト交換をスタートします。
まずはシャフトを外すのですが、その前にソケットとシャフトのつなぎ目にビニールテープをぐるりと1周貼ります。
これはあとで、とても重要になるので必ず貼るようにしてください。
ソケットは再利用できないのでカッターで切り込みを入れて外しましょう。
するとシャフトにはビニールテープだけが残っているはずです。
シャフトが挿してあるホーゼル部分だけをヒートガンで1分程度温めますが、ヘッドは高温になっているので触らないようにしましょう。
安全に作業するために冷水に浸したタオルをヘッドに巻くと良いです。
1分もするとホーゼルとシャフトを接着している部分が熱によって溶けてくるので、角材の溝にヘッドを挟みグリップを回してください。
意外に簡単に外れますが、もしも外れない場合は再度加熱してから再チャレンジしてください。
熱が冷めてきたらホーゼルの内側をカッターの刃やマイナスドライバーの先などで擦って、接着剤のカスを取り、そのあと布に溶剤をつけて溶かしながら拭き取ります。
このとき気をつけたいのが、ホーゼルの底にある蓋です。
ヘッド内に異物が入らないようにするためのものですが、カスの除去の際に強く押し込むとヘッド内部に落ちてしまうことがあります。
落ちてしまうと除去は困難で、スイングのたびに異音が鳴るようになってしまいます。
ゴルフクラブを新しいシャフトに交換するときの注意点
ゴルフクラブに新しいシャフトを装着します。
まずホーゼルの内側にサンドペーパーをかけて、細かな傷をつけることで接着剤のくっつきを良くします。
同じようにシャフトの先端にもサンドペーパーをかけてください。
ここは大事なポイントなので、丁寧な作業をしましょう。
次にシャフトにソケットを差し込み、ビニールテープの位置まで入れます。
歪まない程度ハンマーで叩きながら入れていくのですが、慎重にそして確実にビニールテープのところまで入れましょう。
どうしても入らない場合は、溶けない程度に熱すると入れやすくなります。
おすすめは熱湯に数秒漬け込む方法です。
ソケットをつけたらヘッドを挿し込むのですが、その前に2液の接着剤を混合して、ホーゼルの中とシャフトの先端につけます。
満遍なくついたら、シャフトの先端にアルミパウダーをつけてから少しシャフトを回しながら挿し込みましょう。
一気に押し込むと接着剤が空気圧で押し出されてきてしまうからです。
ここで多少はみ出た接着剤を拭き取ったら、接着剤が固まるまで、一旦作業を中断します。
万が一このシャフト交換後、仮にヘッドが外れて人身事故になった場合は、ゴルフ保険等が使えません。
絶対に大丈夫と思えるくらいの丁寧な交換作業が求められていますので、サンドペーパーや接着剤塗り、またアルミパウダーの添付などを省略することなく、確実に行うようにしてください。
シャフト交換が終わったらグリップを装着
シャフト交換が終わって接着剤が乾燥したら、ゴルフクラブにグリップを装着します。
布に溶剤をつけてシャフトのグリップを装着する部分を磨いて、手脂等を綺麗に拭き取ります。
両面テープをグリップの長さからマイナス1㎝程度縦貼りして、エンドで切らずに折り返して裏側まで貼ってしまいます。
新し入れるグリップのエンドにある空気穴にティーを挿して塞いでください。
グリップの中に溶剤を入れてシェイクして、その溶液を両面テープの上に回しかけたら、間髪入れず空気穴のティーを外して、乾燥しないよう手早くグリップを挿入します。
扉の敷居などにフェースを合わせて、グリップの先端についているセンターマークが頂点に来るようにして終了です。
この頂点はスクエアが基本ですが、好みで多少フックやスライス寄りにずらしても問題ありません。
あとはグリップ内の溶剤が乾くまでの最大2~3日待つと、一連のシャフト交換は完了です。
揮発性が高ければ1日空ければ打てるでしょう。
シャフト交換は事前準備が成功のカギ!
ゴルフクラブのシャフト交換を自分で行う場合には、必要な工具や部材を事前に準備することが成功のカギです。
手順通りに行えば失敗はありませんが、溶剤を使う場面では、ケチらず使い、そして中途半端にならないよう手早く行うことが必要です。