ウェッジはラウンドで使わずには済まないクラブです。
そんなウェッジは飛距離を求めるクラブではありませんが、飛距離を打ち分ける技術が必要です。
そのためのスイングコントロールが要求されます。
また飛距離に合った適切なウェッジ選びと、スイングの振り幅の目安をどこにするかが大切です。
今回はウェッジの仕様や打ち方について説明します。
ウェッジとはどんなクラブなのか
ウェッジとは一般的に、ピッチングウェッジ以下のクラブのことを言います。
ピッチングウェッジはアマチュアで100~120ヤードの飛距離でしょうから、それ以下の距離を打ち分けるクラブということになります。
フルショットというより、短い距離からグリーンに乗せるときや、バンカーなどで使用します。
距離の短い分、正確さが要求されます。
ゴルフは長い距離よりも、短い距離のほうが難しいものです。
ドライバーで300ヤードのフェアウェイキープも、ウェッジでダフってしまったら台無しです。
グリーン周りで、ダフリを繰り返したらスコアは伸びません。
ゴルフは「コースマネジメント」と良く言われますが、自分の飛距離を知り、その飛距離通りに打てれば、マネジメントはほぼ成功します。
そのためには、使用するクラブの飛距離を知ることと、コントロールショットの振り幅の目安を知ることが大切です。
ウェッジには種類があり、打つ場所やライによって使うクラブが違います。
他のクラブはスイングやスタンス、グリップなどはほぼ一定ですが、ウェッジはクラブによって変わってきます。
次にウェッジの種類について説明します。
ウェッジの種類とロフト角で飛距離の目安を知る
どんな種類のウェッジがあり、飛距離の差、そしてそのクラブの構造の違いを知ることは大切です。
代表的な種類とロフト角は以下の通りです。
ピッチングウェッジ:42度~44度
アプローチウェッジ:49度~53度
ピッチングサンド:52度~56度
サンドウェッジ:54度~60度
ロブウェッジ:60度以上
ウェッジの種類はロフト角で分類されています。
ロフト角による飛距離の目安は、1度ごとに3~4ヤードほどで違ってきます。
セッティングは、ピッチングウェッジからロフト角を6度刻みで選ぶのが一般的です。
ピッチングが44度であれば、アプローチが50度、サンドが56度といった感じです。
ロフト角の選択肢は非常に多くあり、用途に合わせて使い分けることになります。
ウェッジはフルショットをするクラブではありませんが、フルショットの飛距離を目安にコントロールするため、最長飛距離を知ることは大切です。
ピッチングウェッジのフルショットから各ウェッジのフルショットを掴んで、自分に合う飛距離のものを選びましょう。
そのロフト角と最長飛距離から、コントロールショットの振り幅を決めていきます。
ウェッジはソールの形状も飛距離に関係しますので、次にソールについて説明します。
ウェッジのソールによる飛距離の目安
ソールとバウンス角も飛距離に影響してきます。
ソールはボールを打つときの地面とクラブの接点です。
幅広いソールは地面を滑りやすく、ボールが打ちやすいと言われています。
ただし広くなりすぎると、ソールがボールより先に地面に当たって跳ね上がり、トップする場合もあるため注意が必要です。
ボールへの入射角度が浅い人は、ソールが薄いほうが使いやすいかもしれません。
バウンス角はウェッジのソールが地面方向に出っ張っている傾斜の角度のことです。
バウンス角の目安は、0~8度が小さく12度が標準、13~16度が大きめです。
バウンス角が大きいと、少々ダフってもソールが後ろ側から滑ってくれます。
ダフりやザックリが少なくなる効果があります。
ウェッジのバウンス角は、どの場所から打つかによって、効果が違ってきます。
フェアウェイからグリーンを狙うのであれば、普通から小さめのバウンス角で操作性の良いウェッジを使い、バンカーやラフからは、滑りやすい大きいバウンス角が良いとされています。
こうしたウェッジの特性を知って、あとは自分が打ちやすいウェッジを選ぶことをおすすめします。
ウェッジの打ち方で飛距離の目安を知る
ゴルフスイングで大切なことは、左脇が締まった状態で体を動かして打つことです。
ウェッジは短い距離をコントロールショットするクラブですが、左脇が緩んだ状態でスイングすると手打ちになりやすいので注意が必要です。
スタンスも閉じたり開いたりしますが、左脇を緩めてはいけません。
飛距離を打ち分ける目安は、いわゆる時計の針に例えた8時のスイングで40ヤード、9時で60ヤード、10時なら70ヤードといった振り幅をマスターします。
飛距離には個人差がありますが、この方法が一番安定します。
さらに微調整はクラブを短く持つことで調整すれば良いでしょう。
ボールを転がすか、上げるのかでも打ち方が違ってきます。
極端にスタンスも閉じたり開いたりするよりも、振り幅のコントロールをマスターしてからスタンスを決めたほうが安定感は増します。
振り幅を安定させて正確な飛距離が打てれば、ロフトを立てたり、開いたりして打つこともなくなります。
クラブ本来のロフト角やソール形状の状態で打つことで、ミスは少なくなるからです。
ウェッジで短い距離を正確にコントロールショットができれば、バーディーチャンスやパーセーブも増えて、スコアは良くなることでしょう。
ウェッジのセッティングで飛距離の目安を変える
ウェッジのセッティングは、ピッチングウェッジのロフトから4度刻みでセッティングしていきます。
ラウンドでは14本のクラブしかセッティングできませんので、ゲームプランに合わせてウェッジの本数を決めることになります。
一般的にウェッジは3本が妥当でしょうか。
ピッチングウェッジが46度であれば、それ以下のウェッジは50度、54度、58度以下となっていきます。
ピッチングウェッジを基本に残り2本をどのロフト角にするかが大切です。
飛距離を目安に、どのように打つか、どうゆう弾道が得意かでセッティングを決めましょう。
ウェッジはたくさんあれば良いというものではありません。
本数を多くしても、飛距離差が少ししか変わらないなら、増やしても同じです。
100ヤード以下を打ち分けるには、ボールを上げる打ち方と転がす打ち方ができれば問題ありません。
正確に距離を打ち分けることができる得意なウェッジを作ることも大切です。
ただしバンカーが苦手な人はバンカー専用にロフト角が大きい、開いたクラブをセッティングするのも安心感が増すはずです。
コントロールショットの技術向上
コントロールショットの技術が向上すれば、正確に飛距離を打ち分けられます。
残りの距離をどのウェッジで、どれくらいの振り幅で、どんな球筋で打つかが大切です。
まずはウェッジの基本である、ピッチングウェッジとサンドウェッジの2本で、コントロールショットを徹底的に練習してください。
100ヤード以内の距離を10ヤード刻みで打ち分ける練習です。
50ヤード以下の距離を、ピッチングウェッジで高いボールを打つことは難しいものです。
そのため目安として50ヤード以下なら使用ウェッジをサンドウェッジにするなど、自分の飛距離とコントロールショットのスイングをしっかりと身につけましょう。
ウェッジで悩む人は、ボールを上手く上げられないことが多いようですが、サンドウェッジはボールが上がるロフト角になっています。
そのためスイングの振り幅を確実に自分のものにして、入射角さえ正しく打ち込めれば、間違いなくボールは上がります。
練習で感覚を養い、自信を持ってラウンドでスイングしてください。
そして20ヤード以下はランニングアプローチに徹すれば安全で確実です。
ランニングアプローチは、ソールを滑らせる打ち方と、ロフトを立てて転がす2種類の打ち方を練習しておけば、グリーン周りのミスはなくなります。
ウェッジのスキルアップがスコアアップにつながる
ゴルフの上手い人、スコアが良い人は短い距離を正確に打てる人が多いものです。
ウェッジが上手くなれば、間違いなくスコアアップにつながります。
短い距離を正確に打つには、何よりもダウンスイングの振り幅を体に染み込ませるのが効果的です。